今回は、子ども五感を刺激する遊びや五感の発達と脳の発達の関係、そして五感が鋭いことを生かした仕事を紹介していきます。
五感とは何でしょう?
What are the five senses?
五感とは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことです。
視覚 Vision
視覚は光を感知して情報を脳に送ることで、物体や環境を認識します。
眼球の網膜には、光が物体に反射されて入ると、それを神経信号に変換する光受容体があります。
聴覚 The Sense of Hearing
聴覚は音波を感知して情報を脳に送り、音を聞いたり音の方向を把握したりします。
耳には外耳、中耳、内耳の部分があり、これらが共同して音を受け取り、脳に送信します。
嗅覚 Sense of Smell
嗅覚は化学物質(香り)を感知して情報を脳に送り、物質の種類や特性を認識します。
嗅覚は鼻腔内の嗅細胞によって行われ、化学物質が鼻腔内の受容体に結合することで信号が生成されます。
味覚 Sense of Taste
味覚は化学物質(味)を感知して情報を脳に送り、食べ物や飲み物の味を認識します。
味覚は口腔内の味蕾という小さな器官によって行われ、味を分類することができるさまざまな受容体が含まれています。
触覚 Sense of Touch
触覚は物体の表面との接触や圧力を感知して情報を脳に送り、物体の形状や質感を認識します。
皮膚にはさまざまな種類の触覚受容体があり、圧力、振動、温度などの刺激を感知します。
この五感の発達は、子どもの脳の発達に重要な役割を果たすものです。
五感を刺激することで、子どもの非認知能力(自己調整、協調性、好奇心など)も高まるという研究があります。
そこで、五感を使った遊びや食事の工夫など、子育ての中でできることを紹介しましょう!
五感の発達と脳の発達の関係
Relationship Between the Development of the Senses and Brain Development
子どもの脳は、生まれたときから急速に発達するが、特に0歳から3、4歳までが重要な時期と言われています。
この時期に五感を刺激することで、脳の神経細胞のつながりが強化され、脳の機能が向上します。
五感は、言葉を持たない子どもにとっても、脳にダイレクトに入ってくる刺激なのです。
五感の発達は、後に育つ「おりこうさん脳」や「こころの脳」の土台となる、という研究結果があります。
おりこうさん脳とは
「おりこうさん脳」とは、いわゆる大脳皮質と小脳のことで、高度な知的活動や細かい手指の動きを担う脳の部分になります。
この脳は、1歳から18歳ごろに発達し、勉強やスポーツに関係する部分と言われています。
こころの脳とは
「心の脳」とは、前頭葉のことで、自分で思考して考え、自分なりの論理を作っていく機能を担う場所です。
この脳は、10歳から18歳ごろに発達するといわれ、人間的な機能を有する部分になります。
五感を刺激する遊び
Play to Stimulate the Five Senses
五感を刺激する遊びは、子どもの年齢や発達に合わせて選ぶことが大切です。
以下では、ねんね期、はいはい期、1歳すぎごろ、2~3歳ごろ、幼児以降の各時期におすすめの遊びを紹介しましょう。
ねんね期
Sleeping Period
ねんね期の子どもは、ガラガラやメリーなどの赤ちゃんおもちゃで五感を刺激できます。
赤ちゃんは、おもちゃを触ったり、振った音を聞いたり、色や動きを目で追って見たり、口に入れて味わったりします。
このときに、保護者が笑顔で目を見つめて、たくさん声をかけることが大切で
言葉かけで、子どもに刺激の意味づけをしてあげることが一番重要なのです。
はいはい期
Crawling Period
はいはい期の子どもは、手指の発達が進み、細かい動きができるようになってきます。
手指の触覚を刺激する遊びが効果的で、新聞紙をちぎったり、ストローなどを入れ物に入れたりするものなどがあります。
また、はいはいするようになったら、全身を使った粗大運動も取り入れたいですね!
室内だけでなく、外に出て、ボールを追ったり、水を触ったりする遊びで、五感への刺激は広がります。
1歳過ぎごろ
Around 1 Year Old
1歳すぎごろの子どもは、だんだんと色の違いがわかってくる時期です。
くだものを見たら「りんごは赤いね」「黄色いのはどれかな?」などと話しかけることや、
色のボードやおもちゃを使う遊びが視覚への刺激になります。
また、音楽を流して体を動かすのもおすすめで、リズム感や表現力を育みましょう!
積み木遊びでは、手先の器用さの発達に加えて、
積んだり崩したりしたときの音や形や手触りなどの刺激が得られるので、その効果は大きいと考えられます。
2~3歳ごろ
Around 2-3 Years Old
2~3歳ごろの子どもは、言葉や記憶の発達が進み、想像力や創造力が芽生えてきます。
絵本や童話を読んであげることや、自分で絵を描いたり、粘土で形を作ったりする遊びが五感を刺激すると言われています。
また、自然の中で遊ぶことも大切で、草花や虫などに触れたり、
季節の移り変わりを感じたりすることで、五感が研ぎ澄まされる素晴らしい時期なのです!
幼児以降
After Infant
幼児以降の子どもは、自分の興味や好みがはっきりしてきます。
五感を刺激する遊びは、子どもの選択に任せることが大切で、あれこれと命令をするのはいただけません。
保護者は、子どもの遊びに寄り添って、一緒に楽しんだり、感想を聞いたりする役割に徹しましょう。
五感を使った遊びは、子どもの感性や表現力を豊かにするのです。
五感が鋭いことを生かした仕事
Work That Makes Use of the Five Keen Senses
五感が鋭い人は、その能力を活かしてさまざまな分野で優れた仕事をすることができます。
例を挙げてみますと
シェフ
Chef
料理の世界では、嗅覚と味覚が非常に重要です。
鋭い味覚を持つシェフは、素材の品質や調理法、味のバランスを正確に把握し、美味しい料理を生み出します。
有名なシェフとしては、ゴードン・ラムゼイやジュリア・チャイルドなどがいます。
ワイン評論家
Wine Critic
ワインの世界では、嗅覚と味覚が鍵を握ります。
ワイン評論家は、ワインの香りや味を正確に評価し、その品質や特性を伝える仕事をします。
有名なワイン評論家には、ロバート・パーカーなどがいます。
ミュージシャン
Musician
音楽の世界では、聴覚が重要です。
鋭い聴覚を持つミュージシャンは、音の微妙なニュアンスや調和を感じ取り、素晴らしい演奏や楽曲を作り出します。
有名なミュージシャンには、モーツァルトやビートルズのメンバーなどがいます。
アートディレクター
Art Director
視覚的な表現が求められるデザイン業界では、鋭い視覚を持つアートディレクターが重宝されます。
彼らは色彩やデザインの要素を的確に把握し、魅力的なビジュアルコンテンツを制作します。
有名なアートディレクターには、ポール・ランドやポーラ・シェレルなどがいます。
医師
Doctor
医療の分野でも、五感の鋭さが求められます。
例えば、診断や手術において、視覚や触覚を使って病気や異常を見つけ出す能力が必要です。
有名な医師としては、ハーヴェイ・コッシュやジャン=マルク・グレタなどがいます。
これらの人々は、それぞれの分野で自分の五感を鍛え、磨き上げてきました。
彼らの鋭い感覚は、彼らの仕事や才能を際立たせるのに役立っています。
自分の子どもが目指せそうなお仕事はありますか?
まとめ
五感は、子どもの脳の発達や非認知能力の育成に大きな影響を与えます。
五感を刺激することは、子育ての中で自然にできることが多いものです。
五感を使った遊びや食事の工夫など、子どもの年齢や発達に合わせて、楽しく五感を刺激しましょう!