日本語では「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「お手数ですが」など、クッション言葉を自然に使い分けていることでしょう。
一方で、英語は「はっきり言う言語」「ダイレクトに伝える文化」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、日本語と比べると英語は率直な表現が好まれる傾向があります。ただし、それは「配慮がいらない」という意味ではありません。実際のビジネスシーンでは、英語でも相手を気遣う表現が数多く使われています。
その役割を果たすのが、クッション言葉(緩衝表現)です。クッション言葉を上手に使えるようになると、依頼・提案・質問・お断りなど、言いにくい内容でもスムーズに伝えられるようになります。
今回は、英文ビジネスメールやメッセージ(「Slack・Teams・Chatwork」 などのビジネスチャットで使う短い英文)で役立つクッション言葉を、具体的な例文とともにご紹介します。
クッション言葉とは?

クッション言葉(cushion statement)とは、そのまま伝えると相手に負担を感じさせたり、きつく聞こえたりしそうな内容を、やわらかく包んで伝えるための前置き表現です。
日本語では「ビジネス枕詞」とも呼ばれ、本題に入る前に相手への配慮や敬意を示す役割があります。
英語でも同様に、「相手の立場を尊重する」「自分の意見を押しつけない」といったニュアンスを伝えるために、クッション言葉が使われています。
特に次のような場面では、クッション言葉の有無で印象が大きく変わります。
- 意見の不一致を伝えるとき
- 依頼や提案をするとき
- 忙しい相手に質問するとき
- 何かを断らなければならないとき
- ミスや改善点を指摘するとき
クッション言葉があるだけで、「丁寧」「配慮がある」「一緒に仕事をしやすい」という印象を与えることができます。
クッション言葉を使うときの注意点
クッション言葉は便利ですが、使い方次第で印象が大きく変わります。ここでは、英語ビジネスシーンで失礼にもあいまいにもならないための、押さえておきたいポイントを確認します。
使いすぎに注意
便利だからといって多用しすぎると、「自信がなさそう・話が回りくどい・結局何が言いたいのかわからない」という印象につながることもあります。要点ははっきり、前置きは短くが基本です。
文化的な違いを意識する
日本語の感覚をそのまま英語に持ち込むと、過剰にへりくだった印象になり、不自然に響くことがあります。相手との関係性や立場、スピード感が求められる場面かどうかを意識し、「丁寧さ」と「明確さ」のバランスを取ることが大切です。
依頼・提案で使えるクッション言葉
依頼や提案は、相手に丁寧にお願いをするという気持ちが伝わることが大事です。クッション言葉を添えることで、相手への配慮を示しつつ、前向きに受け取ってもらいやすくなります。
I was wondering if…
「もしよろしければ〜」
柔らかい依頼の定番表現です。
I was wondering if you could review the draft by Friday.
(もしよろしければ、金曜日までに草案をご確認いただけますか)
Would you mind if…
「差し支えなければ〜」
相手の許可を求める丁寧な言い回しです。
Would you mind if we moved the meeting to next week?
(差し支えなければ、会議を来週に変更できますでしょうか)
It might be better if…
「〜した方がよいかもしれません」
改善案や提案を控えめに伝えるときに便利です。
It might be better if we clarify the scope first.
(先に範囲を明確にした方がよいかもしれません)
Would it be possible to…
「〜は可能でしょうか」
フォーマルな場面でも安心して使えます。
Would it be possible to extend the deadline by one day?
(締め切りを1日延ばすことは可能でしょうか)
When you have a moment, could you…?
「お時間のあるときに〜」
相手の忙しさを気遣う、実務でよく使われる表現です。
When you have a moment, could you take a look at this file?
(お時間のあるときに、このファイルをご覧いただけますか)
その他、If you don’t mind~(差し支えなければ)、I hate to say this, but…(恐れ入りますが)、If it’s not too much trouble, could you…?(お手数ですが)、I apologize for the inconvenience, but(ご不便おかけして申し訳ありませんが)、I know you are busy but(お忙しいとは思いますが)などもあります。
相談・質問で使えるクッション言葉

相談や質問をするときは、クッション言葉を添えることで相手の時間や立場への配慮が伝わりやすくなります。
I know you’re busy, but…
「お忙しいとは思いますが」
I know you’re busy, but I have a quick question.
(お忙しいとは思いますが、少し質問があります)
If you don’t mind me asking…
「差し支えなければお伺いしたいのですが」
If you don’t mind me asking, what’s the current status?
(差し支えなければ、現在の進捗を教えていただけますか)
断り・意見の不一致で使えるクッション言葉
断りや意見の相違を伝える場面では、まず相手の考えや気持ちを尊重する姿勢が大切です。クッション言葉を使うことで、関係性を保ちながら自分の立場を伝えやすくなります。
I see where you’re coming from, but…
「おっしゃることは理解できますが」
I see where you’re coming from, but I have a different view.
(お考えは理解できますが、少し異なる意見があります)
I’m afraid that…
「あいにくですが/残念ながら」
I’m afraid that I won’t be able to join the meeting.
(あいにく、その会議には参加できません)
Unfortunately, I have to decline…
「残念ながらお断りしなければなりません」
Unfortunately, I have to decline due to a prior commitment.
(先約があるため、残念ながらお断りしなければなりません)
I appreciate the offer, but…
「ありがたいお話ですが」
I appreciate the offer, but I won’t be able to proceed at this time.
(ありがたいお話ですが、今回は見送らせてください)
その他、I wish if I could, but I’m unable to…(ありがたいお話ではございますが…できません)、I’m terribly sorry but(大変恐縮ですが)、I regret to let you know that(期待に添えず申し訳ございませんが)などを使うこともあります。
英文ビジネスメッセージ(チャット)でのクッション言葉は?
ビジネスメールで使うクッション言葉は、そのままビジネスチャットでも使えます。ただ、少しだけテンポの速さを意識すると、より自然になります。
たとえば次のような表現を使ってもかまいません。
メール:
I was wondering if you could review the attached document when you have a moment.チャット:
When you have a moment, could you take a look at this?
まとめ
英語のビジネスコミュニケーションでも、クッション言葉は欠かせません。大切なのは、言いにくいことを避けるのではなく、配慮を添えて、はっきり伝えることです。
ほんの一言加えるだけで、やさしく伝わりやすくなります。
ぜひ、今日から一つずつ使ってみてください。
▼Kimini英会話の法人向けプランについて詳しくはこちら

