「逃げる」を英語で表現する際、最初に思い浮かぶのが「run away」でしょう。

しかし、英語には「run away」以外にもさまざまな表現があります。

どのようなシーンで逃げるのかによって、適切な単語・表現が変わるのでニュアンスの違いを理解しておきましょう。

そこで今回は、「逃げる」の英語表現について解説していきます。
シーンや状況に応じて適切な表現が選べるよう、ぜひ参考にしてくださいね。

「逃げる」は英語で?

「逃げる」って英語で何て言う?run awayやget awayなどニュアンスの違いを解説!

日本語で「逃げる」と言うと、前後の話の流れからどのような状況で「逃げた」「逃げる」のかが伝わる便利な言葉です。

たとえば、「不審者に追いかけられて逃げる」「会社で不正が発覚して責任者が逃げる」どちらも同じ「逃げる」という単語を使うでしょう。

しかし、英語の場合は「逃げる」を表現できるさまざまな単語・フレーズがあります。

シーンによって選ぶべき表現が変わるため、一つ一つ解説していきます。

run away

「逃げる」の基本表現といえば「run away」ではないでしょうか。

学校の授業でも「run away」=「逃げる」と教わるため、覚えている方が多いかもしれません。

「run away」を使って「逃げる」を表現すると、「物理的な距離を置く」というニュアンスが伝わります。

たとえば、「走って逃げる」「苦手な友人と離れて過ごす」「苦手なことから逃げる」という場合に「run away」を使います。

Aさん
I want to run away from home.
わたしは家から逃げたい(家出したい)。
Aさん
He tends to run away from problems.
彼は問題から逃げる癖がある。

flee

一般的な「逃げる」の表現に「flee」も挙げられるでしょう。

「run away」と「flee」は「物理的な距離を置く」ニュアンスを表現できるという点では同じですが、異なるポイントもあります。

「run away」を使う場合、理由はともかく、シンプルにその場から立ち去って逃げる様子が伝わります。

一方、「flee」は危険を逃れるためにというニュアンスが強くなるのです。

Aさん
My family could flee from the conflict area.
わたしの家族は紛争地域から逃げられた。

run off

「run off」は直訳して「走り去る」として使われることもありますが、「逃げる」の意味でも使われる表現です。

「走り去る」という意味を含んでいるため、「run off」は「”急にその場から”逃げる」というニュアンスがあります。

たとえば、「万引きをして逃げる」「浮気をして逃げる」といった状況に使われるのです。

Aさん
He ran off without paying a debt.
彼は借金を払わず逃げました。

get out of~

「get out of~」は「脱出する」というニュアンスの強い表現です。

「get out of~」というフレーズは「~から出る」「~から抜け出す」「~から手を引く」と言った意味に訳されます。

たとえば、「契約から手を引く」「建物から出る(脱出する)」といったシーンで使いましょう。

Aさん
I can’t get out of the traffic jam lasted one hour.
私は少なくとも一時間、渋滞から抜け出せていない。

escape

「get out of~」とニュアンスが似ている表現にescapeがあります。

escapeは「逃げる」「逃亡する」「脱出する」と言った意味があり、その場所から「脱出する」というニュアンスを表現できます。

ただし、escapeを使うシーンで注意しなければならないのが、「“危険な場所・状況から”逃げる」場合にのみ使う表現だということでしょう。

Aさん
I had to escape from tsunami.
わたしは津波から逃げなければならなかった。

on the run

何かから「逃げている最中」というのを表現する場合は、「on the run」というフレーズを使いましょう。

日本語で表現すると、「逃走中」という意味が当てはまります。

Aさん
That criminal has been on the run for one months.
その犯人は1か月も逃亡中です。

evacuate

「逃げる」とは少しニュアンスが異なりますが、「避難する」というのを表現する場合はevacuateを使います。

evacuate は、危険なところから「避難する」「~から避難させる」などの意味で使える表現です。

evacuate はescapeと似ているように感じるかもしれませんが、evacuate の後には「場所」を表す英単語がとセットで使うがポイントです。
一方、escapeは何から逃げてきたのか、「逃げてきた対象」とセットで使いますよ。

Aさん
Police evacuated students and teachers from the school because of a fire.
警察は火災のため、生徒と先生たちを学校から避難させた。
Aさん
Students and teachers escaped the fire.
生徒と先生たちは火災から逃げた。

「逃げる」が使われていることわざを英語で表現すると?

「逃げる」が使われていることわざを英語で表現すると?

「逃げる」または「逃がす」など、「逃」という漢字を使ったことわざにはさまざまな種類があります。

ここでは、ことわざの英語表現を紹介していきます。

逃げるは恥だが役に立つ

「逃げ恥」という略称で呼ばれている「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマが大ヒットしていましたよね。

実は日本で誕生したことわざではなく、ハンガリー発祥のことわざだそう。

ハンガリー語では「szégyen a futás de hasznos」と表記されます。

意味を簡単に説明するなら「自分の置かれている状況にしがみつく必要はない。自分の得意なことができる場所を探すために、逃げることも選択肢にいれよう」となります。

英語でことわざをそのままを表現するなら、「Running away is a shame, but useful」となりますよ。

また、ことわざの意味を表現する場合は「Choose your battles wisely」となります。

「Choose your battles wisely」は「戦う場所を賢く選べ」という意味になるため、「逃げ恥」の意味と同様のニュアンスを表現できるのです。

逃がした魚は大きい

失った物事のが、後になって実際よりも大きく見えることを「逃した魚は大きい」ということわざで表現するでしょう。

英語で同様の意味を表現するなら、「The one that got away」となります。

「The one that got away」だけを直訳すると「逃げきったもの」となりますよね。
実は後に省略されているフレーズがあり「was the biggest」が続きます。

「The one that got away was the biggest.」だと「逃した魚は大きい」となるのがわかりますね。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「逃げる」のさまざまな英語表現を紹介しました。

「逃げる」は「get away」だけでなく、「get off」「flee」など、その他にもいろいろな表現があります。

使う単語・フレーズによってどのような様子で逃げているのか、ニュアンスが変わってくるので状況に応じて使い分けられると表現の幅が広がりますよ。

ぜひ今回の記事を参考に、「逃げる」の英語表現を覚えてみてくださいね。