子どもには、英語を話せるようになってほしい。
親ならそう思っている方は多いのではないでしょうか。
私は学生時代から英語が好きでした。英単語を覚えたり、英文を読んだりすることも、あまり苦痛には感じませんでした。
だからこそ、子どもにも英語を「勉強しなければならないもの」ではなく、楽しめるものとして受け取ってほしいと思っていました。
わが家には中学生と高校生の息子がいます。二人とも、英語、とくにスピーキングには苦手意識があるようです。
そんな息子たちを見ながら、家庭でどのように関わればよいのか、迷うこともありました。
今回は、わが家での試行錯誤を通して感じた、子どものスピーキングを支える親の関わり方についてお伝えします。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 子どもが話せないのは単語を知らないからではなく、英語を話すこと自体への不安が原因のことがあります。
- 会話練習だけがスピーキングではなく、歌の口ずさみやせりふのまねなど、声に出す経験全般がその土台になります。
- 子どもが英語を口にしたときは、正しさより先にまず受け止めることや、日常の出来事を英語で言うなら、と一緒に考えることが安心感につながります。
英語が好きだったからこそ、子どものつまずきがわからなかった

息子が学校で英語を学び始めた小学生の頃、私は「少しずつ単語を覚えていけば、そのうち話せるようになる」と考えていました。
単語を知っていて、基本的な語順がわかれば、短い文なら作れるはず。
実際、英単語や英文を読んで内容を理解することはできていました。
それなのに、英語の授業で先生から質問されると、なかなかうまく答えられていないようでした。
知っている単語なのに、音で聞くとすぐには意味がわからない。
答えが思い浮かんだように見えても、口に出す前に時間が過ぎてしまう。
そんな様子を見ると、「どうして言えないのだろう」とイライラしてしまうこともありました。
これは私自身が、英語を覚えることにあまり苦手意識がなかったからでしょう。
単語を覚えることも、英文の仕組みを理解することも、「英語がしゃべられるようになるために必要なこと」として受け止めていました。
だから、息子が知っていることをすぐに使えなかったり、少し考えれば答えられそうなことでも黙ってしまったりすると、その気持ちを十分に想像できていなかったのだと思います。
でも、息子にとっては、英語を話すこと自体に大きなハードルがあったのかもしれません。
質問を聞き取れなかったらどうしよう。
間違えたら恥ずかしい。
何を言えばよいかわからない。
そのような不安があると、知っている単語や表現があっても、すぐには声に出せないことがあります。
英語を話せないのではなく、英語を話すことが怖くなっていたのかもしれない。
そう考えるようになってから、家庭での関わり方も少しずつ変わっていきました。
英会話だけが、スピーキングではないと気づいた

以前の私は、「英語を話す」と聞くと、先生と会話をすることを思い浮かべていました。
質問を聞いて、自分で英文を考え、答える。
もちろん、その力は大切です。
ただ、息子がいきなり会話をスムーズに続けられるようになるわけではありません。
そこで、英語を話すための経験を、もっと広く考えるようになりました。
英語の歌を口ずさむこと。
動画に出てくるせりふをまねすること。
英語の絵本を声に出して読むこと。
好きなキャラクターの言い方をまねしてみること。
これらもすべて、英語を声に出す経験になります。
わが家では、子どもたちが小さい頃、英語の映画や歌をよく楽しんでいました。
もちろん、内容や歌詞の意味をすべて理解していたわけではありません。
それでも、好きな歌の一部分を口ずさんだり、映画のせりふをまねしたりすることがありました。
当時は、英語学習というより、ただ好きな映画や歌を楽しんでいただけです。
しかし今思うと、英語の音をまねして声に出すことは、スピーキングの土台になっていたのかもしれません。
会話練習だけにこだわらず、英語を声に出して楽しむ経験を重ねることも、話すことへの抵抗を減らす一歩になるのではないでしょうか。
子どもが英語を口にしたら、正しさより先に受け止める
子どもが英語を話したとき、親として気になるのが発音や文法です。
せっかく口に出しているのだから、できるだけ正しく言えた方がいい。
私もそう思っていました。
ただ、子どもがまだ英語を話すことに自信を持てていないとき、すぐに言い直されると、「間違えないようにしなければ」と感じてしまうでしょう。
すると、話す前に正解を探すようになり、声が出にくくなるかもしれません。
そこでわが家では、子どもが英語を口にしたときには、まず日本語で反応することを意識するようになりました。
英語の歌を歌っていたら、「その歌、好きだよね」と声をかける。
動画で聞いたせりふをまねしたら、「今のよく聞き取れたね」と返す。
学校で習った表現を話してくれたら、「新しい表現、覚えたんだね」と言う。
親が英語で返せなくても、子どもが話そうとしたことを受け止めることはできます。
もちろん、子どもから「これで合っている?」と聞かれたときには、一緒に確認してもよいでしょう。
ただ、最初から正しさを求めるよりも、「話してみようとしたこと」を大切にする方が、スピーキングへの苦手意識を減らしやすいと感じています。
日常の出来事を、英語で言うならどうなるか一緒に考える

英語を話すことに苦手意識がある子どもにとっては、「何を話せばよいのかわからない」ことも、声が出にくくなる理由の一つかもしれません。
そこでわが家では、日常の会話の中で、その日にあったことを英語で言うならどうなるか、一緒に考えることがあります。
たとえば、子どもが「休み時間に友達とゲームの話をした」と話したときには、「それを英語で言うとしたら、どう言う?」と聞いてみます。
ここで目指すのは、きれいな英文を作ることではありません。
ゲームの話なら英語でも言えそう。
今日あったことを一つなら伝えられるかもしれない。
そう思えるだけでも、英語を話すことへのハードルが少し下がるように感じます。
最初は、単語だけでもよいと思います。
知っている単語を思い出したり、わからない部分を一緒に調べたりしながら、「英語で伝えてみたいこと」を見つけることが大切です。
親が答えを用意するのではなく、子どもが話したいことを見つける手伝いをする。
そのくらいの関わり方の方が、子ども自身の言葉として英語を使いやすくなるのかもしれません。
また、親が英語をある程度知っている場合は、つい正しい言い方をすぐに伝えたくなることもあるかもしれません。
私自身も、子どもが言葉に詰まっていると、「こう言えばいいのに」と思ってしまうことがあります。
しかし、親が答えを先に示すだけでは、子どもが自分で考えたり、知っている言葉を組み合わせたりする機会が少なくなってしまいます。
すぐに答えを出すのではなく、「知っている単語で言えそう?」「一緒に調べてみようか」と声をかける。
そんな関わり方も、子どもが自分の言葉で英語を使おうとする力につながるのではないでしょうか。
まとめ
子どものスピーキングを伸ばすために、親が英語をたくさん教えなければならないとは限りません。
大切なのは、子どもが英語を口に出すことを怖がらず、「言ってみよう」と思えることです。
歌や動画、英語絵本などを通して、英語を声に出す体験を増やす。
子どもが口にした英語に、日本語でもよいので反応する。
日常の出来事を英語で言うならどうなるか、一緒に考えてみる。
このような小さな関わりの積み重ねが、子どもにとって「英語を話しても大丈夫」と思える安心感につながっていくのではないでしょうか。
親が先生役になりすぎず、子どもの「話してみたい」という気持ちを支えること。
それが、わが家で感じた、スピーキングを続けやすくするための親の役割です。
