「ローマは一日にしてならず(Rome wasn’t built in a day)」、「すべての道はローマに通ず(All roads lead to Rome)」。この有名な言葉は、ローマという都市のスケールと歴史の深さを物語っています。
イタリアの首都であるローマは、古代ローマ帝国の中心として繁栄し、キリスト教世界の重要な拠点として今なお多くの人々の心を惹きつけています。世界遺産として登録された「ローマ歴史地区、教皇領およびサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」は、ローマの壮大な歴史と宗教的意義を体感できる貴重なエリアです。
今回は、ローマの世界遺産を英語で旅しながら、歴史と文化に触れ、英会話も学べる内容を紹介します。
世界遺産「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」とは?

ローマはイタリア・ラツィオ州の州都で、人口は約280万人。イタリアで最も人口の多い都市であり、政治、宗教、文化の中心地として知られています。
ユネスコ世界遺産「Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura」は、1980年に登録され、1990年に範囲が拡大されました。
登録対象にはローマ市内の歴史的中心部のほか、バチカン市国の一部地域、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂が含まれています。
アクセス情報
ローマ中心部へは、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港(通称フィウミチーノ空港)から電車で約30分。ローマ市内は地下鉄、バス、トラムなど公共交通も整っており、世界遺産へのアクセスも良好です。
古代から続くローマの歴史
ローマの建国は紀元前753年と伝えられています。共和政ローマ(Roman Republic)から始まり、ローマ帝国(Roman Empire)へと発展。巨大な帝国は地中海全域を支配し、芸術、建築、法律などに大きな影響を与えました。
4世紀以降、ローマはキリスト教の中心地となり、教皇庁が置かれました。今日ではバチカン市国が教皇の居住地となり、カトリックの信仰と伝統が今なお息づいています。
世界遺産としての価値
訳)ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂は、1980年にユネスコの世界遺産に登録され、1999年に範囲が拡大されました。
登録された理由とは?
この世界遺産は、ローマ帝国時代の遺構とキリスト教の重要な聖地が共存する特別な空間であることが評価され、ユネスコによって登録されました。
登録基準には以下のようなものがあります。
- 古代ローマ建築の技術と美の象徴であること
- 保存状態がよく、現在も当時の芸術と建築技術の高さがよく見られること
- キリスト教世界における中心地としての歴史的価値
- 人類の文明の発展において顕著な役割を果たしたこと
覚えておきたい英会話フレーズ
「世界遺産」や「ローマの魅力」について話すときに役立つ英会話フレーズを紹介します。観光地での会話や旅の感想をシェアするときなど、使える場面が多いフレーズばかりです。
訳)どこを歩いても歴史が感じられますね。
訳)2000年以上前に建てられたなんて信じられません。
訳)コロッセオの迫力には圧倒されました。
訳)ローマは歴史と現代が共存している街ですね。
ローマ歴史地区のおすすめスポット

ローマは「永遠の都」とも呼ばれ、古代の栄光とキリスト教文化の中心として今も世界中の人々を魅了しています。ここでは、その中でも特に見逃せない世界遺産スポットをご紹介します。
コロッセオ(Colosseum)
ローマ観光のシンボルともいえる巨大円形闘技場。紀元80年に完成し、剣闘士たちの壮絶な戦いが繰り広げられていました。5万人以上を収容できたこの建物は、中に入ると、階段や地下の仕組みなど、細部まで工夫された構造に驚かされます。
フォロ・ロマーノ(Roman Forum)
>かつての政治・宗教・商業の中心地。紀元前7世紀から栄え、ローマ帝国の中枢として発展しました。現在は多くの遺跡が残り、神殿や元老院跡などを間近に見ることができます。
パンテオン(Pantheon)
すべての神々に捧げられた神殿として建てられたパンテオンは、ローマ建築の傑作です。特に注目したいのは、直径43メートルの大ドーム。現代でも支柱なしで支えられていることに驚かされます。
フォリ・インペリアーリ(Imperial Fora)
皇帝たちが築いた広場が連なる場所。カエサル、アウグストゥス、トラヤヌスなど、それぞれのフォルムが存在し、帝国の威光を示しています。
コンスタンティヌスの凱旋門(Arch of Constantine)
コロッセオのすぐ隣にあるこの凱旋門は、ミルウィウス橋の戦いで勝利したコンスタンティヌス帝を記念して建てられました。装飾には他の建物の彫刻が再利用されており、芸術的にも興味深いものです。
アウレリアヌス城壁(Aurelian Walls)
ローマ帝国が衰退し始めた3世紀に、防御のために築かれた城壁。全長は約19kmにもおよび、現在でもその一部を見ることができます。
カラカラ浴場(Baths of Caracalla)
カラカラ帝が建設した巨大な公衆浴場。サウナ、プール、図書館まであったというから驚きです。当時のローマ人の生活の豊かさがうかがえます。今は廃墟ですが、壁画の跡や柱の大きさから当時の壮麗さを感じられます。
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂(San Giovanni in Laterano)
カトリック教会の最も重要な教会の一つで、教皇の公式な大聖堂です。
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Santa Maria Maggiore)
ローマで最も重要な聖母マリアに捧げられた大聖堂。金箔で装飾された天井や、美しいモザイク画が印象的です。
サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(San Paolo Fuori le Mura)
ローマの城壁の外に建てられたこの大聖堂は、聖パウロの墓があるとされ、巡礼地としても有名です。内部は広く、モザイク画や柱廊が美しく、訪れる人を静かな感動で包みます。
まとめ:英語で世界遺産を旅する
世界遺産「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」は、歴史と信仰、そして壮麗な建築美が共存します。
英語を使って旅をすることで、世界中の人とつながり、理解がさらに深まるでしょう。
英語を学ぶ皆さんも、世界遺産をめぐる旅の中で、新たな発見と学びを楽しんでみてはいかがでしょうか?
