ビジネスシーンでよく登場する言葉「齟齬(そご)」。「認識に齟齬が生じています」「双方の理解に齟齬がありました」などというフレーズを耳にする機会も少なくありません。

でも、いざ英語で伝えようとすると「齟齬って英語で何て言うの?」と迷う方も多いはず。

今回は、まず日本語の「齟齬」の意味を確認し、その意味にふさわしい英語表現を解説します。実際に使える例文もたくさんご紹介するのでぜひ参考にしてください。

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 「齟齬」に完全対応する英単語は存在しないため、場面によって使い分けが必要で、代表的な表現として「misunderstanding」「discrepancy」「not on the same page」の3つが挙げられる。
  • 「misunderstanding」は幅広いシーンで使える万能表現、「discrepancy」はデータや認識のズレをフォーマルに伝えたいとき、「not on the same page」は会話で自然に使えるイディオムとして覚えておくと便利。
  • 齟齬を未然に防ぐには「Just to confirm」「Let me clarify」「touch base」などの確認フレーズを日常的に使い、こまめに認識を合わせる習慣が大切。

まず「齟齬」とは?日本語で意味をわかりやすく整理しよう

まず「齟齬」とは?日本語で意味をわかりやすく整理しよう

「齟齬」とは、理解・認識・前提が食い違っていることです。単なる「違い」ではなく、ズレが原因で問題が起こりやすい点が特徴です。

日本語では次のように使われます。

  • 『齟齬が生じる』:認識がずれて問題が起こること

【例文】説明不足で齟齬が生じる。

  • 『齟齬がある』:理解や認識が一致していない状態

【例文】双方の認識に齟齬がある。

  • 『認識の齟齬』:お互いが前提としている情報や理解が異なっている状態

【例文】会議の前に、認識の齟齬がないか確認しておく。

「齟齬」は英語で何と言う?代表的な3つの表現

日本語ではよく使う「齟齬」ですが、英語にまったく同じ意味の単語はありません。そのため、状況に合わせて使い分けるのがポイント。

ここでは、ビジネスでも日常でも使える「齟齬」に近いニュアンスを持つ英語表現を3つ紹介します。ぜひ、自分のシーンに合わせて使い分けてみてくださいね。

misunderstanding:誤解・行き違い

misunderstanding”は、「誤解」や「行き違い」を表す幅広く使える表現です。軽い勘違いから、仕事の重要な場面での誤解まで、さまざまなシーンに対応できます。

Aさん

There seems to be a misunderstanding about the deadline.

締め切りについて齟齬があるようです。

Aさん

I’m sorry for the misunderstanding. I should have explained it more clearly.

説明が不十分で、齟齬が生じてしまい申し訳ありません。

Aさん

This issue happened because of a small misunderstanding.

今回の問題は、ちょっとした齟齬が原因でした。

discrepancy:食い違い・不一致

discrepancy”は、数字・データ・認識などに「ズレ」や「食い違い」があるときに使う、少しかたいビジネス寄りの表現です。特に「認識の齟齬」を丁寧に伝えたいときに役立ちます。メールや報告書など、フォーマルな文脈でよく登場します。

Aさん

There is a discrepancy between the report and the actual numbers.

報告書と実際の数字に齟齬があります。

Aさん

We found a discrepancy in our understanding of the project timeline.

プロジェクトの進行スケジュールに対する認識に齟齬が見つかりました。

Aさん

Please let us know if you notice any discrepancies.

もし齟齬に気づいたら、お知らせください。

not on the same page:認識が揃っていない

直訳すると「同じページにいない」という意味です。転じて 「認識が揃っていない」 という意味で使われる、とても便利なイディオムです。ビジネスでも日常会話でも使いやすく、「齟齬がある」ことを自然に表現できます。

Aさん

It seems like we’re not on the same page about the schedule.

スケジュールについて認識に齟齬があるようです。

Aさん

Let’s make sure we’re on the same page before we move on.

先に進む前に、認識に齟齬がないか確認しておきましょう。

Aさん

We weren’t on the same page at first, but now everything is clear.

最初は認識に齟齬がありましたが、今はすべてクリアになりました。

齟齬を防ぐための「確認フレーズ」をチェックしよう!

齟齬を防ぐための「確認フレーズ」をチェックしよう!

ほんの少しの齟齬が大きなトラブルにつながることも。そんなときに役立つのが、「念のため確認する」ための英語フレーズです。曖昧なまま進めず、こまめに認識を合わせることで、齟齬が生じるのをぐっと減らすことができます。ここでは、ビジネスでも日常でも使いやすい確認フレーズを紹介します。

Just to confirm, …:念のため確認したいとき

Just to confirm, …”は、誤解やすれ違いを防ぐための「ひとこと確認」 に使える表現です。内容を確定させたいときや、相手との理解がほんの少しズレていそうなときに便利です。丁寧で柔らかい印象があるため、ビジネスでも日常でも安心して使えます。

Aさん

Just to confirm, the meeting starts at 3 p.m., right?

念のため確認ですが、会議は午後3時開始で合っていますか?

Aさん

Just to confirm, this is the final version, correct?

確認ですが、これが最終版でよいですか?

Aさん

Just to confirm, you will send the file by tomorrow?

念のためですが、ファイルは明日までに送っていただけるということで合っていますか?

Let me clarify …:認識をそろえるために確認するとき

Let me clarify …”は、曖昧なところを整理して、認識を揃えたいときに使う表現です。説明の順序を整えたいときや、双方の理解を明確にしたい場面にぴったり。やさしく丁寧に「認識のズレをなくす」ニュアンスを伝えられます。

Aさん

Let me clarify our roles for this project.

このプロジェクトにおけるそれぞれの役割を確認させてください。

Aさん

Let me clarify what needs to be done first.

まず何をすべきか整理させてください。

Aさん

Let me clarify the details so we don’t have any confusion.

混乱がないよう、詳細を確認しますね。

touch base:短く連絡を取り合って確認したいとき

touch base”は、「ちょっと確認する」という意味で、齟齬を防ぐためのこまめな認識合わせにぴったりの表現です。ビジネスでもカジュアルでも使える、とても便利なフレーズです。

Aさん

Let’s touch base tomorrow to make sure we’re aligned.

認識を合わせるために、明日少しだけ確認しましょう。

Aさん

Can we touch base later to review the details?

詳細を確認するために、後で少し話せますか?

Aさん

I’ll touch base with the team and update you soon.

チームと確認して、またすぐに連絡しますね。

参照元:Oxford Learner’s Dictionaries, 英ナビ

まとめ

「齟齬」は、ほとんどの場合、ちょっとした行き違いや説明不足から生まれます。そのままにしてしまうと、仕事のミスや人間関係のトラブルにつながることも少なくありません。だからこそ、相手の認識を確認すること、自分の理解が合っているか聞き返すこと、曖昧な点をそのままにしないことがとても大切です。

今回紹介した表現を使えば、「きちんと確認したい」という気持ちを、丁寧に相手に伝えることができますよ。少しずつフレーズを取り入れながら、自分らしいペースで「齟齬のないコミュニケーション」を目指してみてくださいね。

 

 

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tsuru 英語教材開発者・英語教育ライター / English Curriculum Developer & Writer
英会話スクールで20年以上にわたり教材開発と指導に従事。TOEIC880点を保持し、子ども向け英語教育やカリキュラム設計の経験を活かして、学習者目線の英語学習情報を発信している。