英会話を習っているのに、子どもがなかなか話せるようにならない。
単語は少し知っているはずなのに、先生に質問されると答えが出てこない。
そんな姿を見て、「もっと会話の練習を増やした方がよいのかな」と感じる方もいるのではないでしょうか。
わが家でも、息子が英語を学び始めた頃は、話す機会を増やせば、少しずつ言葉が出るようになるのではないかと考えていました。
しかし、会話の練習をしていても、知っているはずの単語や表現がすぐに出てこないことがあります。
その様子を見ているうちに、話すという「アウトプット」だけではなく、英語の音や表現に触れる「インプット」も必要なのではないかと思うようになりました。
今回は、英語を読んだり聞いたりすることで、少しずつ身についていった、わが家の経験をご紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 会話の練習だけでは、使える言葉やフレーズが足りず、すぐに返事をするのは難しいことがあります。
- 一つの物語に繰り返し触れることで、単語や表現が場面と結びつき、後から思い出しやすくなります。
- 小学生のうちは「また聞きたい」と思える物語を選ぶことが、無理なく英語に親しむきっかけになります。
会話の練習をしていても、言葉が出ないことがある

英語のレッスンでは、先生の質問に答えたり、自分のことを伝えたりする時間があります。
これは、英語を話せるようになるために大切なことです。
ただ、会話の場面になると、息子が言葉に詰まってしまうことがよくありました。
聞かれたことは何となくわかっていても、どう答えればよいのかわからない。知っている単語はあっても、どの順番で並べればよいのかわからない。
何を聞かれるかわからないことや、答えられないかもしれないことへの不安から、声をだしづらかったようです。
こういう場合、「話せるようになるには、もっと会話をしなければ」と思ってしまいがち。
でも、会話の練習だけを増やしても、子どもの中に使える言葉やフレーズが十分に用意されていなければ、すぐに返事をするのは難しいでしょう。
単語を一つずつ覚えることも大切です。ただ、それだけではなく、「こういう場面では、このように言う」という表現のまとまりに何度も触れることも、会話で言葉を取り出す助けになるはず。
そのような意味で、英語の物語を読んだり聞いたりする時間は、話すための準備になるように感じています。
一つの物語を数週間かけて学んでいた息子
息子が小学生の頃、英語教室で物語を読む教材に取り組んでいたことがあります。
それは一つのお話を数週間かけて学び、英語の音声を聞いたり、本を見たりしながら、少しずつ内容に親しんでいくものでした。
そのお話とは、日本人にはおなじみの“Issun Boshi”や、ギリシャ神話をもとにした“Arachne”、ちょっぴり不気味なストーリーの “Teeny-Tiny”などなど。
先日、息子と一緒に当時の本を引っ張り出し、実に5年ぶりにページを開いてみました。
本を眺めながら息子が言いました。
「“Teeny-Tiny”は“Teeny-Tiny”っていうフレーズが何度も出てくるから、結構簡単だったな」
「”A Giant Baby“で“earthquake”って単語をはじめて覚えたんだよなー」
なかでも“Arachne”に取り組んでいた頃は、なぜか英語へのやる気が出てきた時期で、暗記するほど何度も繰り返し聞いていました。
改めて“Arachne”の本を見ながら、中学生になった今、「ここは比較の表現を使っていたのかー」と使われている文法を確認していました。
実際に本を読んでいた小学生の頃は、比較表現なんて理解していませんでした。むしろ、ほとんどの文法がわかっていなかったはず。
それでも、物語の中で何度も英語に触れていたからこそ、後から見返したときに「あ、これ今ならわかる!」と感じられたのではないでしょうか。
英語に繰り返し触れることが、力につながる

英語学習では、やさしい英語の本をたくさん読み、内容を楽しみながら英語に触れる「多読」が注目されています。
ただ、小学生のうちは、まだ英語の本を一人ですらすら読めないこともあります。
そのような場合は、音声を聞きながら本を見たり、親子で絵を見ながら物語を楽しんだりする形から始めるのもよいでしょう。
息子が取り組んでいた学習も、たくさんの本を次々と読む多読とは少し異なり、音声を聞きながら一つの物語に繰り返し触れる形でした。
単語や文法を切り離して覚えるのではなく、意味のある物語の中で英語に出会うことや、無理なく英語に触れる量を増やしていくことは、多読の考え方とも重なります。
物語の流れや絵を手がかりにしながら英語を聞いたり読んだりすると、わからない言葉があっても、すべてを止めて調べなくてすみます。
また、同じ表現を繰り返し聞くことで、英語の音や言葉のまとまりに少しずつ親しめます。
最初は意味がわからなくても、「またこの言葉が出てきた」と気づくところから始められます。
息子が「“Teeny-Tiny”は簡単だった」と感じたのも、“Teeny-Tiny”という表現が何度も繰り返されていたからでしょう。
また、当時は理解していなかった比較の表現も、何度も親しんだ“Arachne”の中で見つけたことで、息子の中に印象深く残ったようです。
ただ文法のルールとして覚えるよりも、「あの物語に出てきた表現」と結びついた方が、これからも忘れにくいのではないかと思いました。
物語の中で出会うから、単語や表現が残りやすい
物語に出てくる英語は、単語だけで存在しているわけではありません。
登場人物が何をして、どのような出来事が起きたのかという場面と一緒に出てきます。
息子が覚えていた“earthquake”も、単語帳で「地震」と覚えたのではなく、「“A Giant Baby”の中で出てきた言葉」として残っていました。
“A Giant Baby”は、大きな赤ちゃんが動くと地震が起こるようなお話だったはずです。
「地震」という日本語の意味だけではなく、大きな赤ちゃんが動く印象的な場面と結びついていたからこそ、“earthquake”という単語も記憶に残っていたのかもしれません。
単語や表現が物語の場面と結びつくと、意味だけを覚えるよりも思い出しやすくなることがあります。
もちろん会話で言葉が出るようになるには、実際に口に出す練習も欠かせません。
ただ、その前に「聞いたことがある」「見たことがある」と思える英語が増えていれば、会話の場面で言葉を選ぶときの安心感にもつながるのではないでしょうか。
小学生のうちは、繰り返したくなる物語を選ぶ

英語の本を取り入れようと思うと、「どのレベルのものを選べばよいのだろう」と悩むこともあります。
最初から文字の多い本や、知らない単語がたくさん出てくる本を選ぶ必要はありません。
小学生のうちは、子どもが「また聞きたい」「このお話は知っている」と思えることの方が大切です。
同じ表現が繰り返されるお話、絵を見ながら内容を想像しやすいお話、好きな動物や冒険を題材にしたお話など、子どもの興味に合うものから選ぶのがおすすめです。
音声がついている絵本や教材なら、まだ英語を読めなくても、聞きながら絵を見るところから始められます。
親が一つひとつの単語の意味を説明しなくても、物語を楽しめているなら、それだけで十分。
「またこの言葉が出てきたね」
「この場面、覚えている?」
そんなやり取りをしながら、同じお話に何度も触れることが、英語を身近に感じるきっかけになるでしょう。
まとめ
小学生が英語を話せるようになるためには、会話の練習が欠かせません。
ただし、会話の練習だけでは、子どもの中に使える言葉や表現を十分にためにくいこともあります。
息子が取り組んでいたように、音声を聞きながら一つの物語に繰り返し触れることは、英語の音・文字・意味を少しずつ結びつける時間になります。
その場ですぐに話せるようになるわけではなくても、後から単語を思い出したり、文法表現に気づいたりすることもあります。
英語を話す力を育てるために、会話の時間だけではなく、子どもが好きな物語に繰り返し触れられる時間も大切にしてみてはいかがでしょうか。
