英語を話すことには少しずつ慣れてきた長女ですが、「書く」となると、なかなか思うようにはいきませんでした。

あるとき、英語で文章を書いてみようと声をかけたところ、最初の一文から手が止まりました。

話すときには使えている英語があるのに、書こうとすると出てこない。
その様子を見て、私は「英語がわからない」というよりも、知っている英語を「書く」ことに戸惑っているのではないかと思いました。

そこで、長女がどこで手を止めていたのか、どうすれば知っている英語を「書く」ことにつなげられるのか、わが家で試してきたことを振り返ります。

この記事の3行まとめ(AI要約)

  • 書けない原因は英語力不足だけではなかった:知っている単語や表現はあっても、英文を写すことさえ1行で止まるほど「書く」こと自体に戸惑っていた。
  • 会話に置き換えると書けるようになった:「先生に聞かれたら何て答える?」と考え、英語にして口に出してから書く流れで手が止まりにくくなった。
  • 今は1文ずつ書く段階:長文はこれから。つまずいたときも、まず本人が持っている英語から考えるところから始めたい。

模写すら1行で止まった

模写すら1行で止まった

最初に取り組んだのは、自分で英文を考えて書くことではありませんでした。

「まずは、ここに書いてある英文を写してみよう」

教材に載っている英文を、そのままノートに写すところから始めました。

ところが、長女はノートを前にしたまま、なかなか手を動かしません。
教材とノートを何度も見比べています。

「どうしたの?」
そう聞くと、

「……わからない」
と返ってきました。

自分で英文を作るわけではなく、目の前に答えが書いてあります。
それを見て写すだけです。

ところが実際には、どこから手をつければいいのかわからないようでした。

しばらくして、ようやく「I」と書きました。

「次はlikeだよ」
と声をかけると、「like」と書きます。

ところが、またそこで手が止まりました。

「この次は?」
と聞いても、教材を見たまま動きません。

自分で英文を考える以前に、書かれている英文を見ながら写すことにも戸惑っている。

このとき初めて、長女にとって「英語を書く」ということ自体が、思っていた以上に難しいのだと気づきました。

英単語を知らないから書けない、というだけではありません。
目の前に英文があるのに、それを一文字ずつ追ってノートに書くことさえ難しい。
まして、自分で英文を考えて書くとなると、さらに難しくなります。

実際、自分で英文を作ってみようとしたときも、「I like……」までは出てきても、その先で止まってしまいました。

そこで私は、「英単語が足りないのかな」「文法がわからないのかな」と考えるだけではなく、そもそも何がわからなくて止まっているのかを、一緒に考えてみることにしました。

何がわからないのか一緒に考えた

長女は、それまでオンライン英会話を続けていました。

先生から質問されれば、短い文で答えることもあります。
好きなものを聞かれたり、学校であったことを話したり、簡単な質問をしたりする場面もありました。

それなら、話すときに使っている英語と、書く英語はつながるのではないか。
そう考えました。

ただ「英文を書いてみよう」と言われても難しいので、まずは長女が普段どんなふうに英語を使っているのかを思い出してもらいました。

「この質問をされたら、どう答える?」
「えっと……」
ここでは、日本語で考えてもらいます。

「じゃあ、英語だったら何て答える?」
すると、これまで会話の中で使ったことのある表現が出てきます。

「自分から聞くなら?」
「もし英語なら、どんなふうに言う?」
と聞くこともありました。

答えるだけでなく、自分から質問する側になって考えてみるのです。
こうしてみると、長女がまったく英文を知らないわけではないことがわかりました。

知っている単語も聞いたことのある表現もあります。
オンライン英会話で、実際に口にしたことのある文もあります。
それなのに、「英文を書いて」と言われた途端、それらがうまく出てこなくなる。

私自身も学生の頃、英作文が得意ではありませんでした。
頭の中では何となく言いたいことが浮かんでいても、それを英文にしようとすると急に難しくなる感覚はわかります。

だからこそ、長女にも「書けないのだから、もっと単語や文法を覚えなければ」とすぐに考えるのではなく、今持っている英語を使って書くところから始めてみようと思いました。

会話に置き換えてみた

会話に置き換えてみた

そこで意識するようになったのが、「書くことを、会話の場面に置き換えて考えてみる」ことでした。

たとえば、
「先生に好きな食べ物を聞かれたら?」
「自分から先生に好きな食べ物を聞くなら?」
というように、まずは会話として考えます。

長女にとっては、「英文を書きなさい」と言われるよりも、「先生にこう聞かれたら何て答える?」と聞かれるほうが考えやすかったようです。

答えが決まったら、今度はそれを英語にしてみます。
そして、口に出してみます。
言えるようなら、それを書いてみます。

こうして段階的に進めていくと、長女の場合は、最初から「何を書けばいいのかわからない」と手が止まることが少なくなりました。

もちろん、毎回すぐに書けたわけではありません。
途中で止まることもありますし、単語が出てこないこともあります。
それでも、「英語を書く」というものが、まったく知らない作業ではなくなっていきました。

最初は「I」の一文字を書くところで止まっていた長女が、自分の知っている英語を使って文を作ろうとするようになったことは、大きな変化でした。

ただ、こうして会話をもとに考えられたのは、これまでオンライン英会話で、先生と英語を使ってやり取りする経験があったからこそだと思います。
英語を話した経験がない状態で、いきなり「会話のように考えて書いてみよう」と言われても、同じようにはできなかったかもしれません。

わが家では、オンライン英会話で経験してきた「聞く・答える・質問する」という流れが、英語を書くときにもつながっていたのだと思います。

1文は書けても、長文はまだこれから

教材を使って書く練習を始めたのは、小6になってからです。
1冊はスペルを中心に練習するもの、もう1冊は文法を確認しながら英作文に取り組むものです。

英検4級に合格していることもあり、今のところは新しく学ぶ内容ばかりではありません。
これまで学んできた英語を使って、英文を書く練習をしています。

もちろん、細かな間違いはあります。
スペルを間違えることもありますし、文の形を迷うこともあります。
それでも、「英文を書くことそのものがわからない」という様子は見られなくなりました。

以前は私が横から「次はこれだよ」と声をかけていましたが、今はわからない単語や表現があれば、自分で教材を見返すこともあります。
書くために必要なものを、自分で探そうとするようになったのも変化の一つです。

一方で、英語で長い文章を書いた経験は、まだほとんどありません。
メールを書いたり、チャットでやり取りしたり、まとまった内容を何文も続けて書いたりするところまでは進んでおらず、今は1文ずつ英文を作る練習をしている段階です。

これから中学校の英語で学ぶ文法が増えていけば、また別のところでつまずくこともあると思います。
今は書けている文でも、文法が難しくなれば、「どうやって書けばいいの?」と手が止まるかもしれません。

そんなときは、今回と同じように、いきなり答えを求めるのではなく、「これは話すときならどう言う?」「何を伝えたい?」と、まず本人が持っている英語から考えてみたいと思っています。

よくある質問

FAQ

 

子どもが英語を話せるのに書けないのはなぜですか?

英語の知識が足りないとは限りません。この記事のケースでは、知っている単語や表現はあっても、それを「書く」作業そのものに戸惑い、手が止まっていました。

英語を書くのが苦手な子どもには、どう声をかければいいですか?

いきなり「英文を書いて」と言うより、「先生にこう聞かれたら何て答える?」と会話の場面に置き換えるのがおすすめです。答えを英語にして口に出し、言えたら書く、という順で進めると取り組みやすくなります。

オンライン英会話の経験はライティングに役立ちますか?

役立つ場合があります。わが家では、オンライン英会話で経験してきた「聞く・答える・質問する」という流れが、英文を考えて書くときの手がかりになりました。

まとめ|書けないところから始まった

長女のライティングは、最初から順調だったわけではありません。
「わからない」と手が止まり、教材に書いてある英文を写すことさえ難しい状態から始まりました。

ただ、何がわからなくて止まっているのかを一緒に考えてみると、英語をまったく知らないわけではありませんでした。
話すときに使えている英語や、これまで聞いたことのある表現もあります。

英語を書くことに苦手意識があると、つい「もっと単語を覚えよう」「文法を勉強しよう」と考えてしまいます。
わが家の場合は、その前に「何を伝えたい?」と話してみることが、最初の一文につながりました。

1行目を書けなかったところから始まった長女のライティングは、今も途中です。

これから英文が長くなれば、また別のところで手が止まることもあるでしょう。
そのときも、まずは何につまずいているのかを一緒に考えるところから始めたいと思っています。

投稿者アバター
KatoTomomi 英語教育ライター / English Education Writer
英語教育を専門的に学び、言語習得理論に基づいた学習法を研究。塾講師として受験英語や英検対策の指導経験を持つ。現在は小学生2人の母として家庭での英語教育を実践しながら、Kimini英会話で子ども向け英語学習や家庭学習のノウハウを発信している。