どんなに信頼を得ている人でも、一回何かがあると、途端にそれを失います。何事も積み重ねるのは時間がかかりますが、それが崩れるのは一瞬。なんだかジェンガみたいな話ですね。

ということで、今回のテーマは「信頼」です。

日本語の信頼に相当する英単語はいくつかありますが、それぞれに若干意味やニュアンスが異なります。今回は、それらの違いについて深掘りしていきます。

これを読めば、英語での信頼表現はバッチリです。

それでは、早速始めていきましょう!

「信頼」は英語で何て言う?

「信頼」を表す英語は “trust”、”confidence”、”faith” の3種類です。それぞれ若干ニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

信頼①:trust

「信頼」という意味で最も汎用性の高い単語が “trust” です。発音記号は「trˈʌst」、カタカナで表すと「トラスト」となります。

友人同士で使うカジュアルな信頼から、ビジネスにおける重要度の高い信頼まで、幅広い意味合いで使うことができます。

また、trust は「信頼」という意味の名詞としてだけでなく、「信頼する」という動詞でも使うことができます。

Aさん
Do you have a friend you can trust?
訳)信頼できる友達っている?
Bさん
It’s you.
訳)君だよ。

 

信頼②:confidence

“confidence” も「信頼」という意味で使うことができます。発音記号は「kάnfədns(kˈɔnfədns)」、カタカナ表記だと「コンフィデンス(カンフィデンス)」です。

con- が「強く」、-fidence が「信じる」から来ているので、「強く信じる」というのが原義です。何かを強く信じるためには、多くの場合「根拠」が必要ですよね。そのため confidence は、過去の実績や数値など、具体的な根拠にもとづく信頼を表します。

Aさん
I have all confidence in your ability to make me happy.
訳)君の私を喜ばせる能力には全幅の信頼を寄せているよ。
Bさん
That’s tough to beat.
訳)ハードル高いなー。

 

信頼③:faith

confidence とは対照的に、具体的な根拠の無い「信頼」を表すのが “faith” という単語です。発音記号は「féɪθ(feɪθ)」、カタカナにすると「フェイス」ですが、語末をしっかり th(θ)で発音しないとface(顔)と間違えられてしまうので注意してください。

faith が表す信頼は、根拠や実績などを度外視した、直感的な判断にもとづくものです。「信念」とか「信仰」という言葉に言い換えても良いかもしれません。そのため、前述の confidence が他人に説明して納得されやすい信頼であるのに対して、faith は説明するのが難しい傾向にあります。

Aさん
have faith in Christ
訳)私はキリストを信じて(信頼して)います

 

「信頼を得る」「信頼を失う」を英語で言うと?

信頼を「得る(失う)」と表現したい場合は、gain か lose を用います。得たり失ったりするからには、そのような信頼には具体的な根拠が必要です。そのため、信頼を得る(失う)という意味合いにおいては、trust か confidence を使うのが一般的です。

  • 信頼を得る = gain trust、gain confidence
  • 信頼を失う = lose trust、lose confidence
Aさん
It’s difficult to gain trust, but easy to lose it.
訳)信頼を得るのは難しいけど、失うのは簡単だよね。
Bさん
That’s true.
訳)真理だね。

 

「信頼できる」は英語で何て言う?

「信頼」という名詞に相当するのは上記3種類ですが、「〇〇は信頼できる」などと表現したい場合には、以下の言い方が適しています。

  • trustworthy
  • faithful
  • dependable
  • reliable
  • credible

こちらもやはり、1つひとつニュアンスが異なるので、それぞれ詳細に確認していきましょう。

信頼できる①:trustworthy

人のことを「信頼できる」と評価する際、最も使いやすいのが “trustworthy” という単語です。発音記号は「trˈʌstw`ɚːði(ˈtrʌˌstwɜ:ði:)」、カタカナだと「トラストワージィ」といった感じになります。

trust は前述の通り「信頼」、worth は「価値がある」という意味なので、trustworthy の原義は「信頼する価値がある」ということになります。価値があるということの裏には、それなりの具体的根拠が必要ですよね。そのため、trustworthy が使われる際は、過去の実績や数値などの根拠があり、trust というより confidence に近い強い信頼感を表すことが多いです。

Aさん
He is a trustworthy man.
訳)彼は信頼できる人です。

 

信頼できる②:faithful

“faithful” は 名詞 faith の形容詞バージョン。発音記号は「féɪθf(ə)l(ˈfeɪθfʌl)」、「フェイスフル」と発音します。faith のときと同様、th(θ)の発音には要注意です。

faithful は名詞 faith と同様、具体的な根拠の伴わない信頼関係を表します。そのため、「仲が良いから、具体的根拠は無いけど信頼してる」といったように、親しい間柄での信頼関係を表す際にも多く使われます。

Aさん
I think you are all faithful in this class.
訳)クラスの皆は全員信頼できると思ってるよ。

 

また、熱狂的に信じている人の言うことは何でも聞いてしまうことから、faithful には「忠実な」という意味もあります。

Aさん
Hachi is famous as a faithful dog.
訳)ハチ公は忠実な犬として有名です。

 

信頼できる③:dependable

“dependable” は「頼る(depend)ことができる(able)」というのが原義。発音記号は「dɪpéndəbl(dɪˈpendʌbʌl)」、「ディペンダブル」と読みます。

dependable が表す信頼性は、「全幅の信頼」に近いイメージです。そのため、アクシデントによってその人や物が不在の状況になると、仕事や作業に支障が出てしまうといった「依存」にも繋がりかねません。

Aさん
My PC isn’t always dependable. It won’t boot sometimes.
訳)私のパソコンはあまり信頼できない。たまに起動しないんだもの。

 

信頼できる④:reliable

“reliable” は「頼る(rely)ことができる(able)」という、dependable とほとんど同じ意味の単語です。発音記号は「rɪlάɪəbl(ri:ˈlaɪʌbʌl)」、「リライアブル」と読みます。

reliable の信頼性は「力を借りる」イメージ。そのため、その人や物の助けが無くてもなんとかやっていくことができる場合がほとんどです。依存度は「dependable > reliable」の関係になっています。

Aさん
He is reliable not only as a father but also a husband.
訳)彼は父としてだけでなく、夫としても信頼できる。

 

信頼できる⑤:credible

“credible” は「信頼する(credit)ことができる(able)」が原義の言葉。発音記号は「krédəbl(ˈkredʌbʌl)」、「クレディブル」と読みます。

単語の構成は dependable、reliable と似ていますが、credible が表すのは客観的に数値化できる信頼性です。「信用する」と言葉を換えても良いかもしれません。

手持ちの現金がなくても買い物できるカードを「クレジットカード(credit card)」と呼びますが、あれはカード会社と私たちの間にある信頼関係をもとに成り立つシステムです。

Aさん
A witness gave a credible account of the accident.
訳)ある目撃者が事故について信頼できる証言をしました。

 

「信頼できる」と「信用できる」、何が違う?

日本語には「信頼」と「信用」という似た意味の言葉があります。ほとんど同じ意味なので混同しても問題はありませんが、強いて違いをあげると以下のようになります。

  • 信頼 = 「信じる」という行為にもとづく主観的、感情的なもの
  • 信用 = 具体的な根拠や実績にもとづく客観的、論理的なもの

たとえば、人と人が「信頼関係」を持っているというのは自然でも、「信用関係」というと途端にビジネス臭がしてきます。また、「信用情報」といえば具体的な数字などが記載されてそうですが、「信頼情報」だと感情論で力絶されそうなイメージがしますよね。

今回挙げたものの中では、confidence、trustworthy、credible が「信用(できる)」という意味に相当します。

ちなみに、ビジネス用語に「信頼しても信用するな」という言葉がありますが、これはどんなに信じている人であっても、すべてを盲目的に信じてはいけないという戒めです。何事にも割り切りが必要ということですね。

まとめ

今回は、「信頼」というテーマでいろいろな英単語のイメージを比べていきました。

ひとくちに「信頼」といってもその表す意味はさまざま。その場その場に適した言葉を選ぶことができれば、あなたの言葉の説得力は増して、より多くの「信頼」を勝ち取ることができるはずです。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!