「自分の子どもには英語ペラペラになって、グローバルに活躍できる人になってほしい!」
そういう夢をもって、インターナショナルスクールにお子さんを入れたいと検討してらっしゃる方も多いと思います。
さて、「インターナショナルスクールってどんなところ?」「学費が高いと聞きましたがおいくらくらいなの?」
気になるインターナショナルスクールに迫ります!
インターナショナルとは?
「インターナショナル(International)」とは、「プロレタリア国際主義に基づく労働者、労働運動、社会主義運動の国際組織、団体」を意味する言葉で、省略して「インター」と呼ぶこともあります。
簡単に言うと、「国際的」「国際間の」といった意味になります。
「インターナショナル」と「グローバル」の違い
両方ともよく耳にする言葉で、なんとなく「国際的」といったイメージで捉えられているようですが、実はこの2つの言葉には大きな違いがあります!
インターナショナル
自分の国を中心として考えたときの、他国との関係性を示すinterは「~の間、~の中で、、相互に」という意味であり、すなわちinternationalは「国民の、国家の、国家全体の」という意味になる。
グローバル
地球規模で交流が行われ、地球全体として一体化されること。
global の語源はglobe「地球。地球全体を一つの存在としてとらえていて、国家一つ一つの区別はない。
そういえば、「グローバル化【globalization】」という言葉はあっても「インターナショナル化」とは言いませんよね?
例を挙げると、古来から交流を続けてきた中国や朝鮮、オランダなどと日本との交流は「インターナショナル」であったのに対しインターネットの発達に伴って、情報が目まぐるしく世界を飛びまわり、国と国との境目が無くなった現代は、「グローバル化」が進んできているということになるでしょう。
インターナショナルスクールの歴史
さて、日本で最初にできたインターナショナルスクールはいつ、どこで始まったのでしょうか?
一番古くからある外国人学校は、1987年(明治5年)に創立された「サンモールインターナショナルスクール」です。
なんと、明治維新からわずか5年後のことであるのは驚きです!
現在も横浜の地で145年の歴史を誇っています。
横浜港が開港して以来、この地には外国人が多く住んでおり、フランスやイギリス国籍の外交官や財界人が多く居たようです。
二重国籍、三重国籍の生徒もいて、すべて合わせたら36か国くらいになるそうです。
外国人学校は最初、外国人国籍、宗教、言語が違う外国人のための学校であったのを、その条件をなくしていったのが、インターナショナルスクールに変化していったと言えます。
第二次世界大戦後、新たなインターナショナルスクールが続々と開校します。
ほとんどが東京・横浜・神戸の三大都市集中でした。
昭和31年から「もはや戦後ではない」と高度成長を始めた日本の勢いと共に、全国にインターナショナルスクールが創設されるようになりました。
京都、沖縄、広島、北海道、福岡などに続々と新しいインターナショナルが出来ました。
そして昭和50年から平成にかけ新たな動きが出てきて、個人が私財を投じて開校するインターナショナルスクールも増えてきて、平成にかけてブームが巻き起こっています。
日本の学校制度とインターナショナルスクールの違いって?
日本の義務教育は、小学6年間と中学校3年間を合わせた9年間になります。
中学卒業後はほぼ98%が高校へと進学し、高校卒業後は大学、専門学校、短期大学もしくは就職をします。
学期は3学期に分かれており、学年は4月1日から3月31日までの1年間になります。
<公立学校> Public school
- 校区の規制がある。
- 授業料が無料もしくは低額
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・大学がある。
- 授業は日本語で行われる。
<私立学校> Private school
- 校区の制限がない
- 授業料が公立の約5~7倍(学校で違う)
- 入学時に試験がある
- 学校により英語で授業をするところもある。
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校がある。
<インターナショナルスクール>International school
- 校区の制限がない。
- 国籍は制限がない。
- 授業料は比較的高額になる。
- 授業は英語で進められる。
- 保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校がある。(地方でばらつきが多い)
インターナショナルスクールの多くのスクールは、日本の義務教育を受けた卒業資格を得ることはできません。
(文部科学省から認可を受けているインターを除く)そのため公立の中学校・高校への進学ができなくなります。
一般的には主に英語で授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設であるとされています。
法律上、日本人の子どもが文部科学省から認定されていないインターナショナルスクールに就学させても、日本で規定された就学義務を履行したことにならないのです。
日本国内のインターナショナルスクールは、ほとんどが無認可校で、一部が学校教育法第83条にも基づく「各種学校」として都道府県知事の認可を受けているだけという状態で、認可校以外は文部科学省としても数や実情を把握しきれていないといいます。
インターナショナルスクールとプリスクールの違い
「日本の就学義務が履行されないのなら、せめて小さい未就学児の時に英語を身につけさせたい!」という保護者が近年増えてきて、「インターナショナルスクール」または「プリスクール」に通わせたいという声が多くあります。
さて、この「インターナショナルスクール」と「プリスクール」とはどう違うのでしょうか?
インターナショナルスクール
- 歴史が古く、元来が「英語を母国語とする子どもが通う」場所となります。母国語である英語で生活をし、授業を行うところです。
- 保護者にも英語力を要求するところもあります。
プリスクール
- 歴史は浅く、せいぜい10年ほどです。
- 母国語が英語ではない、日本人の未就学児が英語を習得するために生活や授業を行っています。
- 近年、増加傾向にあります。
しかしながら、日本でははっきりと分かれておらず、プリスクールであってもインターナショナルスクールという名称のところもあれば、二つをくっつけて「インターナショナルプリスクール」と名付けていたりと、その違いは最近ではほぼ無くなってきています。
どちらにしろ、教育業界が非常に多様化していると言えるでしょう。
インターナショナルスクールへの気になる質問Q&A
やっぱり気になるインターナショナルスクール、皆さんが気になることは??
Q: 日本国籍でも入学できますか?
A: 学校によっては 日本人の割合を10~30%ほどに制限してあるところもありますが、ほとんどが日本人の学校も増えてきています。
Q: 親が英語ができなくても大丈夫?
A: 一部の学校では、両親の海外滞在経験などが条件になっているところもあります。
また、家庭連絡などがすべて英語で行われたりすることもあり、これも学校によって違います。
Q: 子供にも高い英語力が必要ですか?
A: プリスクールなどは、生活をしながら日本語と英語を同時に覚えてくる年頃でもあります。
あまり心配はいりませんが、学校によっては試験などがあるかもしれません。
Q: 家庭ではどんなサポートが必要ですか?
A: 家庭では強制的にならないように、親も子供も楽しみながら英語を取り入れてほしいです。
例えば、英語のCDをBGMのように流して、お母さんと一緒に歌ったり、簡単な英語の本を一緒に読んだりすることで毎日の生活に取り入れていくことが良いでしょう。
インターナショナルスクールに通うメリット・デメリット
「うちの子バイリンガルでかっこいい!」と思っているだけでは、困ってしまうこともありますよ!
メリット
- 高い英語力が習得できる
当然ですが、週1回程度の英会話教室とは比べ物にならない英語力が身に付きます。 - いろんな国籍の友人ができる
多国籍の友達ができることで、グローバルな人格が形成され、多様性を受け入れる人間へと成長できます。
コミュニケーション能力が高められ、個性や自己主張を高めることができます。
デメリット
- 学費が高い
公立学校の学費が無償化なのに対し、小学校で年間150~200万ほどかかると言われ有名校になるともっと高額になります。 - 国内の大学などの進学が困難になる
前述したように、インターナショナルスクールの就学は日本の義務教育には当てはまらないので、国内大学などの受験資格が得られないことが多くなります。
しかしながら、最近が「国際バカロレア」という世界共通の認定プログラムを取得している学校が増えてきたため、ここに該当していれば大学受験が可能になります。 - 日本語のサポートが必要になる
英語中心の生活になるためおのずと日本語がおろそかになり、日本の文化なども知る機会が減ります。ここで、日本語もキープしてバイリンガルに育てるには、家庭でしっかりと日本語を教えるか、スクールとは別に日本語の塾などに通わせる必要が出てきます。
まとめ
いかがでしたか?
単なる流行に乗るのではなく、自分の子どもには何が必要か?何が向いているのか?をしっかり見据えて賢く選択をしていきたいものですね!