小学校から英語が導入するようになり、英会話学校やインターナショナルスクールに通うお子さんも多くなってきました。
以前は英語の先生というと、ほとんどがイギリスかアメリカ。 しかし現在は英語を第二か国語にする外国人の採用も多くなってきています。
「絶対ネイティブ!」「ノンネイティブの先生はネイティブより知識が豊富!」と様々な意見が聞かれる中、「自分の子どもの英語の先生はどんな人なんだろう・・・?」って気になりませんか?
日本に来ている外国人の英語講師のタイプや傾向を見てみましょう!
英語教師(講師)の始まり
それは1600年、徳川家康が江戸幕府を開く3年前、九州の大分に漂流したオランダ船に航海士として働いていた「ウィリアム・アダムス」というイギリス人が、日本に来た最初の外国人だと言われています。
しかしながら、彼が英語を教えるということはなく、その後200年後、1808年に日本の長崎港で起きたイギリス軍官侵入事件をきっかけに、幕府は通訳たちに英語の習得を命じたのが、日本での英語学習の始まりといわれています。
日本で最初の英語講師はオランダ人だったため、発音がオランダ式になってしまい、例えば「sir」は「シル」、「alone」は「アロネ」という風だったので、生徒が混乱をしてしまいます。
そこで作られたのが「英和辞典」だったそうです。
その40年後に、初めてのネイティブスピーカーのイギリス人、「ラナルド・マクドナルド」という23歳の青年が、日本で最初のネイティブの英語講師となりました。
「英語教師」と「英語講師」の違い
「教師」とは大学で教育課程を修了し、教員採用試験に合格して教員免許を持っている人を指します。
例えば、予備校などで教えている人を「講師」と呼んだり、非常勤の先生を「講師」と呼びますね。
英語では「教師」や「先生」を「teacher」と呼び、「教師、講師、指導員、先生」のことを「instractor」と称したりしますが、日本は総称して「先生」が多いですね。
正規か非正規かの違いはあっても、英語の実力はトータルしてみて、どちらが優れてるとは言えないようです。
予備校の講師にも「カリスマ先生」がいて、有名だったりしますよね!
外国人が日本で英語を教える資格の種類
英語教師
外国人が日本の小・中・高校、大学、専門学校などの教育機関で英語教師として働く場合は、在留資格「教育」が必要になります。
取得条件として、
- 教える外国語によって12年以上教育を受けている、または5年以上の実務経験がある。
- 大学卒業あるいは同程度の教育を受けている、行う教育に関する教員免許を持っている(小学校は不要)、行う教育に必要な技術または知識に関する科目を選考して、日本の専修学校の専門課程を修了している
- 日本人と同等額以上の報酬を受け取ること
があります。
ただし、インターナショナルスクールなどで英語教師を務める場合は「2」は除外されます。
ALT
よく聞かれる言葉ではないでしょうか? 「うちの子の先生はALTなんだって」というものの、どういう資格でしょう?
ALTとは、Assistant Language Teacherの略で外国語を母国語とする外国人指導助手のことを言います。
小中高等学校の日本人教師の補佐を行い、子どもたちに「生の英語」を学ばせることが目的で派遣されます。
就労ビザと大学卒業程度の学歴があれば、ALTになるための特別な資格は必要ありません。
民間の英語学校や英会話教室の講師
在留資格の「技術・人文知識・国際業務」が必要になります。
その他の手段として、日本人と結婚すると配偶者ビザが有効になります。
ほかにはワーキングホリデーで滞在を許されている場合になります。
旅行の観光ビザで日本に来て、アルバイトで英語を教えて報酬をもらう、という行為は不法就労として違法になります。
英会話教室の若い先生が、ワーホリのビザが切れるからと国に帰っちゃった!という話もよく耳にしますよね。
国別の英語教師の特徴
ここからは、あくまでも一般的に言われている評判なので、必ずしも当てはまるわけではありませんが、それぞれの国の国民性を調べてみましょう!
アメリカ
- フレンドリーで社交的。気軽に挨拶したり、すぐに友達になる。
- 自己主張が強い。「空気を読む」より「自分は自分」。
- 差別や不平等に対する意識が高い。
イギリス
- アメリカ人とは反対に、初対面からいきなり話しかけてプライバシーを侵害することを嫌う。
- 初めて会う人には、天気の話やスポーツの話など、当たり障りのない会話から始める。
- 謙遜することが美徳である。
- 親しくなると、ジョークや皮肉を言ったり、論じることが好きである。
- プライベートを尊重する。
オーストラリア
- とにかく明るい! 細かいことはあまり気にしない。
- 今が大切、今できることは先延ばしにしない。
- 困っている人を助けたり、仲間意識が強い。
カナダ
- 穏やかで優しい。
- 仕事より家族を大切にする。
- 人種差別を嫌う。
- 協調性を重んじる。
フィリピン
- 人懐こく明るい。
- 家族が一番。
<南アフリカ
- フレンドリーでのんびり屋さん。
- 家族思いである。
いかがでしょう?「あー、うちの英語教師はだから○○なのねえ~」と思い当たることはありましたか?
ほかにもノンネイティブの先生でも、ネイティブ以上に勤勉で、文法などの知識に富んでいる人もいるので、一概に「なにがなんでもネイティブ!」というものでもないらしいですよ。
各国の英語の特徴
TOEICのテストを受けた人はわかると思いますが、リスニングテストは、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダのネイティブが話してて、「この英語聞き取れない!」と思ったことはありませんか?
英語も国によって癖があるんです。
アメリカ
- oの発音が「ア」に近くなることがあり、「hot」は「ハット」のように発音することがあります。
- /r/の発音が、語の末尾や前で発音します。rがはっきり聞こえて「door」を「ドウァ」という感じです。イギリスは「ドー」といいます。
- tの発音は、例えば「water」を「ウォーラー」、「better」を「ベラー」と発音することがあります。
イギリス
- アメリカ英語のように疑問文の語尾が上がらず、やや下がったようになります。
- 子音が強くてきぱきと聞こえ、リズム感があって、早い感じがします
- アメリカ英語のoが「オ」で、hotは「ホット」としっかり発音されます。
- tの発音はアメリカと逆で、「water」だとはっきり「ウォーター」と発音します。
オーストラリア
- rの発音が「ah(アー)」となり、例えばアメリカ英語がrをはっきり発音するのに対して、オーストラリアは「river」は「リバー」と舌を丸めずそのまま伸ばします。
- 「ing」で終わる単語の「g」を発音しません。 例えば、「something」は「サムスィン」、「nothing」は「ナッスイン」といった感じになります。
- 「i (アイ)」が「oi (オイ)」になり、例えば「like」が「ラォイク」、「right」は「ラォイト」という風になります。
- 「a (エイ)」が「ai (アイ)」になるのが、アメリカと違って「today」を「トゥダイ」、「face」を「ファイス」と発音するので、非常に癖があるように聞こえます。
- 「can’t」は「カーント」と発音します。
カナダ
カナダの英語は比較的癖がなく、聞き取りやすいという話をよく耳にします。
これはイギリス英語とアメリカ英語がミックスされているからのようです。
英単語の綴りが違うことがあり、例えば「中心」を表す「center」はアメリカ。イギリスとカナダは「centre」です。
アメリカで「味」を表すのは「flover」ですが、イギリスとカナダでは「floavour」となります。
会話の特徴として、最後に「だよね?」というときに、「eh? (エィ)」というようで、”It is a beautiful picture eh?”と付け加えるのがカナダ英語の特徴になります。面白いですよね!
まとめ
どの国の国民性も、英語の特徴も人それぞれ。 どれが一番いい!とは言えません。
外国人のみならず、言えることは「子どもに寄り添うことができる先生」だと思います。
どんなに高学歴であっても、子どもが騒ぐとヒステリックになったり、逆に適当であったりといった先生では子どもたちのやる気も失せてしまいます。
国が違うことで色々と疑問に思うことも出てきますが、その時は黙って我慢しないで、お互いを理解したいという気持ちをもってはっきり伝えましょう。
相手も人間です。知らない国に来て戸惑うことも多いはずですから、そこは日本人として外国人に教えてあげて分かり合えるようになれば、一番理想的な関係になるのではないでしょうか?