最近では、地球環境を考慮して「SDGs」や「GOOD FOR THE PLANET(グップラ)」などの新語が日々増えていますが、その先駆けはやはり「リサイクル」でしょう。ゴミを単なる廃棄物とせず、可能な限り再利用するという精神は、今後も引き続き重要なものとなっていくはずです。
さて、そんなリサイクルですが、英語でもそのままリサイクルでよいのでしょうか。もしかしたら、他の表現が存在するかもしれませんね。
ということで、今回のテーマは「リサイクル」です。リサイクルにまつわる英語表現について、どこよりも詳しく解説していきます。これを読めば、英語でもゴミや資源のリサイクルについて、自信をもって発言できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「リサイクルする」は英語で何て言う?
日本でカタカナ英語として定着している「リサイクルする」は、英語でも “recycle” です。発音記号は「ˌriːˈsaɪ.kəl」で、カタカナだと「リサイコー」に近い発音になります。
recycle という単語を分解すると「再び」を表す re- と、「回転する」を表す -cycle とに分けられます。つまり、recycle とは「何かを再び回転させること」という意味であり、もともとは色々なものの再利用を意味していました。
それが20世紀の後半ごろに、地球環境を考えた資源の再利用を表す言葉として使われるようになり、現在では十中八九その意味で使われています。そのため、最初のうちは「recycle =ゴミの再利用(再生利用)」と捉えてしまってOKです。
Recycling is good for the environment.
訳)(ゴミを)リサイクルするのは、環境のために良いことです。
とはいえ、中には ”recycle ideas(考えを再利用する)” や “recycle strategies(戦略を再利用する)” といった、ゴミ以外の文脈での recycle の使用もあります。余裕のある人はこれらの可能性についても、頭に入れておくとよいでしょう。
The author often recycles ideas in many of his works.
訳)その作家は著作の多くでアイデアを再利用しています。
recycle と reuse は何が違う?
recycle と似た言葉に reuse(リユーズ) があります。recycle と reuse の違いは、「形を変えるかそのままか」という点です。
まず recycle の場合は、資源となるゴミや材料を集めて、それらを分解処理したうえで形を変えて生まれ変わらせます。たとえば、ペットボトルを回収して別のプラスチック製品にしたり、古い新聞紙から新しい紙を作ったりといった作業が代表的です。
続いて reuse の場合は、回収したごみや材料をそのままの形で再利用します。たとえば、回収したガラス瓶を洗って再利用したり、発展途上国に古着を寄付したりといった行為が代表的な reuse です。
日本ではすべて「リサイクル」の一語で済ませてしまいがちですが、厳密には「形を変える再利用= recylce」、「形を変えない再利用= reuse」という違いがあるので注意しましょう。
I recycled the caps of plastic bottles to make hair accessories.
訳)ペットボトルの蓋を再利用(recycle)して、髪飾りを作ったよ。
I reuse plastic bottle caps as caps.
訳)僕はペットボトルの蓋を再利用(reuse)して帽子にしているよ。
You have a small head!
訳)頭ちっちゃ!
recycle の派生語
英語の recycle の派生語として、以下の3つがよく使われるので覚えておきましょう。
- recycling:リサイクル(名詞、動名詞)
- recycled:リサイクルされた(形容詞、過去分詞)
- recyclable:リサイクルできる(形容詞)
それぞれの具体的な使い方は、以下の通りです。
Recycling of disposable diapers is being carried out in Japan.
訳)日本では、紙おむつのリサイクルが実施されています。
This recycled paper is made from the diapers.
訳)この再生紙(リサイクルされた紙)は紙おむつからできています。
Everything can be recyclable depending on our mindset.
訳)あらゆるものは考え方次第でリサイクル可能なんです。
リサイクルショップは和製英語? 英語での正しい呼び方をマスター!
日本では、古くなった家具家電、古着などを販売するお店を「リサイクルショップ」と言いますが、これは和製英語なので海外では通じません。
先述の通り、現代英語で recycle は主に「ゴミの再利用」、特に形を変えた再利用を表します。そのため、英語圏の人に recycle shop と言うと、ゴミを再生する専門店のようなニュアンスを与えてしまいます。
日本語のリサイクルショップと近い意味で使われるのは、以下の3種類です。
- secondhand shop
- thrift store
- pawn shop
どれも中古品を扱うお店である点は共通していますが、それぞれ若干ニュアンスが異なります。以下で詳しく確認していきましょう。
secondhand shop
“secondhand shop(セカンドハンドショップ)” は、日本語のリサイクルショップに最も近いニュアンスの中古品店です。
secondhand を直訳すると「2つ目の手」という意味。もともとの所有者(first hand)から商品を買い取り、それを次の使用者(second hand)に販売するというビジネスモデルです。
世界的に使われている英語表現なので、アメリカやイギリスに限らず、多くの国で通じます。
I was able to buy sneakers at a lower price from a secondhand shop. Lucky me!
訳)セカンドハンドショップでスニーカーを安く買えた。ラッキー!
thrift shop
“thrift shop(スリフトショップ)” は、主にアメリカで使われる中古品店を表す表現です。
thrift はもともと「節約、倹約」を表します。その名前の通り安価な商品が多く、貧困層への支援や持続可能な社会への貢献として、非常に安価な商品がラインナップされています。
thrift shop の商品の一部は寄付で賄われており、その収益の一部も慈善団体などに寄付されることが多いようです。
I had a lot of clothes that I no longer wear, so I donated them to a thrift shop.
訳)もう着ない洋服がたくさんあったので、スリフトショップに寄付しました。
pawn shop
“pawn shop(ポーンショップ)” は、日本で言う「質屋」を表す言葉です。
質屋とは、価値のある品を担保として、お客さんにお金を貸すお店のこと。定められた期限内にお金を返せば品物が返ってきますが、たいていの人はそのまま現金化します。
ちなみに、pawn という単語を単体で使うと「質に入れる」という意味になります。
I sold my parent’s heirloom watch at the pawn shop…
訳)親の形見の腕時計を質屋に売っちゃった…。
Hurry and go get it back!
訳)早く取り返してこい!
まとめ
今回は「リサイクル」に関する英語表現について、詳しく解説してきました。
リサイクルは英語でも recycle と言いますが、そのまま再利用する場合は reuse を使う方が自然です。
また、日本でよく言う「リサイクルショップ」は和製英語なので、海外では secondhand shop など、その他の言い方で表現するようにしましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!