皆さんは「緊急銃猟」という言葉を英語でどう表現するかご存じでしょうか。
連日のようにニュースで報じられるクマ被害ですが、いざこの日本の新しい対応策を英語で説明しようとすると、なんといっていいか分からない方も多いでしょう。
こちらの記事では「緊急銃猟」の適切な英語表現や、2025年10月に実際に適用された事例、そして新語・流行語大賞ノミネート語30に選ばれた背景まで、最新の情報を交えてわかりやすく整理していきます。
緊急銃猟を英語でどう言う?

まずは「緊急銃猟」の英語表現から学んでいきましょう。
“emergency culling with firearms”と表現するのが一般的
「緊急銃猟」は結論からいうと、英語で“emergency culling with firearms”と表現するのが最も適切です。
日本のメディアの英語版(毎日新聞など)でもこの表現が採用されており、それぞれの単語を分解すると以下のようになります。
- Emergency:緊急の、非常時の
- Culling:駆除
- Firearms:銃器
日本語の「銃猟」につられて”Hunting”を使いたくなりますが、今回は「危険を取り除くための発砲」であるため、”culling with firearms“の方がニュアンスが正確に伝わります。
英文でさくっと説明してみよう
訳)日本は住宅地でのクマの緊急銃猟を行う制度を導入しました。
そもそも緊急銃猟とは?

言葉の意味がわかったところで、そもそもなぜ「緊急銃猟」という言葉が生まれ、2025年にこれほど話題になったのか、その経緯を確認しておきましょう。
2025年9月施行の改正法による新制度
本来、日本の法律(鳥獣保護法など)では、安全確保のために「住宅密集地」での猟銃の使用は原則禁止されています。
しかし、市街地へのクマの出没が相次ぎ、人身被害が深刻化したことを受け、2025年9月に改正鳥獣保護管理法が施行されました。
これにより、一定の条件下(※以下公式ページを要チェック)においてのみ、危険鳥獣の銃猟を捕獲者に委託して実施できるというルールに変わったのです。
参考:環境省公式HP
10月の「仙台市」での初適用が決定打に
言葉自体は法改正の議論から存在していましたが、一気に国民の記憶に刻まれたのは2025年10月の出来事です。
宮城県仙台市の住宅地において、この新制度に基づく全国初の「緊急銃猟」が実施され、実際にクマが駆除されました。
緊急銃猟を外国人に説明する

訪日外国人や海外の友人にこの話題を説明する場合、日本の「銃規制の厳しさ」を前提として伝えないと、ニュースの重大さが伝わりにくいです。
ここでは順を追って外国人向けに緊急銃猟を説明する方法をご紹介していきます。
①日本は本来、銃の使用が厳しいと伝える
まずは、日本がいかに銃に厳しい国かを伝えます。
訳)日本では、住宅地での発砲は厳しく禁止されています。
この前提があるからこそ、今回の「緊急銃猟」が特例中の特例であることが際立ちます。
有名ですがアメリカなどでは銃社会なので、銃への心理的ハードルや認識が大きく異なるなど背景があるためです。
②クマ被害のためにルールを変えたと伝える
その上で、背に腹は代えられない状況であることを伝えます。
訳)しかし、2025年の記録的なクマ被害を受けて、緊急銃猟を許可するように法律が変わりました。
2025年は春先から過去最悪ペースで被害が推移し、死者数も二桁に達するなど異常事態でした。
「法律を変えてまで対応しなければならない緊急事態(Emergency)」であるというニュアンスを伝えてあげましょう。
緊急銃猟が流行語大賞に?
さて、そんな社会的な課題を反映した「緊急銃猟」ですが、2025年の流行語大賞の候補にも入りました。
なぜこのタイミングで話題になっているのか、詳しく見ていきましょう。
『2025 新語・流行語大賞』のノミネート語30に選定
年末に近づくにつれ多くの方が気になるであろう「流行語大賞」というイベントが今年も実施予定です。詳細は以下の通りとなります。
自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから選考し、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。2004年(平成16年)からは「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」に、2025年からは「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」に改称している。
ウィキペディアより引用
2025年度からは引用の通り名称が変わり「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」という名前になりました。
「緊急銃猟」も候補入り
今回記事に取り上げている「緊急銃猟」についても、流行語大賞の候補30選に選ばれました。
特に2025年はブナの大凶作などの影響でアーバン・ベア(都市型クマ)の出没が激増し、10月には仙台市での初適用事例が全国ニュースとなったことが決定打と言えます。
候補の中では「No.7」の位置づけとなっておりますが、まだ順位が決まったわけではありません。私たちの生活の安全に関わる言葉だけに、重みのあるノミネートと言えます。
「ミャクミャク」や「トランプ関税」なども候補に
「緊急銃猟」のほかにも、今年は色々な言葉がノミネートされています。大阪万博で話題となった「ミャクミャク」はもちろん、トランプ大統領による「トランプ関税」。
また、若者の間で流行した「ビジュイイじゃん」や、食のトレンド「麻辣湯」など、硬軟入り混じった言葉が並んでいます。
現在候補に挙がっている30個はまさにサラダボウルのような状態であり、何が大賞を取るのか最後まで目が離せません。
まとめ
こちらの記事では「緊急銃猟」の意味や英語表現、そして2025年の法改正と初適用のニュースから流行語大賞の話題までご紹介しました。最後に一緒に復習していきましょう。
- 「緊急銃猟」は英語で”emergency culling with firearms”
- 2025年9月施行の法改正で可能になった新制度
- 10月の仙台市での初適用事例が話題に
- 2025年の新語・流行語大賞ノミネート語30にも選ばれた
これから「流行語大賞」やトップ10の発表も行われることになりますので、ぜひ「緊急銃猟」がどこまでランクインするのか、一緒に情報を追いかけていきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
