「英語で何て言う?」コーナー、今回は、日本の「四季と行事」についてです。

日本には、春夏秋冬と4つの季節があり、ひな祭りといったようなお祝い事の行事も多くあります。それらの行事は、春夏秋冬の四季の移り変わりと一緒になって、独特の文化・伝統として存在しています。

今回は、日本を紹介するときに使える「四季と行事」について、「四季」は日本独特のものなのか?英語の「四季」の由来は?お正月や節分は、英語で何て言えば良い?などなど、まとめてみました。

「四季」があるのは日本だけ?

四季のある地域は他にもあります。ですが、日本ほど四季の移り変わりがはっきりしている国は珍しいとされています。

中緯度で大陸の東に位置する日本列島は、ほぼ3ヶ月ごとに季節が移り変わっていきます。こうした気候の特徴から、日本人は四季をより身近に感じ、季節を愛でるようになったと言われています。

日本では、食べ物に「旬」という言葉があるように、季節が変わるごとに新しいものが次々と現れます。春・夏・秋・冬それぞれの季節で、ファッションはもちろん、街の雰囲気から景観まで変わってしまいます。四季にちなんだ商品が多いのも、日本の特徴と言えますね。

英語では、季節は「summer」と「winter」から始まった

一方、英語で「四季について調べてみると、「summer(夏)」や「winter(冬)」という言葉は、1000年以上前からあったとされ、当時は、暑い時期「summer」と寒い時期「winter」が主な季節だったからではないかという説があります。

「summer」、「winter」ともに古いゲルマン語から派生した言葉で、それぞれ「1年の中の暑い季節」、「湿った季節」の意味だとされています。

spring(春)」と「fall/autumn(秋)」は後からでてきた言葉で、「spring」は「急に動く、飛び跳ねる」、「(川の)源泉」という意味がありましたが、12世紀には「地面から湧き出る水」を表すようになり、16世紀頃から「冬が過ぎ、草花が萌え出る」=「春」を意味するようになったと言われています。

そして、「秋」は12〜13世紀、収穫にちなんで「harvest」と呼ばれていたそうです。16世紀にはフランス語の影響で「autumn」、または「fall of the leaf(葉っぱが落ちること)」から「fall」と言われるようになります。

現在は、アメリカで「fall」、イギリスで「autumn」をよく使うようですが、なぜ2つの言い方が残ったのかということは、わかっていません。

ちなみに「四季」は英語で「season」ですが、「種まきの時期」という意味のラテン語「satio」が語源だと言われています。「seed(種)」や「sow(種をまく)」という単語も同じところから派生しているということです。

季節の節目とともに、「ハレ」のイベントが日本の日常を彩ります

日本人は普段過ごす日常を「ケ」の日、お祭りなどの非日常を「ハレ」の日とし、使い分けてきました。

「ケ」の生活がうまく行かなくなることを「ケガレ=気枯れ」として忌み嫌い、「ハレ」の日を迎えることで日常が回復するという繰り返しによって、暮らしが成り立っていたのです。

そして、四季の移り変わりがはっきりしているからこそ、その節目節目でケジメをつけ、「ハレ」の日を楽しんできたのです。

そんな日本の四季折々の行事と祝日を以下に、まとめてみましたのでご覧ください。

ちなみに、英語では祝祭日は固有名詞なので、「New Year」のように単語の始めが大文字表記になります。

春(spring)の行事

3月(March)

3日のひな祭りや、21日頃の春分の日、また学校の卒業式があります。

ひな祭りは、英語で「Doll Festival」、春分の日は「Vernal Equinox Day」、卒業式は「graduation ceremony」です。

4月(April)

お花見「cherry blossom viewing」を英語で説明する場合の例文は、
「公園で桜の花を見ながら宴会をします。」

“People hold picnics in parks to view the cherry blossoms.”

です。

4月は、日本では入学式「entrance ceremony」がありますが、英語圏では式はなく、そのまますぐにオリエンテーションや授業が始まるのだそうです。

季節が良いので、学校では遠足「field trip」があり、昭和の日「Showa Day」がやってくると、大型連休のゴールデンウィーク「Golden Week」 が始まります。

5月(May)

3日の憲法記念日、4日のみどりの日、5日のこどもの日と日本ではお休みが続きます。憲法記念日は「Constitution Day」、みどりの日は「Greenery Day」、こどもの日は「Children’s Day」です。

みどりの日は色の緑ではなく、植物の緑なので「Green Day」ではなく、「Greenery Day」となります。

夏(summer)の行事

6月(June)

日本の学校では、中間試験「midterm examinations」が始まり、雨の多い梅雨「Tsuyu」の時期を迎えます。

7月(July)

7日は、願いごとを書いた短冊をささ竹につるし、七夕「Star Festival」を祝います。学校では期末試験「final examination」があります。第3月曜日には海の日「Marine Day」の休日となります。

8月(August)

7月の下旬から日本の学生は夏休み「summer vacation」が始まります。40日ほど続く長い休みですが、アメリカでは約3ヶ月あります。この長い休みの間、子どもを退屈させないようにキャンプに参加させたり、様々なアクティビティに行かせたりと、親も大変なようです。

11日の山の日(Mountain Day)を迎えると、盆(Bon)に入ります。
盆について説明すると次の例文のようになります。

例)盆は先祖の霊を迎え、敬い、慰める行事です。

”People welcome, worship, and entertain the spirits of their ancestors.”

盆が過ぎると、夏も終わりに近づきます。

秋(fall/autumn)の行事

9月(September)

第3月曜日の敬老の日「Senior Citizen’s Day」が終わると、23日頃に秋分の日「Autumnal Equinox Day」を迎え、季節は秋を迎えます。また、貿易風と偏西風を受けて、台風「typhoons」のシーズンが到来します。そして、秋の実りに感謝する月見「viewing the full moon」があります。

10月(October)

第2月曜は体育の日「Health-Sports Day」で、運動会がある学校もまだ多いでしょう。修学旅行「school excursion」の季節でもあります。アメリカでは、日本のような修学旅行はないですが、「field trip」という社会科見学があります。

11月(November)

3日は文化の日「Culture Day」があり、11月は学校で文化祭「school festival」が行われます。また、七五三「Shichigosan」の行事もあります。

七五三を説明する例文をご紹介します。

例)3歳(男の子と女の子)、5歳(男の子)、7歳(女の子)の子どもの成長を祈る伝統行事です。

“A Traditional ceremony to mark the growth stages of children aged three(boys and girls), five(boys), and seven(girls).”

23日の勤労感謝の日「Labor Thanksgiving Day」を迎えて、いよいよ師走です。

冬(winter)の行事

12月(December)

23日の天皇誕生日「The Emperor’s Birthday」頃から、学校は冬休み「winter vacation」 に入り、おおみそか「New Year’s Eve」を経て、お正月を迎えます。

おおみそかの説明例は、

例)1年の最後の日です。大掃除をしたり、お正月の準備をしたりします。

“The last day of the year. People finish their house cleaning and make preparations for the New Year.”

です。

1月(January)

1日の元日「New Year’s Day」の説明例は、

「1年の始まりです。この日に、たくさんの人が神社やお寺に初もうでに行きます。」

“The beginning of a new year. Many people pay their first visit of the year to shrines and temples on this day.”

です。

また、お正月の単語についても参考までにご紹介します。

おせち料理は、「special dishes for the New Year」、門松は「New Year’s decorative pines」、お年玉は「New Year’s money gift」、年賀状は「New Year’s cards」、おもちは「rice cake」です。

第2月曜は成人の日で、「Coming-of-Age Day」という英語で表現されます。

2月(February)

2月になると、暦の上では春となります。立春の前日、3日の節分「Setsubun(Bean-Scattering Ceremony)」についての説明は、

「立春の前日の夜に、悪いものを追い払い、家に幸運を招くため、炒った大豆をまきます。」

“On the eve of the first day of spring, people scatter roasted soybeans to chase away devils and pray for good fortune at home.”

です。

続いて、11日の建国記念日「National Foundation Day」で、春夏秋冬の行事は終わりです。

こうしてみてみると、日本には神道や仏教、周辺の国から伝わってきたものなど、さまざまな由来を持つ行事があることがわかります。それらの行事が四季の移り変わりとともに行われ、より彩り豊かな独自の文化となっています。

まとめ

日本の「四季と行事」について考えてみましたが、いかがでしたか?

ここ何年かで、ケルト文化を起源にもつ「ハロウィン(Halloween)」が根付きつつあります。昔から続く行事を現代に受け継ぎながら、時代に合わせて新しい四季の楽しみ方も作っていく。そんな、「日常とは違う楽しいこと=ハレの感覚」を求め続ける気持ちこそが、日本のユニークさかもしれませんね。

それでは、次回をお楽しみに!

引用文献:アンカー大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 株式会社学研プラス