皆さんは普段どんな洋服を着ていますか?
私は在宅で仕事することが多いので、気を抜くとついTシャツ1枚になりがちですが、やはり襟付きの洋服を着ると仕事に身が入る気がします。たかが襟、されど襟。あるか無いかで、見た目だけでなく気持ちも変わってくるから不思議なものです。
ということで、今回のテーマは「襟」です。
襟を英語で何と言うかはもちろん、スプレッドカラーや付け襟などの襟の種類についても詳しく解説していきます。
洋服に興味がある人も無い人も、これを読んで英語で「襟」周りを正していきましょう!
「襟」は英語で何て言う?
洋服の襟は英語で “collar” と言います。発音記号は「ˈkɒlər」で、カタカナだと「カラー」もしくは「コラー」と表せます。
カラーという読み方としては “color” の方が有名ですが、こちらは「色」を表す単語です。発音もスペルも似ているので、混同しないように注意しましょう。
What color do you like?
訳)何色が好き?
I like pointed collars, you know.
訳)僕は尖った形の襟が好きだなー。
No, I mean talking about colors, not collars.
訳)いや、襟の話じゃなくて色の話ね。
Oops, sorry, I misunderstood.
訳)おっとごめん、勘違いしたわ。
英語の「襟」の語源は何?
collar の語源を遡ると、ラテン語で「首」や「頸部(けいぶ)」を表していた “collum” という単語に行き着きます。首から意味が派生し、首回りにつける装飾品や襟などを表すようになりました。
ちなみに、現代英語で「首」といえば “neck” が有名ですね。こちらはゲルマン語由来の言葉であり、もともとは neck も collum も同じ対象を表していました。それが英語において、ゲルマン語とラテン語が混在することによって、それぞれに表す意味が分化したと推測されます。
同じ「豚」を意味するラテン語由来の pork(食肉の豚) と、ゲルマン語由来の pig(生きている豚) が、それぞれ若干違う意味で共存しているのと似たような関係ですね。
When you trace back their etymology, neck and collar do have very similar meanings.
訳)語源まで遡ると、neck と collar はとても似た意味を持っています。
「襟」と「首輪」は同じ単語?
英語で collar というと、「襟」以外に「首輪」の意味もあります。
なぜどちらも同じ collar なのか、ここまでを読めばもうおわかりでしょう。そう、どちらも「首」に巻くものという点が共通しているんです。
逆に言えば、現代英語で collar が襟と首輪以外の意味を表すことはほとんどありません。洋服の話なら「襟」、ペットの話なら「首輪」と、文脈によって判別しましょう。
We should put a collar on our pet.
訳)ペットには首輪をつけておきましょう。
We should wear a collared outfit to the party.
訳)パーティーには襟付きの服を着ていきましょう。
襟の種類には何がある?
一括りに「襟」といっても、実際にはさまざまな種類があります。
ここでは、代表的な5種類(+おまけ)について、それぞれの特徴や違いを確認していきましょう。
襟の種類①:ポイントカラー
襟の種類として最も一般的なのが “point collar(ポイントカラー)” です。
point(示す)という名称の通り、矢印のような形状をした襟であり、ワイシャツなどの襟として身近な形だといえます。
ちなみに、ワイシャツというのは「ホワイトシャツ」をもじった和製英語であり、英語で Y-shirt とは言わないのでご注意を。英語では同様のシャツを指して dress shirt と言ったり、単に shirt と言ったりします。
Point collar is very common as the collar style for dress shirts.
訳)ポイントカラーは、ワイシャツの襟として非常に一般的です。
襟の種類②:スプレッドカラー
フォーマルなシャツの襟によく使われるのが “spread collar” です。
spread(広がる)という名前通り、ポイントカラーよりも襟が左右に広がった形状をしています。そのため、ネクタイを締めた際にノット(結び目)が映えるのが特徴的です。
Spread collar is commonly used in suit styles.
訳)スプレッドカラーはスーツスタイルでよく使われる襟です。
襟の種類③:スタンドカラー
少し個性的な印象で人気があるのが “stand collar(スタンドカラー)” です。
stand(立つ)という通り、襟の部分が直立しているのが特徴的で、和名だと「立ち襟」とも呼ばれます。中国式のシャツでよく使われており、ネクタイをしなくてもスッキリ着用することができます。
Stand collar is frequently seen in traditional Chinese clothing.
訳)スタンドカラーは、伝統的な中国服によく見られます。
襟の種類④:バンドカラー
一見矛盾するようですが、襟がない襟のことを “band collar(バンドカラー)” と言います。
襟がない代わりに帯(band)状のパーツが首回りについていて、シンプルな印象でカジュアルなシャツで特に人気があります。
また、帯すらもないスタイルの場合は “no collar” と呼ばれることもあります。
Band collar and no collar are very similar, both being collar styles without a collar.
訳)バンドカラーとノーカラーは非常に似ていて、どちらも襟なしの襟です。
襟の種類⑤:付け襟
洋服の襟の部分だけが独立した「付け襟」は、英語では “detachable collar” と言います。
detachable は detach(取り外す)と able(できる)が組み合わさった言葉です。つまり、付け襟とは「取り外し可能な襟」という意味になります。
襟の付いていないシャツやブラウスに取り付けたり、特定のドレスコードに合わせたりと、カジュアルからフォーマルまで、さまざまな場面で使用されています。
When I add a detachable collar to this blouse, it becomes incredibly elegant.
訳)このブラウスに付け襟を付けると、とてもエレガントな雰囲気になります。
襟巻き in English
最後に、厳密には襟ではないですが関連表現として、襟の周りに巻く「襟巻き」の英語表現も確認しておきましょう。
襟巻きは英語だと “scarf” と言うのが一般的。日本でも「スカーフ」というカタカナ英語で定着していますよね。というより、現代では襟巻きよりもスカーフの方がよく聞く表現だといえるでしょう。
ちなみに、日本では冬用の厚手の襟巻きを「マフラー(muffler)」と呼びますが、英語では薄手も厚手も scarf と呼ぶことが多いです。
日本語の「襟巻き」と英語の muffler は、どちらも少し古臭い印象の表現なので、使う際は注意しましょう。
In modern English, all items worn around the neck are generally referred to as “scarves (scarf),” and the term “mufflers (muffler)” is less commonly used.
訳)現代の英語では、首回りに巻くアイテムは一般的に「スカーフ」と呼ばれ、「マフラー」という用語はあまり使われなくなってきています。
まとめ
今回は「襟」について、詳しく確認してきました。
襟は英語で collar です。ひとくちに襟といっても、point collar や spread collar など色々な種類があるので、ファッションの好みや着用シーンに合わせて、それぞれを適切に使い分けたいですね。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!