「運命」と聞いて皆さんが思い浮かべるのはどんなイメージですか。良いイメージか、悪いイメージか、あるいはベートーヴェンの曲だったりするかも。今回は、英語で「運命」という単語をご紹介し、それぞれがどのようなニュアンスで使われるのかを解説していきます。意外と使われる単語は多く、日本語のようにひとつではないことに注意が必要ですよ!自分が意図した意味で伝わらないと誤解を招くので、適切な単語を使えるように練習してみてくださいね。

良い運命はdestiny

「運命」と言えば英語ではDestinyが一番に思いつきますかね。こちらは良い意味で使われる単語で、自然にもたらされるものと考えられています。運命自体が自分ではどうしようもないことという意味ですから、ここの考え方は理解しやすいでしょう。

人の意思や知恵などに影響を受けないのが運命です。人間が勝手に考えて、起こったことを変えられないことだったと考えいるのだと言うこともできますから、「運命」という言葉そのものの解釈は分かれるところです。

Aさん
It was destiny for him to discover the new planet.
訳)新しい惑星を見つけるのは彼の運命だったんだ
Bさん
Yes, it was. He did a great job.
訳)そうだね。彼は大仕事をやったよ

悪い運命はfate

「運命」と言うと、多くの日本人は「運命の赤い糸」など、ポジティブなイメージを思い浮かべます。しかし、英語の場合はFateなど、悪い運命に対して使う単語が存在します。一口に「運命」と言っても、それが良いことなのか悪いことなのかをひとつの単語で表せられるのは便利ですね。

特にFateは死や敗北、避けては通れないことを示す単語です。日本語で言うならば、「運命」ではなく「宿命」でしょうか。ここから派生して、直接死や破滅を表現する時に使われることもあります。

人気アニメでfateシリーズがありますが、単に「運命」という意味でFateを捉えていると、良い意味なのかなと勘違いしてしまいそうですね。

硬い言い回しの悪い運命はdoom

他にも、Doomという単語でFateのお堅いバージョンがあります。悪い運命を表す言葉で、発音はドームではなくドゥームです。

Fateとの違いは少しフォーマルな言い方であるということです。また、動詞として使うこともでき、その時には「運命づける」という意味になります。神が審判を下すというような、少しスピリチュアルなイメージがありますね。

Aさん
He was doomed to die….
訳)彼は死ぬ運命だったんだ・・・
Bさん
Ah, you are talking about “Attack on Titan”.
訳)ああ、「進撃の巨人」の話ね

ラッキーなfortune

ラッキーなfortune

Fortuneは「運命」と訳すこともできますが、単にラッキーなことや、運が良かったことに対しても使えます。ですからFortuneはポジティブな意味であるということですね。ローマ神話の中に出て来る運命の女神、Fortunaが語源となっており、幸運や繁栄、財産といった良い意味を持っています。

アメリカでは、フォーチュンクッキーを食べる文化がありますが、これはアイドルグループであるAKBさんの歌で一躍日本でも有名になりましたね。

巡り合わせのlot

Lotはたった3つのアルファベットで構成されている大変短い単語ですが、「くじ」や「抽選」といった意味があります。宝くじを英語で言うとLotteryになるので、この単語を知っていれば覚えやすいでしょう。

まるでくじのように、偶然割り当てられた運命である、というような意味合いが出ます。くじ引きや抽選で当たりが出ることは多くないので、希少な良いことに巡り合えたというニュアンスがあります。

「運命」にまつわる英語表現

「運命」にまつわる英語表現

ここまで「運命」という英単語を学んできましたね。では、それらの単語を使って他にどんな表現ができるのかをもっと深掘りしていってみましょう!単語だけ覚えてもいざ使う時になると文が出てこないので、ある程度セットで覚えておくことをおすすめします。

a man of my destiny

「運命の相手」なんて言葉を聞くこともありますが、英語ではこれをa man of my destiny、あるいはa girl of my destinyと言います。自分の恋愛対象によってManかGirlかを決めます。

日本語で「運命の相手」という表現がたまたまあるのに対し、英語でもDestinyを使って同じような表現があるというのは偶然ですが、覚えやすくていいですね。

work out one’s own destiny

「運命を切り開く」という言い回しもよくしますが、それを英語で言うとwork out one’s own destinyとなります。

Work outというとなんだか身体を鍛えるトレーニングのようですが、ここで使われているのは「解決策を見つける」という意味。ですから自ら切り開くという言い方にもできるわけです。

go against fate

「運命に逆らう」と言いたいならgo against fateですね。同じ意味に「fight against fate」というものもあるのでこちらは同義語として暗記してみてください。Fightだと「戦う」という意味になるので、抗っている感じがよく出ます。

Againstはこれだけで「~に反して」という意味になるので、動詞はどちらを選んでも同じ意味になるという仕組みになっています。ちなみに、意見に反対する時もAgainstを使いますよ!

ベートーヴェンの「運命」は・・・

冒頭で、「運命」を聞いてベートーヴェンの作品の方を思い浮かべる方もいるかもなんて話しましたが、この作品名、英語では全然「運命」という単語が入っていないことをご存知でしょうか。英語だと「Symphony No.5 c-minor」と言います。これは「交響曲第5番ハ短調」という意味ですが、日本語だとどうしても「運命」の方がしっくり来ますよね。

ちなみにベートーヴェンの母語であるドイツ語ではSchicksalssinfonieと呼ばれており、このうちSchicksalの部分は「運命」と言います。日本語訳にすると「運命交響曲」となります。

まとめ

「運命」という英語は、良い意味なのか悪い意味なのかをハッキリと区別して使い分けていましたね。一般的に使われるDestinyはポジティブな意味ですが、Fateはネガティブな意味でした。例えば良い意味で「これがあなたの運命だったんだね!」と言いたいのに、間違って悪い意味の「運命」という英単語を使ってしまったら怪訝な顔をされそうです。いくつか「運命」にまつわる英語表現も学んだことですし、今からは使う練習をしていきましょう!