バイリンガル保育園やインターナショナル要素を取り入れた保育現場では、連絡帳を英語で書く場面が増えています。
とはいえ、「文法は合っている?」「この表現は自然?」と迷う先生も多いのではないでしょうか。
英語での自然な保育記録文例をフレーズ付きで紹介

一日の様子を伝える基本フレーズ
まずは、子どもの一日の様子を伝える際によく使われる表現です。
- He/She had a great day today.
今日はとてもよい一日を過ごしました。 - He/She enjoyed playing with friends.
お友だちと遊ぶことを楽しんでいました。 - He/She was calm and relaxed throughout the day.
一日を通して落ち着いて過ごしていました。
「good」や「happy」などの簡単な単語でも、十分に気持ちは伝わります。無理に難しい表現を使う必要はありません。
遊び・活動に関する記録フレーズ
保育内容を具体的に伝えることで、家庭との連携が深まります。
- We sang songs and danced together.
みんなで歌をうたったり、ダンスをしました。 - He/She enjoyed outdoor play.
戸外遊びを楽しんでいました。 - We worked on an art project today.
今日は製作活動を行いました。 - He/She showed interest in books.
本に興味を示していました。
「What we did(何をしたか)」をシンプルに書くのがポイントです。
成長や変化を伝えるフレーズ
小さな成長を英語で伝えることは、保護者にとっても大きな喜びになります。
- He/She is becoming more confident.
自信がついてきています。 - He/She tried something new today.
今日は新しいことに挑戦しました。 - He/She is learning to express feelings with words.
言葉で気持ちを伝えようとしています。 - We noticed progress in his/her communication.
コミュニケーション面での成長が見られました。
「becoming」「trying」「learning」などの現在進行の表現は、成長過程をやさしく表現できます。
食事・生活面の記録フレーズ
毎日の生活リズムは、保護者が特に気になるポイントです。
- He/She ate well today.
今日はよく食べました。 - He/She tried vegetables.
野菜に挑戦しました。 - He/She took a good nap.
しっかりお昼寝をしました。 - He/She needed some support during lunchtime.
食事中、少し援助が必要でした。
気になる点がある場合も、やわらかい表現を選ぶことで、安心感を与えられます。
締めくくりによく使うフレーズ
最後に一言添えるだけで、連絡帳全体の印象がぐっと温かくなります。
- Thank you for your support at home.
ご家庭でのサポートありがとうございます。 - Please let us know if you have any questions.
何かありましたらお知らせください。 - We look forward to seeing him/her tomorrow.
明日もお会いできるのを楽しみにしています。
定型フレーズとして覚えておくと、毎日の記録が楽になります。
バイリンガル保育園や英語併用園で特に意識したい注意点

評価・断定的な表現を避ける
英語では、日本語以上に断定的な表現が強く響くことがあります。
避けたい例
- He is selfish.
彼は自己中心的です。 - She cannot follow rules.
彼女は規則に従うことができません。
望ましい言い換え
- He is still learning to share with friends.
彼はまだ友達と共有することを学んでいるところです。 - She sometimes needs reminders to follow the rules.
彼女は時々、ルールを守るよう注意される必要があります。
ネガティブな内容は“事実+配慮”で書く
海外では、連絡帳にネガティブなことだけを書くのは好まれません。
ポイント
- 感情や評価を入れすぎない
- 改善の視点や支援を必ず添える
例
- He was upset when the activity changed, but he calmed down with support.
活動の切り替え時に戸惑いましたが、援助で落ち着きました。
文化差を意識した表現を選ぶ
多国籍の保護者が読む場合、文化的な受け取り方の違いに注意が必要です。
注意点
- しつけ・マナーを価値判断で書かない
- 「普通」「当たり前」という感覚を押しつけない
例
- He is learning classroom routines.
園での流れに慣れている途中です。
短く・シンプルな文を心がける
英語は、短い文の方が丁寧で読みやすいとされます。
例
- He enjoyed playing outside.
彼は外で遊ぶのが好きでした。 - He talked with friends.
彼は友人と話してました。
「I」「We」を主語にして責任を明確にする
英語では、誰が見て・感じたのかを示す方が誤解が生まれにくくなります。
例
- We noticed that he was tired in the afternoon.
午後、彼が疲れていることに気づきました。 - We supported her during lunchtime.
私たちは昼食時に彼女を支えました。
比べない・ランキングしない
海外では、他の子どもと比較する表現は特に避けられます。
避けたい例
- He is slower than others.
彼は他の人より遅いです。 - She is the best in class.
彼女はクラスで一番です。
言い換え
- He is developing at his own pace.
彼は自分のペースで成長しています。 - She showed progress in her own way.
彼女は彼女なりの方法で進歩を見せました。
最後は必ず前向きな一文で締める
英語の連絡帳では、ポジティブな締めくくりが重要です。
例
- Thank you for your continued support.
ご支援を賜り、誠にありがとうございます。 - We look forward to another fun day tomorrow.
明日も楽しい一日になることを楽しみにしています。
海外では「連絡帳」は使われているのか?

アメリカ
連絡方法の特徴
- 紙の連絡帳はほぼ使われない
- 保育アプリ(ClassDojo、Brightwheel など)が主流
- 写真・動画・短いコメントで共有
工夫されている点
- ポジティブな記録中心
- “She had fun painting today.”
- “He played kindly with friends.”
- 生活記録(食事・排泄・睡眠)はチェック形式
- 問題がある場合は、連絡帳ではなく直接面談や電話
→「記録=評価」ではなく、「共有と信頼づくり」という考え方が強い。
イギリス
連絡方法の特徴
- デジタル+口頭の併用
- Learning Journal(学びの記録)という考え方
工夫されている点
- 日々の細かい記録よりも、
- できるようになったこと
- 興味・関心
- 成長の過程を写真+コメントでまとめる
- 保護者もコメントを書き込める双方向型
→「連絡帳」というより、成長アルバムに近い位置づけ。
フィンランド
連絡方法の特徴
- 連絡は必要最低限
- 子どもの自主性・信頼を重視
工夫されている点
- 日常の細かい行動報告はあまりしない
- 重要事項のみアプリや面談で共有
- 子ども本人の言葉を尊重
- “What did you enjoy today?” を家庭で聞く文化
→「園がすべてを報告する必要はない」という価値観。
フランス
連絡方法の特徴
- 連絡帳(cahier de liaison)は存在するが事務連絡中心
- 日常の様子はあまり詳しく書かない
工夫されている点
- 欠席・健康・行事などの連絡がメイン
- 教育内容や方針は、別途文書や面談で説明
- 感情面の記録は控えめ
→「家庭と園の役割を明確に分ける」文化が背景にある。
シンガポール
連絡方法の特徴
- 完全デジタル化が進んでいる
- 英語を共通言語に多国籍家庭と共有
工夫されている点
- 写真+簡単な英語コメント
- 専門用語を避け、誰にでもわかる表現
- 文化差に配慮した言い回し
- 否定的表現を避ける
- 客観的な事実を中心に記載
→多文化社会ならではの「誤解を生まない表現」が重視される。
まとめ
英語の連絡帳は、「正しく書くこと」よりも気持ちや様子が伝わることが大切です。
短くても、やさしく、前向きな表現を積み重ねることで、保護者との信頼関係が自然と育まれます。
今回紹介したフレーズをベースに、園の方針や子どもの姿に合わせて、少しずつ自分なりの表現を増やしていってください。
英語連絡帳が、先生にとっても負担ではなく、伝える楽しさにつながることを願っています。
