さあ、幼児を卒業していよいよ小学校が始まり、「学童期」に移ります。保育園、幼稚園で一番お兄さんお姉さんだったのが、一気にかわいい1年生になり、一つの節目を迎えて親も子供も期待と不安で胸いっぱいですね!そんな大きく環境が変わるこの年齢の成長の目安と、入学前後の言葉のアプローチを考えながら、海外の子育て事情もお知らせします!
身体的発達
ジャンプ力が大きく伸び、垂直飛びや幅跳びができるようになる
体つきが急速に「幼児」から「児童」へと成長し、たくましさも感じられる時期ですね。記録会などに参加して、頑張ることに挑戦もするようになります。縄跳びなどを長い時間続けることができ、二段飛びや、交差飛びなどのレベルの高い飛び方にも挑戦しようとします。
- 垂直飛び・・・vertical jump
- 幅跳び・・・long jump
訓練をして、二輪車に乗れる
個人差がありますが、自転車の補助輪を外して、バランスをとって乗ることが可能になります。まだ不安定ですが、乗れるようになりたい!という強い気持ちから、転んでも何回も挑戦する強い気持ちを持つようになります。
- 自転車の補助輪・・・training wheels
音楽に合わせてスキップやギャロップなどができるようになり、ダンスなども覚えて楽しむ
体の動きがスムーズに、そしてダイナミックになり、リズムに合わせて様々な動きをするのは、神経系の発達を促すのに適しています。特にダンスは筋力や持久力、瞬発力も身につく全身運動と言われています。
リズム感が養われる、協調性が身につく、脳が活性化し、活発な子供になる、などの利点もたくさん!ダンス教室に行くのもいいけれど、親子でYoutubeなど見ながら踊るのも、楽しいコミュニケーションになるのでオススメです!!
生活のリズムが出来てきて、早寝早起きを心がける
小学校が始まると、早寝早起きが出来ないと不都合が多いものです。これが出来ないのは、大半は大人の生活リズムが乱れているから!仕事の都合などで難しいかもしれませんが、子どもの健やかな成長には十分な睡眠が必要です。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が減少するため、成長に影響が出るだけでなく、注意力や集中力の低下、免疫力の低下、気力の低下などが現れ、子どもの心までもが不安定になってしまいます。
小学生に必要な睡眠時間は9~13時間といわれていますので、起きる時間から逆算して、余裕をもって就寝させるようにしましょう。
- 成長ホルモン・・・growth hormone
食事のマナーを守り、こぼさずに食べて片付けも進んでできる
給食が始まると、みんなで食べる、ごあいさつをする、好き嫌いせず食べる、片付けするなど、学校側の指導も意識しながら「食育」の効果も出てきます。
骨の成長を促すカルシウム、筋肉を作るたんぱく質、体のバランスを整えるビタミン、カルシウムの吸収をよくするビタミンDは,日光を浴びることで生成されるので、外で思いっきり日光を浴びて遊ぶことも必要でしょう。
- 食育・・・food education
情緒的的発達
友達に「貸して」「ありがとう」、悪いことをしたら「ごめんなさい」が言える
幼児期は親や保育士などの大人との関りが多かった生活から、だんだん友達同士だけで遊ぶ機会が増えてきます。好きな友達、気が合う友達なども出てきて、友達関係をよくしたいという気持ちから、今までの自己中心的な考えから、友達と共鳴し、人間関係を潤滑にするためのルールや思いやりなどを覚えていきます。
でもその反面、家に帰ったら親に甘えるなどの面があるのが、この年頃のかわいいところかもしれませんね!
人を傷つける言葉を言ってはいけないことが理解できる
この時期は「真似っ子世代」で、大人や教師がすること、いうことを無意識に真似て、少しづつ大人に近づきたいという気持ちが強くなります。そしてまだ親や教師の言うことが一番正しいと判断しているので、いけないことはいけない、と忠実に守る傾向があります。
その反面、まだまだ自己中心的なところもあり、自立したいという願望があるのに、まだ周りの介助が必要な時もあるので、本人が自立したいという気持ちを尊重しながら、指導する必要があると言えましょう。
友達との関係がだんだん親密になってきて、親よりも友達との関係を大事にするようになる
幼児期から低学年の時期は、日常生活における大きな影響を親から受けるのが圧倒的だと言えますが、だんだんその割合が友達へとシフトしていきます。
一般的にこの時期の友達選びは、「家が近い」「お母さん同士が仲良しである」といった物理的に近くにいる友達を選ぶ傾向にあり、大人側からも友達関係が見えやすい時期といえます。
- 物理的に・・・physically
会話が豊かになり、相手によって内容や話し方を変えることが出来る
現代では実生活の中で経験を積んでいくほかに、テレビや雑誌、Youtube番組などから、たくさんの情報や人間関係を知ることが出来ますね。そういう中で、児童期は「相手を思いやった感情表現」が出来るようになってきます。
「このような場面では、こういう表情や感情表現が望ましい」という社会的な暗黙のルールのようなもので、例えばプレゼントをもらったら嬉しそうにする、笑顔でありがとうという、といった社会性を身に着けていきます。
それが児童期に入ると、より様々な立場の人の気持ちを考えることが出来るようになり、相手を傷つけないように、といった配慮が出来るようになってきます。
海外ではこうする
アメリカでは子供でも一人一人が自分の意思を持ち、自分の考えをきちんと説明して主張するように育ちます。
- 自分自身で答えを見出す
- わからなければ質問をする
- 意見をちゃんと理由をもって言う
- 分かり合えるまで話し合いをし、解決しようとする
など、自分がどんな人間で、何が好きか嫌いか、どうやって自分を知ってもらうかを徹底的に主張します。「空気を読む」「波風立てないようにみんなと協調する」ように育てられた日本人とは、大きな差がありますよね。
海外の小学校
主にオーストラリアで見てみると
- 通学カバンに決まりがない
・・・リュックが多く、たまにスーツケースで通学する子供も!
リュックは通常バックパックbackpackと言われます。ランドセルは日本の小学生の象徴ですね!
- スクールバスや親の送迎で登校する
・・・日本のような集団登校はしません。
自転車やスクーターで登校する小学生もいるというから、ちょっと驚きです!
- 入学式がない
・・・入学式と言ったら、日本では一大イベントなのにこれも驚きですね!
よって、始業式も終業式もないようです。文化の違いを感じますね。
各国の入学時期
1月: | シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド |
2月: | ブラジル |
3月: | 韓国、アルゼンチン |
4月: | 日本 |
5月: | タイ |
6月: | フィリピン |
9月: | アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、中国、台湾、ベトナムなど |
10月: | カンボジア、ナイジェリア、セネガル |
こうしてみると、入学式や新学期は桜咲く4月という日本の常識も、世界的にみるとかなり少数派であることがわかりますね!グローバル化が進む中、海外では夏休み明けの9月に入学や新学期が始まる国が多いことから、日本の教育制度も国際的な基準に合わせようという動きが活発化しているそうです。
就学前に身につけさせましょう!
生活習慣はほとんど一人でできるようになったといっても、まだまだ完ぺきではありません。
入学前までに基本的な生活習慣、
- 靴をそろえる
- 着替えた服をきちんとたたむ
- 使ったものは片付ける。
- トイレは1人で行き、排せつをする。
などでしょう。
そして、結構入学してから困る問題に、持ち物の管理があります。名前が書いてあっても、自分の持ち物を紛失したり、もらったプリントなどをなくしたりすることが少なくありませんね?最初は親が手伝って、保管するファイルなどを用意し、少しづつ自分でチェックできるように指導しましょう!
就学前に、
- 自分の名前を書ける。
- 数を10まで数える。
- ひらがなを読める。
というのをできるようにしていると、入学しても劣等感を感じず楽しくスタートが出来るでしょう。
番外編 「小1の壁」
「小1の壁」という言葉をご存じでしょうか?共働きの家庭が、子供が保育園から小学校に上がる際に、預け先がなく、特に核家族が直面する問題のことを言います。
まだまだ一人で留守番をさせるのも心配な年齢ですし、だからと言って仕事を辞めたり時間を短縮することは難しい・・・そんな仕事と育児の両立がこの時期から難しくなってきます。また、学校行事への参加、夏休みや冬・春休みなど、問題はたくさんあります。そのため、せっかく積み上げたキャリアをあきらめて、パート勤務などに切り替えたお母さんもいるという実態は、日本社会の大きな損失にもなりかねません。
学童保育のシステムなどを改正すると同時に、企業側も海外のように、育児中にはフレックスタイム制にしたり、在宅勤務を利用するなど、仕事と育児の両立が可能になることを強く望みます!
まとめ
幼児期から児童期への変化に戸惑いや不安も隠せない時期になりますが、新しい生活に自信を持って取り組んでいけるように、周りの協力が必要だと言えます。
何でもできるようになったとはいえ、今までよりも周りの人間関係も広がり、複雑になっていき、子どもながらに体も心も疲れていることを忘れず、まず規則的な生活を心がけ、他者と比べずに、本人の意思を尊重し、間違っても否定をせずに認めてあげて、自立を促してあげましょう。
大人の行動もよく見ています!子どもの信頼を失わないような行いや発言をを心掛けないといけませんね!!