体もすっかり大きくなり、思考力もほとんど大人と変わらなくなるこの年頃の子供は、思春期に差し掛かり、心も体も青年に近づいていきます。また反面、子供っぽさも残るこの時期の子供の発達の目安と、それに伴う言語のアプローチなどを、海外の子育ての情報を交えながらお伝えします。

身体的発達

体つきは大人に近づき、身長、体重、座高などが急速に増える

個人差はありますが、特に男の子はこの時期身長が5~10センチ伸びます。この年齢は身長を伸ばすうえで最も重要な時期に当たります。

身長は骨の両端にある「骨端線」という軟骨の部分が膨張することによって伸びますが、15~16歳の思春期を終えるころはこの骨端線が閉じてしまい、そのあとは一般的に成長に欠かせない栄養バランス、特にカルシウムの摂取を心がけ健やかな成長を促進しましょう!

  • 身長・・・height
  • 体重・・・weight
  • 座高・・・sitting height

男子は筋肉量が増え、女子は体脂肪が増え、男女の違いが明らかに変わってくる

性ホルモンの影響で、女の子は「女性ホルモン」、男の子は「男性ホルモン」が作られるようになってきて、女の子は生理が始まる、乳房が膨らむ、男の子は体毛が増える、声変りをするなど、性的な見た目の変化が顕著になってきます。

特に女子は、初潮が始まるとホルモンの影響で体調やメンタルが不安定になりやすく、心配事も増えることがあるので、母親または同性の大人が相談に乗ってあげることが必要になるでしょう。

  • 初潮・・・first menstruation

情緒的発達

情緒的発達

情緒が安定し、豊かになる

個人差はありますが、思考力や感情の面で適応してきます。他者として相手を理解し、また他者も自分と同じような感情を持っているというレベルから、今度は自分以外の二者がどういう感情でどんな立場にいるのかを想像して、第3者としてトラブルを回避するように立ち回ることができるようになります。

こうした能力は対人関係で生じた葛藤を解決する力へとつながり、社会に順応していくための大切なスキルとなります。

  • 情緒が安定している・・・emotionally stable

大人の社会に対する憧れが強く、大人願望が目立つようになる

体もほぼ大人と変わらなくなり、また異性を意識する気持ちも強くなってくることから、「早く大人になりたい」気持ちが強まり、ネットやテレビ、雑誌の有名人や権力者に強いあこがれを持つようになります。

特に女子は、アイドルグループなどの服装やメイクなどを真似る傾向が出てきます。親が選ぶ服などを着ることを嫌がるようになりますよね!

上級生の自覚が出てくる

最高学年になったり、中学へ入学することへの意識から、学校での生徒会活動や部活動でのリーダー的役割に責任感を持って取り組む姿勢が見えます。みんなで考え、討議して問題を解決しようとする頼もしい姿を見ることがあります。

抽象化、概念化が出来るようになり、言葉や表現力も豊かになる

現実の具体的なことだけでなく、「もし~ならば」といった架空の物事や抽象的な概念についても考えられるようになります。

仮説を立てて物事を考え、それをもとに問題を解決していこうとして、次にもっとも正しい解決に至るように論理的に調べていくといった作業を繰り返しすることによって、次に起こりうる新しい問題に対処することをスムーズにできる力が備わっていきます。これも個人差が大きく、また男女でも差があるといえましょう。

手足を使う技能に優れて、根気がいる仕事や細かい仕事に対応できるようになる

美的感覚に優れてくるのと同時に、集中力も長時間持続し、模型を作ったり、イラストを描いたりするアーティスティックな才能を見せる子供もいます。大人顔負けの作品を発表し、周りを驚かせることも!!

社会的な正義感も強まる一方、自分の利己主義的な行動も肯定する考え方をすることがある

例えば、順番を守らなければならない、というルールは守らなければいけないということは理解しているけれども、「今は急いでいるから仕方ない」というような、大人が時々犯してしまう、自分さえよければという行動を真似してしまい、「大人がやるから」という言い訳をすることがあります。

これは私たち大人がきちんと見本を見せなければいけないことを物語っていることかもしれませんね。

  • 利己主義・・・egoism

親と距離を取りたがるようになり、秘密を持つようになる

何でも親に話をしていたのに、言葉数が減り、悩み事や相談事は友達に話すようになります。

高学年になると何か聞いても「知らない」「関係ないでしょ」とか言われて寂しい思いをしたことはありませんか?しかしこの「親に秘密を持つこと」も、親に見つからないように自分で考え、行動を起こす表れであり、自立心や自制心といった成長の表れであるとも言えます。

逆に、なんでも親に聞いて、親の言うとおりしかできない子だとそれもかなり問題といえますよね?親から離れて何かを試して学習していることではありますが、しかしそれはやはり子供が子供の判断でやること。明らかに間違っていることや、ルール違反な行動をしたときは、しっかりと話をし、軌道修正をする必要はまだまだあるといえるでしょう。

  • 秘密を持つ・・・have a secret

不登校の問題

小学校高学年から、中学にかけて不登校はどんどん数を増してきています。友達との人間関係、教師との関係、いじめ、学力不振など理由は様々で、これらの要因が複雑に絡み合っていることが多いようです。

子供が学校に行きたくない、行ける状態ではない場合に無理やり登校させようとしたり、子供を問い詰めたりする大人の言動は、事態を悪化させることになりかねません。学校やカウンセラーに相談しながら対処していき、必要であれば自宅学習に変える、通信制やフリースクールへの編入や転校をさせる、などの対処をするべきではありますが、現実問題として当事者の保護者と学校側の円形がうまくいかないことが多く大きな社会問題になっているといえます。

海外の子育て事情

海外の子育て事情

フィンランドは不登校という言葉がない?

フィンランドでは、移民や難民などをはじめ、言語や文化に慣れることが出来ず、学校に通えない子などもいるため、いろいろなサポートを実施しています。この国では、不登校の問題は通えなくなった子供や、学校や教師に責任があるという考え方ではなく、その子に合った学習環境を整えるべきだという考え方を大切にしています。

例えば、集団の環境が合わずに通常の授業が受けにくい子には、「少人数学級」という施設が校内にあり、週何日通常学級に通い、少数学級に何日通う、などは専任のカウンセラーと相談しながら、自分のペースで決めることが出来ます。

また、勉強についていけなくて授業に遅れを取っている子供に対して、一時的に集団から個別指導に移行するシステムもあります。これは、わからないままにしておかないように、低学年の時から取り入れられていて、サポートはATといわれる”アシスタントティーチャー”が丁寧に指導してくれます。

また、地域の中に「ユースセンター」というコミュニティー施設があり、そこでは自由に料理が出来るキッチン、ゲーム、卓球台、ビリヤードなどの娯楽施設などが完備され、スタッフが話し相手や遊び相手になって、子供たちの心のケアのサポートをしています。このユースセンターは、行政が管轄しているため無料で活用できます。

日本ではまずこのような施設に国の予算がないうえ、出席扱いにならなかったり、フリースクールは非常に授業料が高くて一般的に利用しにくいなど、問題が山積みです。

フィンランドは、「環境に合わずに学校に来れない子供が悪いのではなく、周りの環境を整えてあげることで、その子供もほかの子供達と同じように学べる」という考え方で、北欧に浸透している「子供は国の宝」ということを国家を上げて実践しているのだと思われます。

スマホのトラブル、どうしてる?

スマホのトラブル、どうしてる?

データによると、小学6年生の約半数が自分専用の「スマホ」や「ケータイ」を所有しているそうです。現代では、塾や習い事で帰りが遅くなる場合などで、安全のためにも必需品になりつつあると言えるかもしれません。

しかし、スマホのトラブルも年々増加しています。思わぬ事件やトラブルに巻き込まれないためにも、スマホの特性や危険性を十分理解させなければなりません。

例えば、

  • 親もスマホを使用しすぎない。
    (子供は親を見本にしています)
  • フィルタリングをかける
    (利用時間の制限、有害サイトからの回避、年齢に応じたアプリの選択)
  • スマホのルールを作り、守ることを約束させる。

そして何より気を付けたいことは、「お互いにスマホを見ながらしゃべらない」ことでしょう。特に子供が聞いてほしいことを話しているのに、スマホの画面を見たまま、という親も少なくはありません。子どもが親に関心を示してもらうことで、安心し、自信を持っていけるのだということ、親は子供が大きくなっても、身近な一番の見本だということを忘れてはいけませんね!

まとめ

中学校に入学する前の年齢は、自分が大人になる前の期待と不安がいりじまった時期といえましょう。もう一人前の大人として接してみても、まだ幼い考えから失敗をしたり、落ち込んでしまったり、それが深刻な問題になりうることも、他人事ではありません。

干渉しすぎず、しかし、必ず戻れる場所があるのだという安心感を与えてあげること、難しいことですが、自分もそういう時期を過ぎてきたことを思い出して大人の階段を上る子供の姿を応援してあげたいものです!