ブラジルというと、陽気な国、危険な国、カーニバルの国、サッカーの国、など印象は様々ですよね!広大な土地に、とても人口が多いブラジルは、日本とも昔から強い結びつきがあります。そんなブラジルの文化や、歴史に触れながら、ブラジルの英語教育はどのように行われているのかをご紹介しましょう!

英語を第二外国語として学習する国々の教育法  ~ブラジル~

国名

ブラジル連邦共和国。 英語でFederetive Republic of Brazil。

首都はブラジリアで、その面積は851.2万平方キロメートルで、日本の22.5倍です!!

人口が約2億40万人で、現在も増え続けています。

日本とのつながり

1895年に初めて日本とブラジルが外交関係を樹立してから、120年以上の友好的な関係が続いています。

1908年に最初の移民開始から1973年に移民船による移民を廃止するまでに、ブラジルで暮らしていた日系ブラジル人は現在では子孫が5世、6世になっているといわれます。

日本人移民の子弟や、日系ブラジル人の教育の必要性が出てきて、1915年にサンパウロ市内に、ブラジル初の「日本人学校」設立されました。その後は各地に「日本人学校」が作られて、1930年代にはブラジル全土に200を超える日本人学校が出来ていきました。

日本の高度経済成長を受けて、トヨタ自動車や東京海上日動火災保険、パナソニックやNECなどの多くの日本大手企業がブラジルに進出していき、1973年にブラジルへの日本人移民が廃止されるまでに、日本の経済や文化は、ブラジルに大きく根付いていきました。

現在でも日系ブラジル人の活躍はめざましいものです。

ブラジルの文化

コーヒー生産量が世界一

日本はコーヒーの輸入の約3割がブラジルです。また、ブラジル国内でも、コーヒーの消費量はアメリカに次いで2番目に多いようです。ブラジルでは、「カフェジーニョ」という、とても濃いコーヒーに砂糖をたっぷり入れるのが主流です。

フルーツ天国ブラジル

温暖な気候と、広い国土のブラジルでは、たくさんの南国フルーツが作られます。「ブラジル人の朝はフルーツから始まる」と言われるほど、パパイヤ、マンゴー、パッションフルーツ、すいか、オレンジなどを食べたり、ジュースにして飲んだりします。アマゾン原産のガラナといった甘い果物を使ったジュースも、好まれて飲まれています。

肉好きブラジル人

ブラジルは肉牛の生産が多く、食卓には豚や鶏肉と同様、牛肉も多く使われます。ブラジルのバーベキュー、「シュラスコ」は有名ですが、あのように大きな塊の肉を、日常的にキロ単位で購入するというから、ちょっと驚きます。

世界屈指のサッカー王国

ブラジルと言えばサッカー、サッカーと言えばブラジル。サッカーはブラジルを代表するスポーツであり、サッカー選手は子どもたちが将来なりたい憧れの職業でもあります。サッカー選手で有名になれば、たくさんお金が稼げて、家族を楽にすることが出来るという理由も、ブラジルの人々の生活を表しているのかもしれません。

サンバのリズム「カーニバル」

世界的に有名なブラジルのお祭りですね。元々は「謝肉祭」と言われるカトリックのお祭りで、ブラジル各地で3~7日間行われます。特に有名なのが「リオのカーニバル」で、大きな羽などを付けて、着飾ったダンサーたちが夜通し踊りまくります。興奮しすぎた人たちが、時に犯罪を起こしたり、事故があるというのが当たり前のことになっているのもすごいですよね!

ブラジルの言語

ブラジルの言語は、南米諸国の中で唯一スペイン語ではなく、ポルトガル語です。

空港や大きなホテルなどは英語を話すスタッフもいますが、ブラジル国内ではポルトガル語で溢れています。

また、ポルトガル語とスペイン語は文法や語彙が似ているので、ある程度通じ合えるようです。

ブラジルの教育

ブラジルの教育

ブラジルの教育制度は日本と似ています。

初等教育(日本の小・中学を合わせたようなもの)

6歳~14歳の9年間が義務教育で、11歳から14歳の5年生から8年生を前期中等教育と言います。

高校(後期中等教育)

3年間で、普通科のほかに技術学校も存在します。

大学(高等教育)

大学入試があり、合格すれば進学します。学部は4年から6年になります。

授業は一日中あるのではなく、午前と午後の2部制になっていて、家庭の事情でどちらかに出席すればよいので、おのずと授業時間は少なくなっています。音楽や図工などの芸術系の授業はほぼ行われないそうです。

学費が無料!

公立であれば、大学まで無料です! そして貧しい子供も通えるように、給食も無料となっています。私立は授業料も高く、多種多様です。

公立の大学は試験が難しく、私立はお金がかかるため、ブラジルでは大学に行くことが困難な状態であると言います。

そのため、大学が定員割れをしているという、社会問題が起きています。

ブラジルの格差社会

ブラジルは人種差別こそないものの、所得の格差がはっきりとしています。

裕福な家庭の子供は、幼稚園から高校までを高額な私立校に通わせて、塾や習い事をさせ、そして学費が無料の上レベルの高い国立や州立大学を目指します。そして最高の環境で勉学に励み、一流企業へ就職をする、といったエリートコースを歩むことが出来ます。

一方、貧困層の家庭の子供はどうでしょう。トイレが壊れていたり、パソコンやテレビ、エアコンも完備されていない公立の学校は、環境も悪ければ、授業の質も悪いのです。

というのも、ブラジルは公立校の教師の給料がとても安いので、質の高い教師を獲得するのが難しい現実があるのです。

また、貧困層の子供は家計を助けるために働きに出なければならず、学業を途中であきらめてしまうといったことも珍しくないようで、「生まれた環境で人生が決まってしまう」といっても大げさではないのかもしれません。

ブラジルの英語教育

ブラジルの英語教育

ブラジルの英語レベルは、正直言ってそう高くありません。

100国中53位で、ちなみに日本は55位ということからも、日本のレベルとそう変わらないと言えるでしょう。

ブラジルの義務教育は6歳から14歳ですが、英語が導入される年齢は11歳から17歳。ということは、義務教育で英語を学習するのは約4年間ということになります。

英語格差が大きいブラジル

ブラジルの教育制度のところで触れたように、ブラジルは低所得者は公立校、中流以上や富裕層は私立校に通う傾向にあります。

富裕層は「英語を習得して世界で通用する仕事に就く」ためにも、留学をしたり、高いレベルの英語教育を受けている学生も多くいます。

言えることは、ブラジルは英語力と経済力が密接に関わっているということでしょう。つまり、人によって(経済力によって)非常に高い英語力を持つ人もいれば、まったく話せない人もいるというわけです。

ブラジル英語の特徴

ブラジル人の英語は、ポルトガル語の影響を受けた独特の訛りがあります。

ブラジルの英語は子音に「i」が付くことが多いです。

New York であれば、「ニューヨーク」でなく「ニューヨーキ」、dogだと 「ドッグ」でなく「ドッギ」のように聞こえます。

しかしながら、富裕層の学生はおもにアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏に留学するため、比較的聞き取りやすいきれいな英語を話す人が多いようです。

日本で働くブラジル人

日本で働く外国人労働者の出身国ランキングでは、ブラジルは4位になっています。

ブラジル人が採用される職種は、エンジニア、貿易関係、通訳・翻訳、マーケティングなどが多いようです。

日本で働く条件としては、英語は必須か、日本語と英語をある程度話せるかのパターンに分かれていて、英語レベルは高くなくてもコミュニケーションが取れるレベルではあるようです。

まとめ

陽気でおおらかなブラジル人、また、日系ブラジル人の活躍はめざましく、日本でも留学や出稼ぎにくるブラジル人が非常に多く存在しています。ブラジルは英語力と経済力が密接に関わっているのも驚きでした。ブラジル人のますますの活躍を祈っています。