近年、K-POPアイドルの人気や、韓国ドラマのヒットなどで、韓国がとても身近になっています。お隣にあって、わかっているようでわからない、「韓国」の世界進出の秘密は何なのでしょうか?歴史や文化などに触れながら、考えていきましょう!

英語を第二外国語として学習する国々の教育法 ~韓国編~

国名

国名は漢字表記で「大韓民国」 英語ではSouth Koreaです。首都はソウルで、ソウル首都圏には全人口5千万人の約半数が居住していて、世界の都市圏人口の順位で第5位となっています。

韓国のカルチャー人気

最近は世界的にもブームを起こしているK-POPですが、日本でも若者たちが夢中になっていますよね。

このさきがけが、2003年に爆発的ブームになった「冬のソナタ」です。「韓流」という言葉が生まれました。この「韓流」というのは実は中国語で「韓国の」という意味で、「韓流」は日本で使われ始めた言葉なのです。

その後の2002年の日韓ワールドカップ、そして2003年の「冬ソナ」や2005年の「宮廷女官チャングムの誓い」のヒットなどで第一次韓流ブームが起こり、多くの韓国タレントも日本で活躍しました。それに続き、2011年、少女時代やKARAなどのKーPOPが日本の若者に支持され第2次韓流ブームとなります。2010年代の後半は、韓国料理や韓国コスメが人気になり、第3次ブームに。そして現在は、BTSなどのK-POPグループが世界的に人気を博し、第4次韓流ブームとなっています。このK-POPブームの影響から、韓国語を学びたいという人が激増しているそうです。

韓国の教育

韓国の教育

韓国の義務教育

日本と同じ6~15歳が義務教育になります。

公立は授業料が無料で、数も公立が圧倒的に多いのですが、韓国にも有名な私立校があり、高い競争率と高額な学費ですが人気を博しています。

しかし、住んでいる地域の私立中学校に通わなければならないなどの規制があり、そのために家を引っ越す人達も少なくないと言います。

また、中学受験はないものの、小学校の成績が進学や就職などに大きく関わっているため、早い時期からスパルタ教育が行われています。

高校受験がない

高校も受験はありません。

入試試験がある学校は以下のような学校です。

  1. 特殊目的高校・・・芸術、スポーツ、外国語などに特化した英才教育を行っている高校
  2. 自立型私立高校・・・韓国に約40校
  3. 科学英才学校・・・韓国屈指のエリート校。理数系や外国語などの文系に強く、国家的にエリートを育成するという

目的で作られている。

以上の高校は受験があり、非常に高い受験戦争を勝ち抜かなければなりません。

そして、韓国の高校生は4年制大学に95%以上が進学するというので、学歴で将来が決まると言っても過言ではないようです。

韓国の徴兵制度

韓国では満19歳以上の成人男子すべてに兵役の義務が課せられます。

韓国の男子学生は入隊のため、大学1年~2年生の時に休学する場合が多いのです。

その間は学費は必要ありませんが、近年韓国の少子化で兵役に行く男子が急激に減り、韓国の軍力が保たれなくなるのではということからも、徴兵制度がなくなるのではないか?という懸念があります。

大学受験戦争”スヌン”

スヌンとは、韓国の「大学就学能力試験”通称スヌン”」で、日本でいうセンター試験のようなものです。

韓国ではこの得点次第で志望大学はもちろんのこと、将来の進路までを左右するものとされて、このために激しい競争が繰り広げられます。

この日は韓国社会が受験生の応援に当たり、交通渋滞の整理や、バスの増便、遅れそうな受験生はパトカーや白バイで送ってもらえるといったほどなのです!

韓国の英語教育

韓国の英語教育

韓国では、1997年から小学校3年以降英語が必須科目となりました。(2008年からは小学校1年からスタート)

韓国の有名企業に就職するには、最低でもTOEIC850点以上、また留学経験は当たり前と言われるほど高い英語力を必要とされているため、「英語の早期教育」が大きく叫ばれるようになりました。

2000年以降、義務教育を受けている小・中・高校の子供の38%が海外留学を経験しているデータがあるほど、特に小学生の割合が多くなっています。

この小学生の留学には、母親が同行するのが一般的ですが、これが家庭不和を起こす原因になっているという問題も生じています。

この海外留学は富裕層の子供たちのケースで、ほとんどの子供たちは、英語塾で週3~5日、時間にして一日3~6時間の時間を使い、ネイティブ講師から英語のみを使ったレッスンを受けています。

指導内容も、文法やライティング、リーディングはもちろん、小説やニュースを原文で読んで、それについてディスカッションしたり、SATというアメリカの大学入試共通テストの模試を行うなど、非常にハイレベルな授業内容になっています。

韓国の英語エリートたちが目指すのは、ハーバード大やイェール大学などの超一流大学で、2013年のハーバード大学では、国別在籍者数が中国、カナダに次いで第3位に入るという急速な成長を成し遂げているのです。

このような傾向から、韓国社会がグロ-バルエリートを多く輩出しているという事実が伺えます。

韓国の英語教育の特徴

韓国の英語教育は、子供のころから丸暗記なものではなく、コミュニケーションを重視した内容になっています。

特に小学生の間は「体験的授業」が主に行われ、手紙を英語で書いたり、買い物や空港に行ったときに使われる英語など、生活に密着した英会話を学んでいきます。

以前は「英語キャンプ」などが人気だったようですが、現在では「オンライン英会話」が主流となり、様々な企業が、質の高いカリキュラムを提供し、人気だということです。

こうした熱心な英語教育の成果は、韓国では小学校6年で日本の中学2年レベルを終了するというのですから、この10年ほどで大きく日本と差がついているといってもいいのではないでしょうか?

受験戦争による社会問題

感情表現が激しいと言われる韓国人ですが、韓国統計庁の発表によりますと、2020年の韓国の自殺による死亡者は1万3195人で、経済協力開発機構OECDでは、OECD加盟国でトップという悲しい結果が出ています。年齢別にみると、10代、20台が圧倒的一位でした。

とりわけこの厳しい受験戦争が小学校から始まる韓国では、子供たちが極度の睡眠不足と疲労、ストレス状態に陥って、受験のプレッシャーから自殺する若者が毎年増加の一途をたどっていると言います。

また、受験のストレスや親からのプレッシャーからゲームに依存したり、家庭内暴力なども起きていると言います。カウンセラーを設置するなどの対策は行っているようですが、この「受験戦争」による若者の戦いは、韓国の大きな社会問題にもなっているのです。

まとめ

お隣でとても近い韓国。韓国ブームは今後も続くでしょうし、同じアジア人として互いを尊敬しあい共有しようとする若者たちのエネルギーが、両国を強く結びつける礎になるのではという期待も持てます。

次世代を担う子供たちが、近年のグローバル化の原動力になることを願っています。