小学校での英語教育が必須科目になり、グローバル社会に向けて自分の子どもを「バイリンガルキッズにしたい!」と思うお父さんお母さんが急増しています。

「でも日本は単一言語社会だから、バイリンガルに育てるのは無理じゃないかしら?」とあきらめていませんか?

いろんな情報がありますが、保護者から多い問い合わせにお答えしたいと思います!

バイリンガル【bilingual】とは

バイリンガル【bilingual】とは「二言語を自由に使いこなすこと。またその人」を指します。

2か国語以上話せる人、3か国語は トライリンガル(Trilingual)、4か国は クァドリンガル (Quadrilingual)、5か国語はペンタリンガル(Pentalingual)、そして5か国語以上になると、「多言語」を表す マルチリンガル( Multilingual )と呼ばれます。

マルチリンガルといわれる有名人は、ディーン・フジオカ(日本語・英語・中国語・広東語・インドネシア語)、中谷美紀(日本語・英語・フランス語・イタリア語)、鈴木亮平(日本語・英語・中国語・ドイツ語)、金城武(中国語4か国、日本語、英語)、川島永嗣(日本語・英語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語・オランダ語)などがいます。

バイリンガル(英語)が必要な理由

バイリンガル(英語)が必要な理由

教育のグローバル化

お子さんが小さい方には、まざずっと先のことのように思えるでしょうが、近年の入試制度が変化しています。

今までの「大学入試センター試験」がなくなり、「大学入試共通テスト」になりました。

何が変わったのかというと、今までの知識の詰込み型教育であった試験から、思考力や表現力、判断力が問われるもので、身に着けた知識を使って自分から問題を見つけてそれを分析し、答えを導いていくという形式のテストになっています。

従来の「丸暗記」勉強では役に立たない、ということになりますね。

具体的には、

  • 一般入試→ 一般選抜
  • AO入試→ 総合型選抜
  • 推薦入試→ 学校推薦型選抜

という風に名称が変わり、「知識・技能」「主体性・多様性・協調性」「思考力・表現力・判断力」「学力の3要素」で評価されるようになります。

特に英語の出題内容や配点が変わり、以前の大学入試センター試験では「筆記200点、リスニング50点」の配分だったのが「リーディング100点、リスニング100点」となり、時間は同じなので早く問題を読み答えなければ時間が足りなくなってしまいます。 TOEICやTOEFL方式になっている感じですね。

海外の試験のように、総合的な英語力、英会話能力が必要になっていくということです。

仕事や日常生活に英語が必須になってくる・・・ニュースで大きく取り上げられて、ご存じの方も多いでしょうが、日本の「楽天」「ユニクロ」「日産」「シャープ」などの大企業で、社内公用語を英語にするといった動きが増えてきました。

会社に多くの外国人社員を採用する大手企業も増え、仕事をするうえで英語ができるのは当たり前、というスタンスになってきているのです。

大企業ばかりではありません。 少子化による人手不足で、海外からの労働力を必要にする地方の工場や中小企業、また、インターネットの普及で海外との取引も通常になって、英語での取引や書類作成などのスキルがないと、仕事ができなくなってくるのです。

国際バカロレアの導入

2013年に始まった新しい教育プログラムで、1968年にスイスで設立された非営利団体、国際バカロレア機構によって運営されている、3歳から19歳までの総合的な教育プログラムのことです。

内容は、

  • プライマリ・イヤーズ・プログラム(PYP)ー3~12歳、幼稚園~小学校
  • ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)ー11~16歳、中学校
  • ディプロマ・プログラム(DP)ー16~19、高校

の3段階に分かれていて、世界統一学力を目的として作られました。

わかりやすく言いますと、どの国にいて学んでも、同じ基準で学力その他が評価されるプログラムで、国際バカロレア認定校を終了した生徒には、世界共通の大学入試資格と成績証明書が与えられるということになります。

日本でもインターナショナルスクールや、バイリンガル教育導入を行っている学校などで導入が進んでいます。

以上のような理由から、バイリンガル(英語)がますます必要になってきているのが事実なのです!

英語4技能評価の導入

2017年、日本の文部科学省が英語4技能評価を導入し、大学入学者選抜においても4技能を適切に評価するため、外部検定試験を活用することを発表しました。

それ以前も2006年からセンター試験にリスニング試験を実施するなど、高校段階での英語教育の成果を適切に評価しようとする工夫が重ねられてきましたが、リーディングとリスニングの2技能しか評価できていないという課題がありました。

そこで、英語のライティングとスピーキングの能力も評価するため、外部検定試験の活用が始まりました。

具体的には、実用英語技能検定などを通して、資格の取得が推奨されており、高校入試では実用英語技能検定3級や準2級の資格、大学入試では英検2級以上の資格の取得が、評価されるようになってきています。

実用英語技能検定は略して「英検」と呼ばれていますが、それ以外にも、ケンブリッジ英語検定、IELTS、GTEC、TEAP、TOEFLなど、国が推奨する英語技能検定はあります。各資格・検定試験とCEFRとの対照表があり、CFERの基準を満たすように勧められています。

CFERとは、Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment:外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠の略です。CFERは、語学シラバスやカリキュラムの手引きの作成、学習指導教材の編集、外国語運用能力の評価のために、透明性が高く、分かりやすい、包括的な基盤を提供するものとして、20年以上にわたる研究を経て、2001年に欧州評議会が発表したものです。A1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階の評価基準があり、C2が一番高い評価です。

昨今の実用英語検定の試験結果にも、この評価は記載されています。例えば、英検1級に合格しても、C1かB2の評価となり、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能について、それぞれC1かB2の評価が細かく書かれています。4技能総合ではC1の評価がついていても、4技能のどれかにB2がついていたりして、少しショックを受けたりします。

近年の実用英語検定の試験結果がお手元にある方は、CFERの評価について、ぜひ確認してみてください。

バイリンガルキッズのメリット 

バイリンガルキッズのメリット 

今の子どもたちの近い将来に英語が必須なのはわかりましたね。

仕事や入試に有利だというほかに、バイリンガルになったらどんなメリットがあるのでしょうか?

1.異文化【foreign cultures】を理解し、広い視野で判断ができるようになる

単一民族国家である日本は、ときに長いしきたりや常識にとらわれ物事を見る目が狭くなってしまうことがあります。

異文化に触れることで、物事をひとつではなく多角的にとらえることができ、判断をすることができるようになります。 また、差別感もなくなり、いろんな人種や風習を理解する心も生まれます。

2.脳の力が発達をする

2か国語以上を習得すると、神経の刺激により記憶力や判断力が強化され、加齢による衰えが遅くなる、という研究結果が出ています。自分の意思をはっきり伝え、自己肯定を高めるのにも役立つのです。

3.学校や仕事の選択肢【choices、options】や可能性が増える

英語ができると、留学や海外への進学も可能になります。また、海外の企業に就職したり、海外への転勤などにも対応できるというのは、企業にとっても戦力になるのは間違いありません。

グローバル化がますます進んでいるので、仕事で英語を使う機会も増えてきています。AIを使った自動翻訳が利用できる時代にはなっていますが、その自動翻訳が本当に正しいのかをチェックできるのは人間です。

言語による語順の違いや主語を省略する傾向などもあり、自動翻訳による間違いに遭遇する場面が今後ますます増えるでしょうし、その間違いに気付ける人材が採用されやすくなることが予想されます。

このように、バイリンガルであることは社会に出る時も大きな武器になり、子どもにも大きな自信につながると言えるでしょう。

バイリンガルキッズにするにはどうしたらいいの?

バイリンガルキッズにするにはどうしたらいいの?

こうなってくると、バイリンガルにしないわけにはいかない?という気持ちになりますね。

でも実際英会話教室に行ったり、家で英語を取り入れてみても、なかなか成果が出ないのが悩みの方のこんなご質問Q&Aの例を見てみましょう!

Q:バイリンガル教育は何歳から始めたらいいでしょうか?

A:英会話教室によっては、「0歳から始めます」「おなかの中にいる時から英語を聞かせるといい」というところもあります。

しかし、アメリカの研究によると、1歳未満の赤ちゃんは音は認識しますが、聞きなれない外国語は雑音のように聞こえるらしいのです。

小さい子どもの言語学習には、最も適した年齢の時期、「臨界期【critical period】」というものがあり、この時期に学習すると最大の成果が期待できるといいます。

その時期は個人差はありますが、一番言葉を覚える2~5歳に時期にスタートするのをお勧めします。もちろん日本人ですから、日本語も同時に伸ばしていける年齢です。

Aさん
I’ve heard about the critical period for children. 
訳)私は子供の臨界期について聞いたことがあります。
Bさん
It is said that  human brain has an appropriate period to learn, and after that period, learning becomes very difficult.
訳)人間の脳には学習するのに適切な時期があり、その時期を過ぎると学習が非常に困難になってしまうと言われています。
Aさん
The critical period varies from person to person, but it seems that language learning can be more efficient if they begin between the ages of 2 and 5.
訳)臨界期は人によって個人差がありますが、言語学習は2歳~5歳の間に始めると、効率よく言語を学べそうです。

Q:親が悪い発音の英語を話すと、変な英語を覚えてしまいませんか?

A:よく言われる質問です(笑)。「絵本を読むのがいいとわかっているけど、ママが英語が下手だから・・・」とおっしゃいます。

ネイティヴの発音を聞かせる機会なら、例えば英会話スクールやインターナショナルスクールに通う、また今はYoutubeなどのたくさんの英語教材が身近にあります。ママの発音うんぬんより、子どもは「ママが絵本を読んでくれる」「ママも英語が好きなんだ」と思うのはうれしいことなんです。それに、自分も一緒に学ぶ機会でもあるのですから、親子の英語タイムを十分に楽しんで欲しいです!

親による絵本の読み聞かせもいいですが、ネイティブの発音を聞けるアプリや教材はたくさんあります。そういったアプリや教材をぜひ活用して、お子さんのリスニング力をアップしていきましょう。

Q:バイリンガル教育にすると、子どもが混乱しないのでしょうか?

A:バイリンガルの子どもは、日本語で話すときは日本語の文法、英語で話すときは英語の文法を使い分けることができるという研究結果もあります。

例えばリンゴを見たときに、普通「リンゴ」か「apple」どちらかしか浮かばないものが、バイリンガルの子どもには脳の中に両方の単語が浮かぶような感覚ですね。日々日積み重ねで語彙が増え、相手によって使い分けることができるようになるんです。

Aさん
I’ve heard about the critical period for children. 
訳)私は子供の臨界期について聞いたことがあります。
Bさん
Any person can master their native language by learning it from their childhood. In the same way, you will be successful if you start learning a second language, such as English, from your childhood.
訳)どんな人でも子供の頃から学んでいると、母国語を習得できます。それと同様に、英語などの第2言語も幼児の頃から学習し始めると、成果が出るでしょう。

まとめ

一昔前は、「英語できたらカッコいい!」程度のものだったのが、こうして見てみると本気で取り組まなければいけない気持ちになります。

海外は多民族社会も多く、英語ができないと生活が成り立たないため、2か国語、3か国語が珍しいものではない中、正直日本の英語レベルはまだまだだといえます。

子どもの未来のためにも、「バイリンガル教育」を始めませんか?

これからの努力次第で、英語が生活の一部になるような時代が、すぐそこまできているのですから…!