法人が従業員のために提供している福利厚生にはさまざまなものがありますが、福利厚生を提供するために負担した費用は、課税の対象となる場合とならない場合があります。

そこで、今回は、福利厚生の税制上の取り扱いについて、英語教育を例にして具体的に解説します。さらに、法人向けのおすすめの英語教育についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

福利厚生とは

英語系福利厚生の具体例

福利厚生とは、法人が雇用している従業員に対して提供するサービスや制度のことであり、大きく分けて法定福利厚生と法定外福利厚生の2つがあります。

ここからは、法定福利厚生と法定外福利厚生について、それぞれ具体的に見ていきましょう

法定福利厚生とは

法定福利厚生とは、法律によって従業員に対して提供が義務付けられている福利厚生のことです。法定福利厚生は、根拠となる法律ごとに具体的な内容が定められています。

たとえば、健康保険法によって定められている福利厚生は、健康保険です。健康保険とは、従業員を被保険者、法人を保険者とする保険制度であり、すべての法人に対して加入が義務付けられています。

また、労働安全衛生法によって定められている福利厚生は、健康診断です。法人には、自身が雇用している従業員に対して、定期的に医師による健康診断を受診させることが義務付けられています。

法定外福利厚生とは

法定外福利厚生とは、法定福利厚生のように法律で義務付けられているのではなく、法人が雇用している従業員に対して独自に提供する福利厚生のことです。法人が自由に内容を決めて提供できるため、法定外福利厚生にはさまざまなものがあります。

たとえば、従業員のメンタルヘルスをサポートするための福利厚生として、専門家によるカウンセリングサービスやストレスチェックなどがあります。

また、従業員の自己啓発のための福利厚生として、従業員に対する研修や教育支援の提供などがあります。

福利厚生と税制上の取り扱い

福利厚生とは?

福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2つがあることはこれまで見てきたとおりです。法定福利厚生と法定外福利厚生は、それぞれ内容が異なるだけでなく、税制上の取り扱いも異なります。

まず、法定福利厚生を提供するために法人が負担した費用は、その全額が福利厚生費として扱われます。福利厚生費とは、法人の課税所得を計算する際に、法人の収益から控除できる損金として計上できる費用のことです。

福利厚生費は損金として計上できるため、課税対象にはならず非課税になります。したがって、健康保険や健康診断などの法定福利厚生を提供するために法人が負担した費用については、全額が福利厚生費として損金に計上できるため、課税の対象になりません。

次に、法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用は、法定福利厚生の場合と異なり、常に全額を福利厚生費として損金に損金に計上できるというわけではありません。法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用については、福利厚生費として損金に計上するために一定の要件を満たす必要があります。

要件を満たせなかった場合、負担した費用は従業員に対する給与や交際費などの課税対象として扱われることがあります。

ここからは、法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用を、福利厚生費として損金に計上するために必要な要件について、具体的に見ていきましょう。

福利厚生費として損金に計上するための要件

法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用を福利厚生費として損金に計上するためには、大きく分けて4つの要件があります。

要件①

1つ目の要件は、福利厚生規定にしたがって費用負担をすることです。福利厚生規定とは、福利厚生に関する内容などについて、法人自らが設定する条件のことです。

負担した費用が福利厚生規定にしたがったものである場合にはじめて福利厚生とみなされるため、福利厚生規定が存在していなかったり、規定に反したりする場合は、そもそも福利厚生とはみなされません。

要件②

2つ目の要件は、すべての従業員を対象としていることです。福利厚生は、法人で働く全従業員のために提供されるサービスや制度であるため、特定の従業員のみを対象とした場合は、福利厚生とはみなされないでしょう。

要件③

3つ目の要件は、現金支給ではないことです。たとえば、法定外福利厚生を提供するための費用を、法人が手当金の名目で従業員に対して現金で支給した場合は、従業員に対する給与とみなされて、課税の対象になるでしょう。

そのため、従業員に対して現金を支給するのではなく、従業員が負担すべき費用の全額や一部を法人が負担して代わりに支払う必要があるといえます。

要件④

4つ目の要件は、負担した費用が妥当な金額であることです。法人が負担した費用が高額になると、法定外福利厚生の費用とみなされず、課税される場合があります。

福利厚生で活用する英語教育の税制上の取り扱い

これまでは、法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用を、福利厚生費として非課税にするための要件について解説してきました。ここからは、法人が福利厚生として英語教育を取り入れた場合に、税制上どのように取り扱われるかについて見ていきましょう。

英語教育は、法人に対して法律で義務付けられているものではないため、法定福利厚生ではなく法定外福利厚生となります。そのため、従業員が英語教育を受けるための費用を法人が福利厚生として負担する場合には、基本的には課税の対象となりますが、要件を満たすことで福利厚生費と扱われ、非課税となります。

たとえば、全従業員を対象として、各従業員がTOEICや英語検定などの英語資格を取得するためにかかった費用や、法人の業務に関連する英会話レッスンを受講するための費用を会社が負担した場合、負担した費用は福利厚生費として扱われ、非課税になります。

しかし、従業員に対して、英語資格の取得にかかった費用を現金で支給したり、業務とは関連のない日常的な英会話レッスンの費用を法人が負担したりした場合は、福利厚生費とは扱われず、課税対象になることがあるのです。

また、法人が費用を負担して従業員に対して英語研修をする場合は注意が必要です。英語研修の扱いは研修内容によって異なり、福利厚生費として損金に計上できる場合がありますが、基本的には英語研修にかかった費用は福利厚生費ではなく研修費とみなされるため、留意しておきましょう。

福利厚生でおすすめの英語教育

福利厚生でおすすめの英語教育

英語教育の内容や方法によっては、負担した費用を福利厚生費として損金に計上して非課税にできることは、これまで見てきたとおりです。英語教育を非課税で取り入れられることを知った方のなかには、英語教育を取り入れたいものの、数多くある英語教育を提供するサービスのなかからどれを選べばよいのかと、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

kimini英会話は、おすすめの英語教育の方法のひとつです。

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また、法人向けの契約プランとして、全従業員やその家族がお得な価格で利用できる福利厚生プランが用意されているため、福利厚生プランを活用すれば、法人が負担した費用を福利厚生費として損金に計上することも可能になります。

まとめ

今回は、福利厚生と課税の関係を踏まえて、英語教育の税制上の扱いについて解説しました。

福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があり、かかった費用は福利厚生費として損金に計上することで非課税となります。ただし、英語教育を含む法定外福利厚生を提供するために法人が負担した費用は、一定の要件を満たさないと課税対象になることには注意が必要です。

また、記事の最後では、従業員の英語力を高めるためにおすすめの英語教育の方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。