私たちが毎日出しているごみは、どこへ行くのでしょうか?
実は、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの 豊かな国(rich countries) では、ごみを国内で処理しきれず、発展途上国(developing countries)に輸出しているのです。
しかし、この国際的なごみの輸出は、新たな環境問題を引き起こしています。
世界のごみの国際輸出の実態
The State of the World’s International Garbage Exports
ごみはどこからどこへ輸出されるのでしょうか?
豊かな国々は、ごみをリサイクルや処理するために、別の国へ輸出しています。特に輸出されるのは プラスチックごみ(plastic waste)や電子廃棄物(e-waste) です。
主なごみ輸出国(Rich countries that export trash)
- アメリカ(USA)
- 日本(Japan)
- ドイツ(Germany)
- イギリス(UK)
主なごみ受け入れ国(Countries that import trash)
- マレーシア(Malaysia)
- フィリピン(Philippines)
- インド(India)
- インドネシア(Indonesia)
かつては 中国(China) が世界最大のごみ受け入れ国でしたが、2018年に「ナショナルソード政策(National Sword Policy)」を導入し、外国のごみを受け入れないことを決めました。
これにより、豊かな国々はごみの行き先を変える必要が出てきたのです。
ごみの輸出はなぜ問題なのか?
ごみの国際輸出は輸出する国にとっては便利かもしれませんが、受け入れる国にとっては 大きな負担 となっています。
① 環境汚染(Environmental pollution)
発展途上国では、ごみの処理技術が十分でないため、プラスチックごみが燃やされたり、海や川に捨てられたりすることが多く、深刻な環境汚染を引き起こしています。
② 健康被害(Health problems)
リサイクル工場で働く人々は、有害な化学物質や粉じんを吸い込むことで 呼吸器疾患(respiratory diseases) になったり、皮膚病を発症したりすることがあります。
③ ごみの不法投棄(Illegal dumping)
輸入されたごみの一部は、適切に処理されず 違法に放置(illegal dumping) されたり、不法に焼却されたりするケースもあります。
発展途上国が引き受けているごみ問題
Waste Problem being Undertaken by Developing Countries
発展途上国では リサイクルのため にごみを輸入していますが、実際には 適切に処理できないごみが多く、環境汚染や健康被害を引き起こしている のです。
マレーシアのごみ問題
- 中国がごみ輸入を禁止して以降、マレーシアには 大量のプラスチックごみ が送られるようになった。
- しかし、適切にリサイクルされるのはごく一部で、多くが 不法投棄や焼却 されている。
- 環境汚染を防ぐため、政府は違法なごみの輸入を取り締まり、送り返す動きを強化している。
フィリピンのごみ問題
- 2019年、カナダから輸入された 違法なごみのコンテナ が発覚し、両国の外交問題に発展。
- プラスチックごみの処理が追いつかず、一部は 海に流出 してしまうケースもある。
インド・アフリカの電子廃棄物問題
- 世界中の 古いパソコンやスマホ(電子廃棄物) の多くがインドやアフリカに輸出される。
- 有害物質を含む部品を分解する作業が 危険な環境 で行われており、労働者の健康被害が深刻化。
英語で考えるごみの国際輸出
International Export of Garbage in English
ごみの国際輸出について、英語で ディスカッションしてみましょう。
Question 1:
Why do rich countries send their trash to other countries?
なぜ豊かな国は自分たちのごみを他の国に送るの?
自分たちで処理したくないから
他の国に送ったほうが安いから
.
他の国がリサイクルできると思っているから
Question 2:
What problems do developing countries face because of trash imports?
発展途上国は、ごみ輸入によってどんな問題に直面している?
プラスチックを燃やすことで汚染が発生する
有害なごみで人々が病気になる
ごみが不法に捨てられる
Question 3
How can we reduce international waste exports?
ごみの国際輸出を減らすために何ができる?
自分の国で正しくリサイクルする
プラスチックを減らし、ごみを減らす
ごみ輸入を禁止する国を応援する
実生活でできる工夫
Innovations that can be Made in Real Life
ごみの国際輸出を減らすために、家庭でできることはどのようなことでしょうか?
プラスチックを減らす(Use less plastic)
- マイバッグやマイボトルを使う
- 過剰包装の食品を避ける
リサイクルを徹底する(Recycle properly)
- ペットボトルや紙の分別をしっかり行う
長く使えるものを選ぶ(Choose reusable products)
- 使い捨てではなく、長く使える製品を選ぶ
海面上昇について子どもが学べる海外の絵本や児童書
『Rising Seas: Flooding, Climate Change and Our New World』
この本は、地球温暖化による海面上昇がどのようにして起こり、私たちの世界にどのような影響を与えるかを説明しています。写真やイラストを豊富に使い、子どもたちが理解しやすいように構成されています。
- 著者: ケリー・ベネット(Kery Bennett)
- 出版社: Capstone Press
- 対象年齢: 8歳以上
『High Tide for Horseshoe Crabs』
毎年春、アメリカ東海岸でカブトガニが産卵のために浜辺に集まります。この本は、その自然現象を通じて、海面上昇や環境変化が生態系に与える影響を描いています。
- 著者: リサ・カーン・シュナイダー(Lisa Kahn Schnell)
- 出版社: Boyds Mills Press
- 対象年齢: 6歳以上
『The Tantrum That Saved the World』
主人公の少女が、地球温暖化や海面上昇などの環境問題に立ち向かう物語です。科学的な情報と感情的なストーリーを組み合わせ、子どもたちに行動を促す内容となっています。
- 著者: メーガン・ハーバート(Megan Herbert)&マイケル・E・マン(Michael E. Mann)
- 出版社: North Atlantic Books
- 対象年齢: 7歳以上
『One Well: The Story of Water on Earth』
地球上の水の循環や分布について詳しく説明し、水資源の大切さや海面上昇の影響についても触れています。美しいイラストとともに、子どもたちに水の重要性を伝える一冊です。
- 著者: ロシェル・ストラウス(Rochelle Strauss)
- 出版社: Kids Can Press
- 対象年齢: 8歳以上
まとめ
豊かな国は、自国のごみを発展途上国に輸出しているために、
発展途上国は、環境汚染や健康被害の問題に直面しているという現実を重く受け止め、
家族で話し合って問題の解決策を考えることができれば
ごみの国際輸出を減らす第一歩になるかもしれませんね!