近年、地球温暖化の影響で 海面上昇(sea level rise) が進んでいます。
もしこのまま海面が上がり続けると、世界の多くの都市や島国が水没の危機にさらされ、何百万人もの人々が住む場所を失うかもしれません。
世界の海面上昇の実態
The Reality of Global Sea Level Rise
なぜ海面が上昇しているのか?
海面上昇の主な原因は 地球温暖化(global warming) です。温暖化によって、次のようなことが起こります。
次の2つの現象が合わさることで、地球全体の海面が上昇しています。
氷河や氷床が溶ける(Melting glaciers and ice sheets)
グリーンランドや南極の氷が溶けると、その水が海に流れ込み、海面が上昇する。
海水が膨張する(Thermal expansion of seawater)
温暖化によって海水の温度が上がると、水が膨張して体積が増える。
海面はどのくらい上がっているのか?
- 過去100年間で約20cm 上昇している。
- 2100年までに最大1メートル上昇 する可能性があると予測されている。
- もしこのまま温暖化が進むと、今世紀中に 数億人が水害の危険にさらされる と言われている。
海面上昇は、未来の話ではなく すでに世界中で影響が出ている問題 なのです。
島国や沿岸都市への影響
Impact on Island Nations and Coastal Cities
水没の危機にある島国
海抜の低い島国は、特に海面上昇の影響を受けやすい地域です。
ツバル(Tuvalu)
- 太平洋にある島国で、平均海抜は わずか2メートル。
- 海面上昇による浸水が進み、将来的には国全体が水没する可能性がある。
- 一部の住民はすでに ニュージーランドやオーストラリアへ移住 している。
モルディブ(Maldives)
- インド洋にある美しいリゾート地だが、平均海抜は 約1.5メートル。
- 21世紀末までに国の 80%が水没する可能性 がある。
キリバス(Kiribati)
- 太平洋にある島国で、土地の侵食と塩害による農業被害が深刻化している。
- 政府は 「水没国家」になる未来を想定し、国民の移住計画を進めている。
海面上昇が影響を与える沿岸都市
海に近い都市では、高潮や洪水のリスクが高まり、人々の生活や経済に影響を与えています。
ニューヨーク(New York, USA)
- 海面上昇とハリケーンの影響で、たびたび大規模な洪水が発生している。
- 高潮対策として、巨大な防潮壁の建設が計画されている。
東京(Tokyo, Japan)
- 日本の首都も海に面しており、特に 江東区や台東区などの低地エリア が影響を受けやすい。
- 台風や高潮が発生すると、大規模な浸水の危険がある。
ジャカルタ(Jakarta, Indonesia)
- 地盤沈下と海面上昇の両方の影響 で、海水が都市に流れ込んでいる。
- 政府は、首都を移転する計画を進めている。
英語で考える海面上昇
Sea Level Rise in English
Question 1
What happens if the sea level keeps rising?もし海面が上がり続けたら、どうなるの?
島が消えてしまう
多くの人が家を失う
海沿いの大都市で洪水が起こる
Question 2
Why is sea level rising?
なぜ海面が上昇しているの?
北極や南極の氷が溶けているから
海が温まり、膨張しているから
人々が化石燃料を使いすぎているから
Question 3
What can we do to stop sea level rise?
海面上昇を止めるために何ができる?
化石燃料のエネルギーを減らす
太陽光や風力エネルギーを使う
CO₂を吸収する森を守る
実生活でできる工夫
Innovations that can be Made in Real Life
海面上昇を防ぐために、家庭でできる工夫を紹介します。
エネルギーを節約する(Save energy)
- 使っていない電気を消す
- 省エネ家電を使う
再生可能エネルギーを活用する(Use renewable energy)
- ソーラーライトや充電器を活用する
- エコカーを選ぶ
CO₂を減らす生活をする(Reduce CO2 emissions)
- 自転車や徒歩で移動する
- 使い捨てプラスチックを減らす
海面上昇について子どもが学べる海外の絵本や児童書
『Rising Seas: Flooding, Climate Change and Our New World』
この本は、地球温暖化による海面上昇がどのようにして起こり、私たちの世界にどのような影響を与えるかを説明しています。写真やイラストを豊富に使い、子どもたちが理解しやすいように構成されています。
- 著者: ケリー・ベネット(Kery Bennett)
- 出版社: Capstone Press
- 対象年齢: 8歳以上
『High Tide for Horseshoe Crabs』
毎年春、アメリカ東海岸でカブトガニが産卵のために浜辺に集まります。この本は、その自然現象を通じて、海面上昇や環境変化が生態系に与える影響を描いています。
- 著者: リサ・カーン・シュナイダー(Lisa Kahn Schnell)
- 出版社: Boyds Mills Press
- 対象年齢: 6歳以上
『The Tantrum That Saved the World』
主人公の少女が、地球温暖化や海面上昇などの環境問題に立ち向かう物語です。科学的な情報と感情的なストーリーを組み合わせ、子どもたちに行動を促す内容となっています。
- 著者: メーガン・ハーバート(Megan Herbert)&マイケル・E・マン(Michael E. Mann)
- 出版社: North Atlantic Books
- 対象年齢: 7歳以上
『One Well: The Story of Water on Earth』
地球上の水の循環や分布について詳しく説明し、水資源の大切さや海面上昇の影響についても触れています。美しいイラストとともに、子どもたちに水の重要性を伝える一冊です。
- 著者: ロシェル・ストラウス(Rochelle Strauss)
- 出版社: Kids Can Press
- 対象年齢: 8歳以上
海面上昇について子どもが学べる番組や映画
『サスチェン~SDGsが学べる教育アニメ~』
SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした教育アニメシリーズで、第13話「寝苦しい夜」では、気候変動や海面上昇について取り上げています。アニメを通じて、子どもたちが環境問題を身近に感じ、理解を深めることができます。
- 公開年: 2023年
- 対象年齢: 小学生以上
『ワルイコあつまれ』
NHKで放送されている教育バラエティ番組で、気候変動や海面上昇などの環境問題を取り上げています。子ども記者が専門家に直接質問し、わかりやすく解説してもらうコーナーなどがあり、子どもたちが主体的に学べる内容となっています。
- 放送年: 2024年
- 対象年齢: 小学生以上
『天気の子』
新海誠監督によるアニメ映画で、異常気象や気候変動がテーマの一つとなっています。物語を通じて、気候変動が私たちの生活にどのような影響を与えるかを考えさせられる作品です。
- 公開年: 2019年
- 対象年齢: 中学生以上
まとめ
海面上昇は、遠い未来の話ではなく、すでに起こっている問題です。
スケールが大きくて、ピンとこないかもしれませんが、現実に起こっている自然災害に大きく関係していることを理解し、
子どもたちを交えて考えていきましょう!!