現在では世界中に広がっている「モンテッソーリ教育」は、20世紀初頭に、当時医師で精神病院で働いていたマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。

モンテッソーリ教育を導入していることが条件で、幼稚園を選ぶ保護者がいるほどに、長い人気を誇る「モンテッソーリ教育」とはどんなものなのでしょうか?

1.モンテッソーリの産みの母 ”マリア・モンテッソーリ”

マリア・モンテッソーリは1870年、イタリアのアンコーナという小さい町で生まれました。

当時としては珍しく、医師をめざしたマリアは1896年にイタリアで初の女性医学博士になりました。

成績優秀だったマリアはのちに障害を持つ子供の心理の研究を開始し、その熱意から教育学への道へと進みます。

そして40歳ごろに有名な「子供の家」を設立し、ここで初めて外で両親が仕事をしている子供たちのための教育機関を作りました。

そこでマリアは、「子供は子供たちの仕事であると言える『遊び』から、子ども自身が自分を教育し育てるのだ」というセオリー(理論)を打ち出し、その教育論は世界中に広がっていきました。

2.モンテッソーリ教育の特徴

2.モンテッソーリ教育の特徴

世界に広がったモンテッソーリ教育はどのようなものなのでしょうか?

この世に生を受けてから、「無事に生まれてきてくれてよかった」と喜びに震えたのもつかの間、人間とは欲深いもので、「もっと頭がよくなるように」「もっと運動が出来るように」と、知らず知らずのうちに「親の願望」を押しつけていることがありますね。

しかし、子どもは生まれた時から自立をしたい欲求を持っています。

親や他人を頼らずに、歩きたい、コップで水を飲みたい、など一人の自立した人間として生きたい!という欲求があります。

モンテッソーリは、「この子どもの欲求を親が理解して満たしてあげてるかでその子の将来が大きく変わる」と説いています。

日本では当たり前の「一斉保育・教育」だと、子どもの意志に関わらず、決まったカリキュラムを消化するために、大人数が一斉に同じことを同じ時間に行うことが多くなります。

その、みんなで一緒に行動することを強制しないのがモンテッソーリの大きな特徴なのです。

そのために、モンテッソーリ教育を行っている機関の特徴として、教具や道具を目的に応じて自由に使用できるように設置してあります。

子ども達は、自分の欲求に応じて、やりたい遊びを選択して伸び伸びとすることが出来るのです。

もちろん、友達との共同作業や集団行動も取り入れているので、自分勝手でわがままになるのでは?という心配もありません。

そういう指針の下で活動していくと、子ども達は自分の欲求が満たされて、落ち着きが出て、生き生きと成長する、というのがモンテッソーリの特徴です。

また、モンテッソーリ教育は教育を5分野に分けています。

日常生活の練習

日常生活に必要な動作、例えば蛇口をひねる、ハサミで切る、雑巾をかけるなどの動作も、子供たちにとっては大切な練習になります。

この動作を繰り返し練習できる教具が用意されています。

例)針仕事(ぬいさし)の教具、野菜切り教具など

感覚教育

英語では”five senses”と言われますが、これは「五感」を意味します。

「視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚」の五感を刺激することで、脳の発達を促すとともに、情緒豊かな子供になります。

モンテッソーリにはこのための感覚教具が用意されています。

例)色板、ピンクタワーなど

言語教育

モンテッソーリ教育では、言語を「話し言葉」と「書き言葉」に分類し、さらに書き言葉は「読む」「書く」ということに分けられます。

話し言葉は聴覚が機能される7か月ごろ、書き言葉は3~5歳ごろが一番敏感に成長する時期だと言われています。

たくさん話しかけたり、絵本を読んであげるということをまず働きかけた後に、読んだり書いたりするプロセスがあり、そのための工夫がされています。

例)砂文字板、文字スタンプなど

算数教育

算数と聞くと想像されるような数式などを叩き込むのではなく、ものの量や数、そしてそれは何と数えるのか、それはどんなに書かれているのか、を組み合わせ、数式を具体的な感覚として理解できるような教具が多くあります。

例)金ビーズ、算数棒など

文化教育

子どもに幅広い視野を持たせ、心豊かに成長していくように、社会、宇宙、世界、自然などの幅広い分野の教養が身につくように働きかけます。

例)世界の国旗セット、成長モデルフィギュアなど

3.モンテッソーリ教育を受けるとどんな効果がある?

4.英語教育にモンテッソーリ教育は効果がある?

子ども達が先生から「○○しなさい」と言われて行動するのではなく、自分で考えて工夫をし、失敗を繰り返しながらでも、自らの創造力を身に着けていきます。

それによって

  • 途中であきらめず、最後まで粘り強く頑張れる
  • 手先が器用になる
  • 集中力がある
  • お片付けが上手になる

などの効果があると言われています。

4.英語教育にモンテッソーリ教育は効果がある?

モンテッソーリの理念にある、子どもの自発性を促したり、言葉を認識し始める年齢からたくさん話かけたり、聞かせたりすることは、英語教育のファーストステップと大きく共通しています。

そして、モンテッソーリの教育に組み込まれている、「日常生活の練習」や「言語教育」を英語に置き換えることも可能で、尚且つ子供に強要する必要なく、楽しみながら習得できる利点もあります。

ポイントは、この教育を「すべて英語の語りかけで行う」ことで、親子の絆もぐんと強くなると思われます。

5.モンテッソーリ教育のメリット・デメリット

メリットは、子どもたち一人ひとりの個性を尊重した教育であり、押し付けでない学習により積極的で、自己肯定感の高い子供に育つ点が挙げられます。

また、異年齢混合のクラス編成であることが多いため、兄弟のようなコミュニケーションをとるようになり、お互いを思いやる気持ちが生まれ、社会性のある子供に育つことが出来ます。

デメリットとしては、「協調性がなくなる」「自己中心的になる」という批判もあるようですが、これは成長とともに関わる環境から学んでいくものなので、大きな問題ではないという意見もあります。

6.モンテッソーリ教育を受けた有名人

6.モンテッソーリ教育を受けた有名人

モンテッソーリ教育を受けて育った有名人・著名人には以下のような方々がいます。

  • オバマ元アメリカ大統領
  • ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
  • マーク・ザッカーバーグ(Facebookの創業者)
  • アンネ・フランク
  • ヘレン・ケラー
  • ヒラリー・クリントン
  • ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
  • 藤井聡太(棋士)

など、超一流の有名人が名を連ねているのも、モンテッソーリ教育の力なのでしょうか?

そう考えると、「自分の子供もモンテッソーリ教育で育てたい!」と思う方も多いかもしれませんね!

まとめ

保育者や教育者ならだれでもモンテッソーリ教育の話を聞いたことがあったり、実際保育などに取り入れた経験があるのではないでしょうか?

また、海外のプリスクールなどは、大きく「モンテッソーリやってます!」と掲げていないくらい?当然のように教育指針やカリキュラムにいたるところに、モンテッソーリ教育の理念がすでに組み込まれているように感じます。

その歴史は長く、そして現代にも引き継がれているのは、「子供が子供であるため」の基本がそこにあり、インターネットやデジタルが氾濫している現代でも、その理念は変わることなく必要とされるものだと思います。

子どもの教育に関わっている一人である著者にとっても、いろんな情報が散乱して何が子供にとっていいのかがわからなくなる時に、もう一度モンテッソーリの教えの原点に戻って、ゆっくりとじっくりと子供と向き合うことが必要ではないか?と考えさせられました。