10月になると、街中がオレンジや黒のデコレーションで彩られ、「Trick or Treat!」という子どもたちの声が聞こえてきます。
でも実は、ハロウィンの起源はアメリカではなく、ヨーロッパ・アイルランドの古代ケルト文化にあることをご存じでしょうか?
今回は、そんなハロウィンの歴史や物語を英語で楽しみながら、家庭でもできる英語体験のアイデアをご紹介します。
ハロウィンの起源とストーリーを知る
ハロウィンの始まりは、約2000年前のアイルランドやスコットランドで行われていた「サウィン祭(Samhain)」という収穫祭にさかのぼります。人々は、10月31日が「この世」と「あの世」がつながる日と信じており、悪霊を追い払うために焚火をしたり仮面をかぶったりしていました。
その後、キリスト教が広まり、「諸聖人の日(All Hallows’ Day)」の前夜が「All Hallows’ Eve」と呼ばれ、それが「Halloween」に変化していったのです。アメリカの文化のように感じるハロウィンですが、実はヨーロッパからの移民によってアメリカに伝えられ、そこから「Trick or Treat」やジャック・オー・ランタンなどの楽しい風習が広がりました。
英語絵本で味わうハロウィンの世界

ハロウィンを英語で楽しむなら、絵本は最高の入り口です。音やリズムで自然と英語のフレーズが耳に残ります。
おすすめの英語絵本:
- “Room on the Broom” by Julia Donaldson
魔女と動物たちの愉快な冒険を描いたリズミカルな絵本。繰り返しの表現が多く、英語が初めての子にもぴったりです。 - “Five Little Pumpkins”
数の数え方とハロウィンの雰囲気を一緒に楽しめる定番の歌絵本。「Five little pumpkins sitting on a gate…」というリズムに合わせて、親子で一緒に声を出して読むのもおすすめです。 - “Pete the Cat: Trick or Pete”
人気キャラクター・ピートがハロウィンを体験する参加型の絵本。しかけをめくりながら英語でクイズ感覚で楽しめます。
絵本を読むときは、英語の意味をすべて説明する必要はありません。表情やジェスチャーで雰囲気を伝えながら、子どもが「spooky(こわいけどワクワク)」という感覚を感じ取れるようにしてみましょう。
おうちでできる英語ハロウィンごっこ遊び

ハロウィンは、家庭での英語体験にもぴったりなテーマです。簡単な道具やフレーズで、英語あそびに発展させてみましょう。
Trick or Treatごっこ
玄関や部屋のドアを使って、親が“Knock, knock!”とたたく役、子どもが“Trick or Treat!”と言う役を交代でやってみましょう。
英語フレーズ例:
- “Happy Halloween!”
- “Here’s some candy for you.”
- “Oh, thank you!”
仮装ショーで英語スピーチ
お気に入りのコスチュームを着て、自己紹介ごっこをするのも楽しいです。
- “I’m a witch.” (私は魔女です)
- “I can fly on a broom.” (ほうきで飛べるよ)
など、短い英語でOK。写真を撮って、「Halloween fashion show! 」と題して英語で紹介するのもおすすめです。
英語でミステリーゲーム
お菓子を隠して、 “Find the pumpkin!” “It’s behind the sofa!”などのヒントを英語で伝えるゲームも人気です。自然に前置詞(on, under, behindなど)を覚えられます。
季節の行事を通じて「文化+英語」を体験する
ハロウィンを英語で楽しむことは、単なる言葉の練習ではありません。文化を感じながら、英語を「生きた言葉」として体験する絶好のチャンスです。
アイルランド発祥のハロウィンが、アメリカで形を変えて世界中に広がったように、英語を通して異文化がつながる体験は、子どもたちにとっても新しい発見になります。
おうちでできる小さな英語ごっこからでも、物語の世界は広がっていきます。今年のハロウィンは、ぜひ“Trick or Treat”の一言にとどまらず、英語の物語や遊びを通して“Happy Halloween!”な時間を過ごしてみてください。
英語ごっこ用セリフ集(ハロウィンバージョン)

おうちでのハロウィン英語ごっこを、よりリアルに楽しめる簡単フレーズを紹介します。どれも短くてリズムがあり、子どもたちにも覚えやすい言葉ばかりです。
Trick or Treatごっこ
- Trick or treat! (お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!)
- Happy Halloween! (ハッピーハロウィン!)
- Here you are. (はい、どうぞ。)
- Thank you! (ありがとう!)
- You’re welcome! (どういたしまして!)
仮装パーティーごっこ
- Who are you? (あなたはだれ?)
- I’m a ghost! Boo! (ぼくはおばけだよ!ばあ!)
- I’m a witch. I can fly! (私は魔女。飛べるのよ!)
- Wow, that’s scary! (わあ、こわい!)
- Let’s take a picture! (写真を撮ろう!)
ハロウィンゲーム
- Find the pumpkin! (かぼちゃを見つけて!)
- It’s under the table! (テーブルの下だよ!)
- I found it! (見つけた!)
- Great job! (すごいね!)
飾りつけ&お菓子作り
- Let’s make a pumpkin lantern! (ジャック・オー・ランタンを作ろう!)
- Be careful! (気をつけて!)
- Let’s taste it! (味見してみよう!)
- Yum! So sweet! (おいしい!とっても甘い!)
これらのフレーズを絵カードにして壁に貼っておくと、子どもたちが自然に英語を口にするきっかけになります。
おすすめYouTube英語ソングで盛り上がろう
ハロウィンの歌は、英語のリズムや単語を耳から楽しく覚えられる最高の教材です。ダンスや手遊び付きの動画を選ぶと、体を動かしながら自然と英語が身につきます。
Super Simple Songs – “Knock Knock, Trick or Treat?”
かわいいアニメとシンプルな歌詞で、子どもが大喜びする人気曲。登場キャラクターの仮装も多彩で、単語練習にも最適です。
Pinkfong – “Halloween Songs for Kids”
テンポの良いメドレー形式で、小さい子にも飽きずに楽しめます。「spider(くも)」や「bat(こうもり)」など、季節の単語がたくさん出てきます。
The KiboomU Kids Music Channel – “Five Little Pumpkins”
定番の英語歌絵本にも登場する曲。数の数え方やリズム感を自然に覚えられます。
Bounce Patrol – “Halloween Finger Family”
家族やキャラクターをテーマにした「Finger Family」ソングのハロウィン版。動きながら歌えば、英語の発音もリズミカルに身につきます。
まとめ
ハロウィンは、英語を「教える」より「体験する」絶好の季節行事です。
古代ケルトの祭りから始まったこの日が、アメリカで楽しい文化として広まり、今では世界中で親しまれている――そんな歴史を知るだけでも、子どもたちの世界がぐっと広がります。
お菓子を配るだけではなく、物語を読んだり歌を歌ったり、ごっこ遊びを通して「生きた英語」を感じてみてください。きっと、子どもたちの「英語って楽しい!」という気持ちが自然に育っていくはずです。
