秋の代表的な行事といえば「おいもほり」。
子どもたちが土を掘りながら、自然の恵みを手で感じるこの体験は、五感を刺激し、豊かな感性を育てます。
そこに“英語のふりかえり”を加えることで、季節行事が言葉の学びにも繋がる活動になります。
今回は、英語でおいもほりをふりかえるアイデアと、その教育的効果を紹介します。
自然体験を「言葉」に変える意味

子どもにとって、体験は言葉の宝庫です。
実際に見た・触れた・感じたことを言葉で表現することで、記憶はより深く定着します。特に英語でふりかえる活動は、「ことばの切り替え」だけでなく、「思考を整理する」練習にもなります。
たとえば、おいもほりの後に次のような簡単な質問を英語でしてみましょう。
- What did you find? (何を見つけた?)
- How big was your sweet potato? (どのくらい大きかった?)
- Was it easy to dig? (掘るのは簡単だった?)
- How did you feel? (どんな気持ちだった?)
短いやりとりでも、子どもたちは自分の経験を思い出しながら話します。日本語で体験を振り返った後に英語でも言い換えると、言葉の整理と記憶の定着がより進みます。
英語で表現するおいもほりのことば
行事の中でよく使われる言葉を、英語にすると以下のようになります。
| 日本語 | 英語表現 |
|---|---|
| おいも(サツマイモ) | sweet potato |
| 土を掘る | dig the soil |
| つるを引っ張る | pull the vine |
| おいもが出てきた! | I found a sweet potato! |
| 大きいね! | It’s big! |
| 小さいね! | It’s small! |
| 泥だらけ! | I’m so muddy! |
| たのしかった! | It was fun! |
こうした単語やフレーズを、体験中や写真を見ながら繰り返し使うと、子どもたちの中で「英語=楽しい経験」として残ります。
絵や写真を使った英語ふりかえり活動
活動後に「おいもほりの絵日記」を英語で作るのもおすすめです。
たとえば以下のようなステップで進めます。
- 絵を描く(思い出を自由に表現)
- 大人が英語の質問をする(What is this? / What are you doing? など)
- 子どもが答えた言葉を一緒に書き添える(短い単語でもOK)
- 完成した作品をみんなで紹介する(Show and tell time )
こうした「話す→書く→見せる」という一連の流れが、英語の自然なアウトプットを促します。
ふりかえりを支える英語フレーズ集
最後に、活動のまとめや感想を引き出す時に使える英語を紹介します。
- I liked digging. (掘るのが楽しかった)
- I found many sweet potatoes! (たくさん見つけたよ)
- My hands got dirty. (手が汚れた)
- I want to eat them soon! (早く食べたいな)
- Thank you for the fun day! (楽しい日をありがとう)
このような簡単な英語でも、気持ちを込めて言うことで「言葉の力」を実感できる時間になります。
季節の行事と英語学習をつなぐ意義
英語教育というと、教室で行うものというイメージがありますが、実際には日常や季節行事こそが最高の教材です。
おいもほりや田植え、雪あそびなど、日本の季節行事には「五感で感じる学び」が詰まっています。そこに英語を少し添えることで、「ことば=体験」のつながりが強くなり、子どもたちは生きた英語を身につけていきます。
海外にもある!おいもほりに似た自然体験イベントと英語表現

アメリカ:Pumpkin Picking(かぼちゃ狩り)
秋になると、アメリカでは家族で「パンプキン・パッチ(Pumpkin Patch)」と呼ばれる農園に出かけて、ハロウィン用のかぼちゃを自分で収穫します。
日本のおいもほりにとてもよく似ていて、広い畑の中を歩きながら、好きな形や大きさのかぼちゃを探すのが楽しみです。
目的:
- 家族や友だちと自然の中で季節を感じる
- 食べ物や農業に親しむ
- ハロウィン文化に触れる
英語での説明例:
- We went to a pumpkin patch to pick pumpkins. (かぼちゃ畑にかぼちゃを取りに行ったよ。)
- It was fun to find big orange pumpkins! (大きなオレンジのかぼちゃを見つけるのが楽しかった!)
- I learned how pumpkins grow. (かぼちゃがどのように育つかを学んだ。)
英語で活動の目的を表す表現:
- The goal is to experience nature and understand where our food comes from.
(自然を体験し、食べ物がどこから来るのかを理解することが目的です。)
イギリス・オーストラリア:Farm Visit / Harvest Festival(農場見学・収穫祭)
イギリスの学校では、秋に「Harvest Festival(収穫祭)」を行う伝統があります。
子どもたちは地域の農家を訪ねたり、農作物を持ち寄って感謝の気持ちを表したりします。
オーストラリアでも「Farm Visit」と呼ばれる課外授業があり、羊の毛刈りや野菜の収穫を体験します。
目的:
- 命や自然への感謝を学ぶ
- 地域社会とのつながりを知る
- 五感で農業を体験する
英語での説明例:
- We joined a harvest festival at school.
(学校の収穫祭に参加したよ。) - We visited a farm and picked vegetables.
(農場を訪れて野菜を収穫したよ。) - We learned about farmers’ work.
(農家の仕事について学んだ。)
目的の英語表現:
- The activity helps children appreciate nature and the people who grow our food.
(この活動は、自然と私たちの食べ物を育てる人への感謝を育みます。)
フランス:Grape Harvest Experience(ぶどうの収穫体験)
フランスでは秋になると「Vendanges(ヴァンダンジュ)」と呼ばれるぶどうの収穫が行われます。
地域によっては観光客や子どもたちも体験できるプログラムがあり、ワイン文化の一部として大切にされています。
目的:
- 農業や伝統産業への理解を深める
- チームで協力する体験を通して社会性を育む
英語での説明例:
- We helped harvest grapes at a vineyard.
(ぶどう畑で収穫を手伝った。) - The grapes were small but very sweet.
(ぶどうは小さいけどとても甘かった。) - I learned how wine is made.
(ワインの作り方を学んだ。)
目的の英語表現:
- The goal is to experience local culture and teamwork through grape harvesting.
(ぶどうの収穫を通して地域文化とチームワークを学ぶことが目的です。)
英語で子どもと「ふりかえる」活動

海外でも日本でも、収穫体験の後に「ふりかえり(reflection)」を行うことはとても大切にされています。
以下のような簡単な英語を使って、体験を思い出しながら話してみましょう。
何を取った?
どんな気持ちだった?
何を学んだ?
なぜ大切だと思う?
このような質問を通して、子どもたちは自分の体験を言語化し、英語で「考える力」を育てていきます。
おいもほりは日本独自の行事ですが、世界の国々にも似たような「自然とふれあう収穫体験」があります。
英語でふりかえることで、子どもたちは「自分の文化を英語で説明できる力」も育ちます。
“Let’s look back in English and feel the joy of nature.”
英語でふりかえることは、自然と心をつなぐ、そして世界とつながる第一歩です。
まとめ
おいもほりのような自然体験を英語でふりかえることは、単なる英語活動ではありません。
子どもたちが自分の体験を言葉で整理し、伝える力を育む大切なステップです。
“英語でふりかえる”という視点を持つだけで、季節の行事がより豊かな学びの場へと変わります。
