秋の季節行事といえば「おいもほり」。子どもたちにとって、土の中から自分の手でおいもを掘り出す体験は、まさに“実りの喜び”を全身で感じる時間です。
そんな食育の場面に英語を少しプラスすることで、感性と言葉を同時に育てることができます。
今回は、さつまいもを中心に「野菜の英語名」「味・形・色を表す英語表現」「収穫を喜ぶフレーズ」を紹介します。
「さつまいも」は英語で?

さつまいもは英語で sweet potato といいます。
「sweet(甘い)」+「potato(じゃがいも)」という言葉の通り、「甘いおいも」という意味になります。
また、似ている言葉に yam(ヤム) がありますが、こちらはアフリカやカリブ地方でよく食べられる別の種類のいもを指すことが多いです。
例文:
- I found a big sweet potato!(大きなさつまいもを見つけたよ!)
- Sweet potatoes are sweet and soft.(さつまいもは甘くてやわらかいです。)
野菜の英語名を一緒に覚えよう

秋の収穫時期に見られる野菜を英語で言うと、こんなふうになります。
| 日本語 | 英語 | 発音のヒント |
|---|---|---|
| にんじん | carrot | キャロット |
| だいこん | radish / Japanese radish | ラディッシュ |
| かぼちゃ | pumpkin | パンプキン |
| じゃがいも | potato | ポテイト |
| さつまいも | sweet potato | スウィート・ポテイト |
食育の時間に、実際の野菜を見せながら英語で呼んでみると、子どもたちは自然と単語を覚えていきます。
「What’s this?(これはなに?)」という問いかけに「It’s a sweet potato!」と答えるだけでも、英語で“伝える喜び”を味わうことができます。
味・色・形を表す英語表現
おいもを観察する時間は、英語表現を増やすチャンスです。
- 色(Color):purple(むらさき)、brown(ちゃいろ)、orange(オレンジ色)、yellow(きいろ)
- 形(Shape):long(ながい)、round(まるい)、big(おおきい)、small(ちいさい)
- 味(Taste):sweet(あまい)、soft(やわらかい)、delicious(おいしい)
例文:
- It’s long and purple.(ながくてむらさき色です。)
- It tastes sweet!(あまいね!)
- It’s so soft inside. (中がとてもやわらかいね。)
観察を通して「見て・触って・話す」経験が、語彙力と表現力の土台になります。
海外の収穫祭・感謝祭に目を向けてみよう

「収穫を祝う」という考え方は、世界中で大切にされています。日本のおいもほりや収穫祭に似た行事が、各国にもあります。
● アメリカ:Thanksgiving(感謝祭)
11月の第4木曜日に行われる国民的行事で、家族が集まり、秋の実りと一年の恵みに感謝します。
伝統料理には roast turkey(ローストターキー)、mashed potatoes(マッシュポテト)、pumpkin pie(パンプキンパイ) などが並びます。
感謝を表す言葉としては、
-
I’m thankful for my family.(家族に感謝しています。)
-
Thank you for the food.(ごはんに感謝します。)
などがよく使われます。
● イギリス:Harvest Festival(ハーベスト・フェスティバル)
教会を中心に行われる伝統行事で、農作物や果物を神にささげて感謝するお祭りです。
学校では子どもたちが野菜や果物を持ち寄り、歌を歌ったり寄付をしたりします。
歌の定番は “We Plough the Fields and Scatter”(私たちは畑を耕し種をまく)という讃美歌です。
● カナダ:Thanksgiving(感謝祭)
アメリカより少し早く、10月の第2月曜日に行われます。
もともとは「収穫を終えたことへの感謝」と「新しい土地での恵み」を祝うもので、家族が集まる心温まる日です。
● 韓国:Chuseok(秋夕)
旧暦の8月15日に行われる韓国の伝統的な秋の行事。日本の「お盆」と「収穫祭」を合わせたような日で、家族が集まり、先祖や自然に感謝してお供えをします。
● ヨーロッパ各国:Harvest Festival(ハーベスト祭)
ドイツでは「Erntedankfest(エルンテダンクフェスト)」と呼ばれ、パンや野菜を籠に入れて飾り、パレードを行う地域もあります。
このように、世界の多くの国で「自然の恵みに感謝する」行事があり、英語で感謝や喜びを表す言葉も豊かに使われています。
収穫の喜びを英語で伝えよう
掘り出した瞬間やみんなで見せ合う時間には、ポジティブな英語フレーズを使ってみましょう。
できた!
見て!見つけたよ!
わあ、大きいね!
みんなで分けよう!
地球さん、ありがとう。
英語で喜びを表現することで、子どもたちは「英語=楽しい」「伝える=うれしい」と感じるようになります。
さつまいもを使った世界の料理いろいろ

1. Sweet Potato Pie(スイートポテトパイ)
アメリカの感謝祭(Thanksgiving)では欠かせない定番デザート。マッシュしたさつまいもにミルク・卵・スパイスを混ぜて焼き上げます。
2. Candied Sweet Potatoes(キャンディード・スイートポテト)
アメリカ南部の家庭料理で、バターとブラウンシュガーで煮詰めたあまいさつまいも。
日本の「大学いも」に少し似ています。
3. Sweet Potato Fries(スイートポテトフライ)
細長く切って油で揚げたスナック。フレンチフライ(ポテトフライ)の甘いバージョンです。
4. Sweet Potato Soup(スイートポテトスープ)
やさしい甘みととろみが特徴のポタージュ。寒い季節にぴったりの一品です。
食べる時間も英語で味わう
食育の場面で子どもと英語で話すとき、こんな表現が役立ちます。
さつまいもが好き!
スイートポテトパイを作ろう!
とっても甘くてやわらかい!
いいにおい!
収穫後のおいもをふかして食べる時間も、英語のチャンスです。
いいにおい!
いただきます!
おいしい!
さつまいもがすき!
家庭や園で一緒に食べながら、自然な英語のやり取りを楽しんでみましょう。
英語で広がる「おいもほり」絵本
おいもや収穫をテーマにした英語絵本は、語彙と感情表現を自然に育てます。
- “Sweet Potato Pie”(Lidsey Kathleen D)
秋の家族のあたたかい時間を描いた絵本。おいもを使ったデザートづくりを通して、感謝の気持ちを伝えるストーリー。 - “Tops and Bottoms”(Janet Stevens)
根菜と葉菜のちがいをユーモラスに学べる農場の物語。動物たちのやり取りが楽しく、英語のリズムも覚えやすい一冊。 - “Growing Vegetable Soup”(Lois Ehlert)
野菜を育ててスープを作るシンプルな絵本。園での食育テーマと相性がよく、野菜の英単語を自然に覚えられます。
おいもほりと一緒に歌いたい英語の歌
リズムにのって英語を楽しむ時間もおすすめです。
The Farmer Plants the Seeds
童謡 “The Farmer in the Dell” の替え歌です。
種まきから収穫までの流れを歌で表現できます。動作をつけながら歌うと、小さな子どもにもわかりやすいです。
“Dig, Dig, Digging”(Animated Song)
「掘る」「見つける」など、収穫活動にぴったりのアクションソング。おいもほりの場面で歌うと大盛り上がりです。
I Like to Eat Apples and Bananas
食べることがテーマの定番ソング。食べ物の英語に親しむ導入としても効果的です。
まとめ
「おいもほり」は、英語を“教える”よりも“感じる”機会としてぴったりの行事です。
目で見て、手で触って、口で味わいながら、自然と英語が心に残る。
そんな体験が、子どもたちにとって一番豊かな言葉の学びになります。
秋の食育を英語で少し彩ってみませんか?
掘って、笑って、話して—ことばの根っこを育てる季節です!
