皆さんは「企業風土」という言葉を英語でどう表現するかご存じでしょうか。

ビジネスの現場では頻繁に使われる言葉ですが、いざ英語で説明しようとすると「雰囲気?」「文化?」と迷ってしまう方も多いはずです。

こちらの記事では「企業風土」の英語表現や意味の分解、そして2025年度の新語・流行語大賞ノミネート語30に選ばれた背景まで、わかりやすく整理していきます。

企業風土を英語でどう言う?

企業風土を英語でどう言う?

まずは「企業風土」の英語表現から学んでいきましょう。

“Corporate Culture”と表現するのが一般的

「企業風土」は結論からいうと、英語で”Corporate Culture”と表現します。

こちらは直訳に近い形で、それぞれの単語を分解すると以下のようになります。

    • Corporate:企業の、法人の
    • Culture:文化、教養、風土

日本語でも「企業文化」と「企業風土」はほぼ同じ意味で使われますが、英語でも同様にこの2つの単語を組み合わせるだけでシンプルに表現できるのです。日本語でも会社によっては「コーポレート部門」という言葉を耳にする方もいると思いますが、ここで使われている”Corporate”が元となっています。

Aさん
We need to change our corporate culture.

訳)私たちは企業風土(企業文化)を変える必要があります。

Bさん
ちなみに、より組織的な側面に焦点を当てたい場合は“Organizational Culture”(組織文化)という言葉も使われますが、ビジネス会話では”Corporate Culture”で十分通じます。

そもそも企業風土とは?

そもそも企業風土とは?

英語表現がわかったところで、そもそも「企業風土」とは具体的に何を指すのか、改めて定義を確認しておきましょう。

明文化されていない「らしさ」のこと

企業風土とは、社是や経営理念のように明文化されたルールだけではなく、社員の間で共有されている「価値観」や「雰囲気」、「暗黙の了解」などを指します。

企業風土とは、「そこで働く人の気質や文化に影響を及ぼす、その企業特有の環境」のことを指します。ただ、厳密な定義があるわけではなく、実際に使われる場合は環境だけでなく、それによって醸成された社員の行動様式や価値観、暗黙のルールなどを含めて指すことが多いようです。

Schooより引用

良い企業風土は社員のモチベーションを高めますが、悪い企業風土は不正の温床になったり、離職率を高めたりする原因にもなるので、ポジティブな側面とそうでない側面を両方持つ言葉です。

良い企業風土・悪い企業風土

一般的に、企業風土が良い・悪いといわれる際の特徴は以下の通りです。

  • 良い風土:風通しが良い/挑戦を称える/心理的安全性が高い
  • 悪い風土:トップダウンが絶対/失敗を隠蔽する/変化を嫌う

悪い風土に含まれる「トップダウン」などは企業が大きくなればなるほど仕方がない側面がある一方で、パワーバランスを保つのが非常に難しく、「パワハラ」に繋がってしまうリスクも一定存在します。一方で「風通しが良い」がポジティブに働くとは必ずしも言えず、風通しが良いが故に厳しく言いにくかったり、本来やらねばならないタスクが進みにくくなってしまったりとバランスが非常に重要なのです。

企業風土を外国人に説明する

企業風土を外国人に説明する

訪日外国人や海外の同僚に「企業風土とは何か」を説明する場合、単に”Corporate Culture”と言うだけでなく、そのニュアンスを伝えてあげると親切です。

①会社の性格や雰囲気だと伝える

まずはシンプルに、「会社の性格(Personality)」や「雰囲気(Atmosphere)」という言葉を使って説明してみましょう。

Aさん
“Corporate culture” is like the personality or atmosphere of a company.

訳)「企業風土」というのは、会社の性格や雰囲気のようなものです。

これだけで、いわゆる会社の規則や規範には載っていない「空気感」のことだと伝わりやすくなります。

②「どう働くか」に影響すると伝える

次に、それが働き方にどう影響するのかを伝えます。

Aさん
It affects how employees work and interact with each other.

訳)企業風土は従業員がどう働き、どう関わり合うかに影響します。

海外では日本以上に「カルチャーフィット」を重視する傾向があるため、この説明を加えることで重要性がより深く伝わるでしょう。

また、場合によっては”Corporate culture”のみで伝わる場合もあるので、あくまでも分からなかった場合に教えてあげるスタンスでいるのが重要です。

企業風土が流行語大賞に?

企業風土が流行語大賞に?

さて、そんな「企業風土」ですが、2025年は企業のコンプライアンスや働き方が大きく問われた年でもあり、流行語大賞の候補に入りました。

なぜこのタイミングで話題になっているのか、詳しく見ていきましょう。

『2025 新語・流行語大賞』のノミネート語30に選定

年末に近づくにつれ多くの方が気になるであろう「流行語大賞」というイベントが今年も実施予定です。詳細は以下の通りとなります。

自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから選考し、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。2004年(平成16年)からは「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」に、2025年からは「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」に改称している。

ウィキペディアより引用

2025年度からは引用の通り名称が変わり「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」という名前になりました。

「企業風土」も候補入り

今回記事に取り上げている「企業風土」についても、流行語大賞の候補30選に選ばれました。

候補の中では「No.5」の位置づけとなっておりますが、まだ順位が決まったわけではありません。

今年は特に、古き良き風土を見直す動きや、逆に悪い風土が明るみに出るニュースが多かったため、この言葉が改めて注目された形です。

「ミャクミャク」や「トランプ関税」なども候補に

「企業風土」のほかにも、今年は色々な言葉がノミネートされています。大阪万博で話題となった「ミャクミャク」はもちろん、トランプ大統領による「トランプ関税」

また、若者の間で流行した「ビジュイイじゃん」や、食のトレンド「麻辣湯」など、硬軟入り混じった言葉が並んでいます。

現在候補に挙がっている30個はまさにサラダボウルのような状態であり、何が大賞を取るのか最後まで目が離せません。

まとめ

こちらの記事では「企業風土」の意味や英語表現、そして外国人への説明方法から流行語大賞の話題までご紹介しました。最後に一緒に復習していきましょう。

  • 企業風土は英語で”Corporate Culture”
  • 組織的な意味合いなら”Organizational Culture”も可
  • 明文化されていない「会社の雰囲気」や「価値観」を指す
  • 2025年の新語・流行語大賞ノミネート語30にも選ばれた

これから「流行語大賞」やトップ10の発表も行われることになりますので、ぜひ「企業風土」がどこまでランクインするのか、一緒に情報を追いかけていきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。