皆さんは「国宝」を英語でどう表現するかご存じでしょうか。

2025年にこの言葉がトレンド入りした理由は、映画『国宝』の大ヒットによるものです。

そのため、会話の中で「国宝(映画)観た?」と聞きたい場合、単語の選び方を間違えると話が噛み合わなくなってしまいます。

こちらの記事では、作品名としての「国宝」の英語表現や、映画の話題を外国人と楽しむためのポイント、そして新語・流行語大賞ノミネート語30に選ばれた背景まで、流行語の文脈に沿ってわかりやすく整理していきます。

国宝を英語でどう言う?

国宝を英語でどう言う?

まずは「国宝」の英語表現から学んでいきましょう。今回は「映画のタイトル」としての表現を最優先します。

作品名なので”Kokuho”と表現するのが正解

「国宝」は結論からいうと、今回の流行語(映画タイトル)の文脈では英語で“Kokuho”と表現するのが正解です。

「え、National Treasureじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。しかし、日本発祥の映画や書籍などの固有名詞は、日本語のローマ字読みがそのまま使われることが多いのです。

Aさん
例:Haikyu!!、Jujutsu Kaisen、Godzillaなども同様ですね!

英文でさくっと説明してみよう

実際に、外国人の友人に映画を観たか聞くシーンを想定してみましょう。

Aさん
Have you seen the movie “Kokuho”?

訳)映画『国宝』はもう観た?

ここで変に翻訳して”Have you seen National Treasure?”と聞いてしまうと、ニコラス・ケイジ主演の同名ハリウッド映画(洋画の『ナショナル・トレジャー』)と勘違いされる可能性が非常に高いため、注意が必要です。

意味を補足するなら”National Treasure”

もちろん、タイトルの意味を聞かれた場合には直訳を使います。

  • National:国の
  • Treasure:宝物
Bさん
タイトルは”Kokuho”と伝えつつ、「It means National Treasure(意味は国宝だよ)」と補足してあげるのが、最も親切で誤解のない伝え方です。

そもそも『国宝』とは?

そもそも『国宝』とは?

言葉の意味がわかったところで、なぜ2025年に「国宝」という言葉がこれほど話題になったのか、その中心にある映画について確認しておきましょう。

2025年最大級のヒット作

2025年の「国宝」ブームの火付け役は、吉田修一氏の長編小説を原作とした映画『国宝』です。

歌舞伎の世界に身を投じた二人の若者の激動の人生を描いた作品で、その映像美と役者たちの鬼気迫る演技が社会現象となりました。

吉田修一自身が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身作「国宝」。
任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。

映画『国宝』公式サイトより引用

単なる文化財の話ではなく、2025年は特にこの「映画作品そのもの」がトレンドの中心にあるため、SNSや会話で登場する「国宝」は、ほぼ間違いなくこの映画を指しています。

『国宝』を外国人に説明する

『国宝』を外国人に説明する

訪日外国人や海外の友人にこの話題を説明する場合、単に「日本の映画だ」と言うだけでなく、テーマとなっている「人間国宝」という概念をセットで伝える必要があります。

①まずはタイトルを伝える

先ほど紹介した通り、まずは固有名詞としてタイトルを伝えます。

Aさん
The movie “Kokuho” is a huge hit in Japan right now.

訳)今日本では『Kokuho(国宝)』という映画が大ヒットしているんだ。

②「人間国宝」の物語だと補足する

次に、このタイトルが何を意味しているのか、ストーリーの核となる部分を説明します。ここで初めて”National Treasure”を使います。

Aさん
It’s a story about Kabuki actors striving to become “Living National Treasures.”

訳)これは、「人間国宝」を目指す歌舞伎役者たちの物語なんだよ。

海外には「人間国宝(Living National Treasure)」という制度・概念がない国も多いため、「国が認めた生ける伝説(Living legends officially recognized by the government)」といったニュアンスで伝えてあげると、この作品の重厚さがより伝わります。

難しい場合は最悪”Legend”という言葉だけでも伝えてあげると、ヒントになるかも知れません。

国宝が流行語大賞に?

国宝が流行語大賞に?

さて、そんな映画の大ヒットを背景に、「国宝」は2025年の流行語大賞の候補にも入りました。

なぜこのタイミングで話題になっているのか、詳しく見ていきましょう。

『2025 新語・流行語大賞』のノミネート語30に選定

年末に近づくにつれ多くの方が気になるであろう「流行語大賞」というイベントが今年も実施予定です。詳細は以下の通りとなります。

自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから選考し、その「ことば」に関わった人物、団体を顕彰するとされている賞。2004年(平成16年)からは「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」に、2025年からは「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」に改称している。

ウィキペディアより引用

2025年度からは引用の通り名称が変わり「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」という名前になりました。

「国宝」も流行語大賞の候補入り

今回記事に取り上げている「国宝」についても、流行語大賞の候補30選に選ばれました。

言葉自体は昔からある日本語ですが、今回ノミネートされた理由は明確に映画『国宝』のヒットによるものです。そのため、選考委員の評価も「映画の社会的影響力」にフォーカスされることが予想されます。

候補の中では「No.8」の位置づけとなっておりますが、あくまでもエントリーナンバーのようなものなので、順位が決まるのはまだ先です。

「ミャクミャク」や「トランプ関税」なども候補に

「国宝」のほかにも、今年は色々な言葉がノミネートされています。大阪万博で話題となった「ミャクミャク」はもちろん、トランプ大統領による「トランプ関税」

また、若者の間で流行した「ビジュイイじゃん」や、食のトレンド「麻辣湯」など、硬軟入り混じった言葉が並んでいます。

現在候補に挙がっている30個はまさにサラダボウルのような状態であり、何が大賞を取るのか最後まで目が離せません。

まとめ

こちらの記事では、映画タイトルとしての「国宝」の英語表現や、2025年の大ヒットの背景、そして流行語大賞ノミネートの話題までご紹介しました。最後に一緒に復習していきましょう。

  • 映画タイトルとしての英語は”Kokuho”が正解
  • “National Treasure”だと同名の洋画と誤解される可能性がある
  • 意味を説明する時に初めて”Living National Treasure”を使う
  • 2025年の新語・流行語大賞ノミネート語30にも選ばれた

これから「流行語大賞」やトップ10の発表も行われることになりますので、ぜひ「国宝」がどこまでランクインするのか、一緒に情報を追いかけていきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。