ビジネスでは、依頼を「引き受ける力」だけでなく、上手に断る力も欠かせません。時間やリソースが限られている中で、すべての依頼に応えることは現実的ではありません。
ただし、断り方を間違えると、相手との関係にヒビが入ってしまうことも。英語のビジネスメールやチャットでは、丁寧さ・明確さ・配慮のバランスが重要です。

この記事では、丁寧なお断りの基本ルール、「断る」を表す英語の使い分け、ビジネスメール・メッセージ(Slack・Teams・Chatworkなどのビジネスチャットで使う短い英文)でそのまま使える例文を紹介します。

丁寧なお断りメールのポイント

丁寧なお断りメールのポイント

依頼を断るときこそ、伝え方が印象を左右します。感謝・明確さ・配慮を意識することで相手との関係を損なわず、誤解のない丁寧なお断りができます。

まずは感謝を伝える

断る前に、依頼や声がけへの感謝を一言添えるだけで、印象は大きく変わります。

Thank you for your interest in our services.
弊社サービスにご関心をお寄せいただきありがとうございます。

断る意思は曖昧にしない

日本語では「前向きに検討します」「少し難しいかもしれません」と曖昧な表現をすることもありますが、英語ではOKの可能性があると受け取られがちです。

誤解を避けるためにも、断る場合は、断っていることがはっきり伝わる表現を使いましょう。

表現はやわらかく

✖ No, I can’t.

〇 I’m afraid I won’t be able to…

英語メールは文字だけのやり取り。クッション言葉を使い、相手の立場を尊重した表現を選ぶことが大切です。
締めの一文も大事です。

I’m sorry I couldn’t give you a positive answer.
良いお返事ができず申し訳ありません。

▼「クッション言葉」については、下記の記事をご参照ください
【例文付き】英文ビジネスメール・メッセージでクッション言葉を上手に使うには?実務で役立つヒント

簡潔な理由を添える

理由がまったくないと、冷たい印象になります。長い言い訳は不要ですが、一言事情を添えるのが理想です。

例:出張中/他の案件が立て込んでいる/予算が合わない など

「断る」を表す英語のニュアンス

英語の「断る」表現には、強さや丁寧さに幅があります。場面や相手との関係性に合わせて語彙を選ぶことで、角の立たないスマートな意思表示が可能になります。

  • refuse: はっきり拒否(やや強い)
  • reject: 提案・申請を正式に却下(強い)
  • decline: 丁寧に辞退する(最頻出)
  • pass (on): 今回は見送る
  • turn down :カジュアル寄り(重要案件では避ける)

※ビジネスでは decline / pass が安全です。

declineは「(ていねいに)辞退する、断る」―Weblio

passは「(提案などを)見送る」の意味があります。―Weblio

ビジネスメールで使える断りフレーズ

ビジネスでは伝え方が重要です。感謝や配慮を添えた定型フレーズを使えば、関係性を保ちながら丁寧に意思を伝えられます。

I must decline …

「辞退せざるを得ません」「遠慮させていただきます」
不本意ながらお断りしなければならないというニュアンスとなります。

I really appreciate your request, but due to my current project commitments, I must decline at this time.
ご依頼いただき誠にありがとうございます。しかし、現在担当しているプロジェクトの都合により今回は辞退せざるを得ません。

We will be declining …

「見送らせていただきます」

I’m afraid it exceeds our current budget, so we will be declining this time.
恐れ入りますが、予算を超えるため今回は見送らせていただきます。

It pains me to say, but…

「大変心苦しいのですが…」

It pains me to say this, but we are unable to proceed at this time due to our current project priorities.
大変心苦しいのですが、現在のプロジェクトの優先順位の関係で、現時点では進めることができません。

I’m grateful for the consideration, but…

「お心遣いに感謝しますが…」

I’m grateful for the consideration, but we will have to decline due to budget constraints at this stage.
ご配慮には感謝いたしますが、現段階では予算の都合により、今回は辞退いたします。

We cannot do that, but how about~?

代替案がある場合は、提示すると関係性はむしろ良くなります。

We cannot do that, but how about rescheduling for next month?
その対応は難しいのですが、来月への変更はいかがでしょうか。

難しい旨を伝える表現

難しい旨を伝える表現

相手の依頼を尊重しつつ、現状では対応が難しいことをやわらかく伝える表現を紹介します。理由を簡潔に添えることで、誠実でビジネスライクな印象を保てます。

I’m afraid …

「残念ながら」「恐縮ですが」

I’m afraid I have a scheduling conflict due to another work commitment.
恐縮ですが、別の業務予定と重なっております。

Unfortunately, …

「あいにく」

Unfortunately, the item is currently out of stock.
あいにく現在在庫切れです。

I wish I could …

「できればそうしたいのですが」

I wish I could help you, but my current workload does not allow me to take this on at the moment.
ぜひお手伝いしたいところですが、現在の業務状況では対応が難しい状況です。

 I regret to …

「残念ながら」(フォーマル)

We regret to inform you that we cannot proceed with your request, as it does not align with our updated internal policies.
誠に残念ながら、社内方針の変更により、ご要望には対応できかねます。

At this time, we cannot accommodate …

「現時点では対応いたしかねます」

At this time, we cannot accommodate changes to the schedule.
現時点ではスケジュール変更に対応いたしかねます。

After careful consideration, …

「慎重に検討した結果…」

After careful consideration, we have concluded that we are unable to accommodate your request.
慎重に検討した結果、誠に残念ながらご依頼にはお応えできないとの結論に至りました。

ビジネスメッセージ(チャット)で断るときのコツ

基本的には、メールと同じフレーズをそのまま使えます。ただ、チャットはやり取りのスピードが速いため、簡潔さと分かりやすさを意識することが大切です。
前置きは短く、結論を早めに伝えつつ、理由は一言添える配慮を忘れないようにしましょう。

I’m afraid we’ll have to decline this time due to schedule constraints.
スケジュールの都合により、今回は辞退させてください。
Thank you for reaching out, but we’ll have to pass this time.
ご連絡ありがとうございますが、今回は見送らせてください。

まとめ

ビジネスで断るときの基本姿勢は、メールでもチャットでも同じです。
まず感謝を伝え、次に結論を明確にし、必要に応じて簡潔な理由を添える。この流れを意識するだけで、相手に配慮した印象になります。
場面に合った言い回しを選び、丁寧な断り方を身につけていきましょう。

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anna 英語教育コンテンツライター / English Education Content Writer
新聞記者としての取材・執筆経験を経て、英語教育分野を中心に活動するライター。英文学専攻および国際交流経験を活かし、英語学習や異文化理解に関する情報を発信している。