ブラックのコーヒーが美味しいと思えるようになると、大人になった実感がわく瞬間でもありますよね。 赤ワインの美味しさが分かるようになった時にもそんな風に感じます。
「苦い」というのは大人の味、と言えるかも知れません。「苦みばしった良い男」なんて表現もありますし、「苦い=大人」と言っても良さそうです。では「苦い」を英語ではなんて言うのでしょうか。今回は「苦い」にまつわる単語やフレーズをいろいろと紹介します。
コーヒーや抹茶の「苦い」は英語でなんて言う?
お砂糖を入れないコーヒー、粉から淹れるお抹茶。大人には美味しいですが、小さなお子さんにとってはどちらも「苦くて飲めない」「飲みたくないもの」であることが多いです。
飲み物などが「苦い」と英語で言う場合、「bitter」を使って表現できます。具体的に例文を紹介すると「Black coffee is too bitter for children. (ブラックコーヒーは子供には苦すぎる)」のように使います。
Here’s your coffee.
訳)コーヒー、どうぞ
Thanks. (Take a ship) Eww, why did you put sugar in it?
訳)ありがとう。(一口飲んで)ええっ、何でお砂糖入れるのよ
I thought it would taste better.
訳)甘い方が美味しいと思って
「ほろ苦い」って英語でなんて言う?
ビターチョコレートなどの「ほろ苦い」味を英語で表す場合、「bitter」と相反する意味を持つ「sweet」と合わせた「bittersweet」を使います。
この「bittersweet」は、うれしい気持ちと悲しい気持ちが入り混じった複雑な感情を表す場合にも使われます。具体的な例を挙げると、子供が結婚する時や、産休明けなどに感じる気持ちなどがそれにあたります。
「苦い」は英語ではスラングになる?
「苦い」という日本語は、英語の「Nigger」に聞こえることがあります。この言葉は黒人に対するとても深刻な差別用語になりますから、決して使わないようにしましょう。
日本では嫌なことを言われても我慢してしまうケースが少なくありませんが、海外では実際に暴力事件に発展する場合もあります。仕事中に使えばクビになる可能性もある言葉ですから、この言葉は決して使わないこと、と覚えておきましょう。
「bitter」な性格ってどういうの?
「bitter」は、「苦い」という意味の他に「辛辣な」や「冷酷な」という、人の性格を表す意味も持っています。また、強い怒りを抱えている人、それを表情に出してしまうような無礼な人のことも「bitter」で表現できます。
ちなみに「苦しみ」や「敵意」、「恨み」などの感情は「bitterness」という単語で表すことができます。
味覚で性格を表す?
「bitter」は、これまで苦い経験を重ねてきた人や、人生に期待や希望を持っていない人のことを表します。情け容赦のない冷酷な性格を表す場合にも「bitter」が使えます。
この「bitter」以外でも、味覚の表現に使われる単語は、人の性格や状態を表現することができます。
ここでは、味覚を表現する際に使われる単語が、性格や状態を表す場合について例文を使ってご紹介します。
sweet | やさしい、思いやりがある人を表す。「kind」よりよく使われる。
He’s so sweet. (彼は本当にやさしいです。) |
salty | イライラしている、ムカついている状態を表す。(スラング)
She always looks salty. (彼女はいつもイライラしている) |
sour | 不機嫌な、ひねくれている、意地の悪い性格を表す。
She was sour last night. (彼女は昨夜不機嫌だった) |
I heard you broke up with him. What happened?
訳)彼と別れたんだって?何があったの?
I just soured on him. That’s it.
訳)嫌いになっただけよ。それだけのこと。
sour on ~:~に幻滅する、がっかりする、嫌いになる
他の味覚については、過去の記事で紹介しておりますので、ぜひそちらも併せて読んでみてください。
「苦い体験」って英語でなんて言う?
思い出すのも辛くなるような「苦い体験」を、英語では「bitter experience」や「bad experience」という表現を使って表すことができます。
「I’ve been through lots of bitter experiences.」というと「苦い経験をたくさんしてきました」という意味になりますし、「I have overcome many bitter experiences.」で「たくさんの苦い経験を乗り越えてきました」という意味になります。
overcome:乗り越える
Well, that was a tough time for me.
訳)いやあ、あの頃は大変だったなあ
Here we go again. Bragging about his hardships. He would talk for at least an hour.
訳)また始まったよ。彼のいつもの苦労自慢。一時間はかかるな
「苦みばしった良い男」って英語でなんて言う?
「苦みばしった」という言葉は、主に中年男性や壮年男性を形容する言葉で、渋みのある引き締まった顔立ちや表情のことをいいます。
英語では「He is full of masculine charm.(彼は苦みばしった良い男だ(彼は男性的な魅力にあふれている))」のように表現します。
「苦虫を嚙み潰したような顔」って英語でなんて言う?
「苦虫を嚙み潰したような顔」とは、苦虫を嚙んだような苦々しい顔のことで、「苦虫」は噛んだらきっと苦いと思われる空想上の虫のことです。英語で表す場合は「sour face」を使います。または「as if having swallowed a bitter bug」を使い「The man looked as if having swallowed a bitter bug.(その男は、苦虫を噛み潰したような顔をした)」ということもできます。
直訳では「苦虫を飲み込んだような」になることに注意しましょう。
「苦瓜(ゴーヤ)」って英語でなんて言う?
「苦瓜(ゴーヤ)」は英語で「bitter melon」といいます。苦瓜(ゴーヤ)はツルレイシというウリ科の植物の果実で、食用部分は熟す前の果実です。熱に強いビタミンCを多く含んでいて、疲労回復やアンチエイジング、血管を健康に保つ働きがあります。
ゴーヤの苦味の元はモモルデシンという成分で、夏バテ防止効果や食欲増進効果が期待できます。
他にもセロリの14倍もの食物繊維や牛乳の14倍のカリウムを含んでいるため、高血圧の予防や肥満防止にも効果があるとされています。
「良薬は口に苦し」って英語でなんて言う?
「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、これを英語でいうと「Good medicine tastes bitter.」となります。また別の表現として「The best advice is the hardest to take.」ということもできます。
これらは 「よく効く薬は苦くて飲みにくいものだが、病気に対して優れた効き目がある。相手のためを思って真心から諌めた言葉は、聞き入れ難いものだが、素直に聞き入れることで自分のためになる」という意味です。
誰でも憎まれ役はやりたがらないものですが、本当の友達は苦言を呈してくれたり、間違いは間違いだと言ってくれます。そんな時は一度落ち着いて自分を振り返ってみるようにしたいものです。
まとめ
今回は「苦い」という意味の単語やフレーズについていろいろ紹介しました。
「甘い」とか「辛い」、「酸っぱい」などの味覚はいくつかの単語で表すのに対して「苦い」という単語は「bitter」だけ、というのは興味深いですね。
また、「苦い」を使った慣用句や表現は、会話の幅が広がるのでぜひ覚えておきましょう。たくさん英語をインプットして、会話でアウトプットして下さいね。See you next time!