この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「木・竹」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。
木とは、植物の一種で、高木と低木の総称です。木は建築材や家具、楽器などさまざまな日用品の材料として使用されるほか、薪として燃やすことで暖を取るなど、人間の生活に欠かせないものであるほか、果実が成る木は食用としても重宝されます。
つづいて、竹は、イネ目イネ科タケ亜科のうち、木本(木)のように茎が木質化する種の総称です。乾燥させた竹は強靭かつ細工が簡単なため、釣り竿や和弓などその弾性を生かして加工されます。お正月に欠かせない門松は、3本の竹を松で囲み、荒縄で締めくくった縁起物です。
今回は、そんな「木・竹」のつく「ことわざ・慣用句」を選んで英語に訳しました。
竹を英語で言うと?
まずは、「竹」を英語で何と言うのか見てみましょう。
「竹」の英語は“bamboo”(バンブー)です。
「竹」がつく言葉の英語も見ていきます。
- 竹垣「a bamboo fence」
- 竹細工「bamboo work」
- 竹ざお「a bamboo rod [stick, pole]」
- 竹を割ったような「straightforward」「openhearted」
例:彼女は竹を割ったような性格だ
She is straightforward.
竹にまつわる英語をもっと知りたい方は、次の記事をご覧ください。
木を英語で言うと?
次に、「木」を英語で何と言うのか見ていきましょう。
「木」と言えば、“tree”が思い浮かぶ人が多いと思います。しかし、「木」を表す英単語は複数あります。どのように使い分けるのかを説明します。
tree
treeは、数メートル以上の高さがある木で、自然の木々、加工していない天然の木を指します。そびえ立つ杉の木や桜の木、銀杏の木などのイメージです。
shrub
treeとは違って低い木を指す単語がshrubです。低木や灌木という意味ですが、shrubという単語は1本の灌木を指すため、複数の木の場合には使いません。1本の灌木だけでなくその周辺の茂みも含んで表す場合にはbushが当てはまります。
wood
次に、woodはウッドデスク、ウッドチェアなど家具の商品名でも使われていますね。
treeが加工されていない天然木を指すのと違い、woodは加工された天然の木を指します。すなわち、天然木を加工した木材や材木、薪、樽、桶などはwoodと表現されます。
ここで注意したいのは、同じwoodでも、木材や材木、薪は不可算名詞となり、樽、桶は可算名詞となります。
「竹・木」にまつわることわざ・慣用句
竹、木にまつわることわざや慣用句はたくさんあります。代表的なものを見ていきましょう。
独活の大木(うどのたいぼく)
「独活の大木」とは、体ばかりが大きくて、何の役にも立たないことを意味する「ことわざ」です。植物の一種である「独活(うど)」の茎は、すぐ大きくなるにも関わらず、弱くて役に立たないことから例えられたそうです。
英語では
「Great trees are good for nothing but shade.」
と翻訳することができます。
”nothing but~”で「ただの~だけ、単なる~」という意味になり、直訳すると「大木は日陰を利用できること以外何の役にも立たない」と訳すことができます。
He’s tall and big, but he’s not a powerhouse. Great trees are good for nothing but shade..
(彼は背が高くて体が大きいけど、力持ちではない。まるで独活の大木だ。)
木に竹をつぐ
「木に竹をつぐ」は、筋道の通っていない、前後のつり合いのわるいものを意味する「ことわざ」です。不条理や不調和を意味しています。
英語では
「To mix water with fire.」
と翻訳することができます。
直訳で「水と火を一つにする」という意味です。
老い木に花咲く
「老い木に花咲く」は、一度衰えたものが再び栄えることを意味する「ことわざ」です。「埋もれ木に花」という「ことわざ」と同じ意味でつかわれます。
英語では
「Flowers bloom on old trees.」
と翻訳することができます。
”bloom”は「(観賞用の)花、花ざかり、開花」の意味で、ここでは動詞の「(花が)咲く」の意味でつかわれます。
木から落ちた猿
「木から落ちた猿」は、よりどころを失って、どうすることもできないことを意味することわざです。「陸(おか)に上がった河童(カッパ)」も同じような意味でつかわれます。
猿は、木の上にいれば能力を発揮できますが、木から落ちると無能であるという様子をたとえています。
英語では
「a fish out of water.」
と翻訳することができます。「monkey」ではなく、「fish」なのがユニークですね。
木を見て森を見ず
「木を見て森を見ず」は、細かいことにこだわって物事の全体を見ないことを意味することわざです。
英語では
「can’t see the wood for the trees」
となります。もともと、英語のことわざが由来となっているそうです。
イギリス英語では、woodではなくforest(森)をつかって、「can’t see the forest for the trees」となります。
Even if we hold meetings every week that “can’t see the wood for the trees”, it is a waste of time. You should make only the necessary discussions.
(毎週、「木を見て森を見ず」の会議ばかり開いていても、 時間がもったいない。必要な議論だけをするべきです。)
破竹の勢い
「破竹の勢い」は、猛烈な勢いを意味する「ことわざ」です。竹は一節割るとその勢いで残りも割れやすくなることに例えられています。
英語では
「He is ready to leap over nine hedges.」
と翻訳することができます。
直訳すると「九つもの生け垣をも飛び越えんとする勢い」の意味です。
”hedge”とは「垣根、生垣」の意味で、”leap”は「飛ぶ、はねる、ジャンプする」の意味です。”be ready to ~”で「~する準備ができている」という意味なので、直訳すると「生垣を飛び越える準備ができている」です。
竹に油
「竹に油」は、竹に油を塗るとさらによく滑ることから、口が達者なこと、よくしゃべることのたとえです。若々しくて美しいことのたとえでもあります。
類義語には「立て板に水」「水もしたたる」があります。
「立て板に水」は、「口達者にスラスラ話す」ことを意味します。
「竹に油」は英語では
「rapid flow of speech」「good figure」
となります。
He’s a talker, and he’s “rapid flow of speech”. We can’t trust him very much.
(彼は口達者で「立て板に水」だ。彼のことはあまり信用できない。)
竹に雀
「竹に雀」は、竹にとまった雀が図柄として取り合わせのよい画であるところから、取り合わせのよい一対のもののたとえです。
類義語に「松に鶴」「梅に鶯(うぐいす)」があります。
「竹に雀」は英語では
「bamboo and sparrow」
となります。
竹の子生活
「竹の子生活」は、たけのこの皮を一枚ずつはいでいくように、身の回りの物を少しずつ売りながら暮らす生活のたとえです。
「竹の子生活」を英語で表現すると
「selling one’s personal effects in order to live」「surviving by selling one’s possessions one by one」
となります。
During the war, people had a difficult life and were forced to live a life of “selling their personal effects in order to live.
(戦争中は、人々は困難な生活を強いられ、竹の子生活を余儀なくされた。)
功名を竹帛に垂る
「功名を竹帛に垂る」は、手柄を立てて、歴史に名を残すことのたとえです。
「竹帛(ちくはく)」は、竹の札と絹のことです。中国で、紙の発明以前に、竹帛に文字を記していたところから、書物または歴史の意味となります。「垂る」は、残すという意味です。
「功名を竹帛に垂る」は英語では
「to leave one’s mark on history」
となります。
竹馬の友
「竹馬の友」は、子どものころからの親友や幼馴染のことを表します。
「竹馬」は一本の竹の棒を馬に見立てたもので、幼いころから竹馬で駆け回って一緒に遊んだ友達という意味をなしています。
「竹馬の友」は英語では
「an old playmate」「childhood friend」
となります。
She’s been my childhood friend since kindergarten.
(彼女は幼稚園時代からの竹馬の友です。)
まとめ
今回は、「木・竹」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめてみました。
木や竹の成長に例えた「ことわざ」や性質に例えた「ことわざ」がありましたね。英語の学習は「破竹の勢い」とまではいかずとも、一つひとつをしっかりと吸収していきましょう!
今後もさまざまな「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!