「解説する」と一言で言っても、その方法はさまざま。実際に自分が実演して解説するのか、それとも、イラストを用いて解説するのか。中には具体例を提示しながら解説するなんてこともありますね。

日本語では「解説する」の一言だけですが、英語ではいくつかの動詞をその解説方法によって使い分けて表現します。

今日はそんな、「解説する」の英語表現をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

①explain 手順などを解説する

「解説する」と聞いて最初に思い浮かぶ英語は「explain」ではないでしょうか。
「意図・理由や意味を説明する、解説する」という意味を持つexplain

explainex(外)という接頭辞にplain(平ら)という語根がくっついていできた英語です。
そのため、「疑問や不可解を一掃して平易にする」というのが本来の意味。
そこから、「意図・理由や意味を説明する、解説する」という意味になりました。

Aさん
Let me explain.
解説させてください。
Aさん
It’s hard to explain.
説明がむずかしい。
Aさん
She explained what had happened.
彼女は何が起きたのかを説明した。
Aさん
I’m sorry, could you explain in Japanese?
すみませんが、日本語で説明していただけますか?

explain よくある間違い

次の英語をみてください。

Can you explain me why you were late for school?

この英語、実は間違い
explainを使って「人に解説・説明する」というときは「explain to 人」とtoが必要です。

そのため、

Can you explain to me why you were late for school?
遅刻の理由をわたしに説明してくれる?

が正しい英語。よくある間違いなので気を付けてくださいね。

日常会話ではtellを使うことも

日常会話やカジュアルなシーンではexplaintellで言いかえることがよくあります。
次の2つの文の意味はほぼ同じ。シチュエーションによって使い分けてくださいね。

Could you explain that a little further?
もう少し、詳しく説明してくださいますか?

Can you tell me more?
もっと説明してくれる?

②describe 様子などを解説する

④demonstrate 実演や具体例で解説する

「絵で描写する」という意味もあるdescribe
describeの語源は「de(下に)scribe(書く)」です。
そのため、describeは「言葉で述べる、記述する、描写する」という意味を持ち、そこから、「(状況や印象など言葉にしにくい特徴を、あえて言葉で)説明、解説する」という意味になりました。
さまざまなシーンで使われるdescribeですが、少し硬いイメージがあり、特に文章や公的な場面でよく耳にします。

Aさん
How can I describe it?
どうやって解説したらいいかな?
Aさん
Could you describe your idea?
あなたのアイディアを説明していただけませんか?
Aさん
Can you describe the situation?
状況を説明してくれますか?

 

Aさん

I couldn’t describe the scene of that car accident.

私は事故現場の様子を詳しく説明することができなかった

explain と describeの違い

どちらも「解説する、説明する」の意味を持つ、explaindescribeですが、それぞれが意味するニュアンスが異なります。

簡単に言うと「理由を説明、解説するexplainに対し、describeは「見た目やイメージを描写して説明、解説する」。
つまり、explainは「どうしてそのような状況になったか」という理由を説明しますが、describeは「見たままの状況」を伝え、理由を説明する語ではありません

次の2文を見てください。
Explain yourself.
Describe yourself.

この2つの文は意味するものが異なります。

Explain yourself. は「どういうことか説明しなさい」という意味。たとえば、遅刻や失敗をした際にその経緯の説明を求める際に使われるフレーズです。

一方、Describe yourself. は「あなた自身について説明してください」という意味。
面接などでも用いられるフレーズです。

I have strong communication skills.
コミュニケーションスキルが高いです。

I’m self-motivated.
モチベーションが高いです。

などと自分の強みを答えます。

③illustrate 例示で明確に解説する

③illustrate 例示で明確に解説する

日本人にとって「イラストレーション」ということばから耳馴染みのあるillustrate
「イラストレーション」からも想像できますが、illustrateには「(画像や図形、実例を用いて)解説する、説明する」という意味があります。

Illustrateの語源はラテン語のlustrare。「明るくする」という意味でそこから転じて「分かりやすくする」というニュアンスになりました。そのため、illustrateには「例を出してわかりやすく解説、説明する」という意味を持ちます。

Aさん
I’d like to use the statistics to illustrate this point.
統計を用いてこのポイントを解説したいのですが。
Aさん
The professor is going to illustrate how to do it.
教授がどのようにすればいいか、解説するだろう。

Illustrate とshowの違い

さまざまな意味を持つshowですが、そのひとつに「教える」や「指し示す」というIllustrateと同じような意味があります。

Aさん
Please show me the way to the station.
駅までの行き方を教えてください。

この場合、話し手が求めているのは「実際に駅まで一緒に連れて行ってもらう」、もしくは「地図を書いて行き方を教えること」。
言葉だけの説明を求めている場合はtellを用います。

showには見せるだけillustrateには見せた上で解説するというニュアンスの違いがあるので注意しましょう。

④demonstrate 実演や具体例で解説する

④demonstrate 実演や具体例で解説する

「デモンストレーション」は日本語でもよく耳にする言葉ですが、英語のdemonstrateは日本語の意味と少し異なります。
日本語のデモンストレーションは商品の実演販売を行うことや、抗議活動、いわゆるデモの意味ですね。

英語のdemonstrateは、「見せる、開示する」という意味のラテン語を語源とし、「実際に何かを行い、解説や説明をする」という意味を持ちます。
もちろんデモ活動という意味もありますが、ここでは、「解説や説明をする」の意味での使い方を確認しましょう。

Aさん
She demonstrated how to use the new machine.
彼女は新しい機械の使い方を実演で説明した。
Aさん
Our professor demonstrated the experiment in physics.
教授は物理の実験を実際にやり、解説をした。

解説者・解説書・解説付きなどの表現をご紹介

解説にまつわる英単語をご紹介します。

解説 commentary / explanation / clarification
解説サイト commentary site / website for commentary
解説書 manual
口頭で行われる解説 instruction
映画などの解説  synopsis / summary
解説者 commentator
解説付き with commentary

まとめ

一言に「解説」と言ってもその方法によって英語の表現もさまざま。
使う単語によって伝え方が異なるので、気を付けたいですね。

使いこなせれば、言葉以上のニュアンスを伝えられるようになるので、ぜひ覚えてくださいね。