皆さんは「ネクタイ」が好きですか?
私は結構好きで10本くらい所有していますが、仕事柄スーツをほとんど着ないので、めったに締める機会がありません。ネクタイをしたいけど、だからといってスーツを着るのは面倒…。なんとも自分勝手なジレンマに陥っている今日この頃です。
というわけで、今回のテーマは「ネクタイ」です。英語でもネクタイはそのまま通じるのか、他の言い方があるのか、詳しく確認していきます。
また、「ネクタイをする」「ネクタイを緩める」などの動作を何と言うかについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「ネクタイ」は英語で何て言う?
「ネクタイ」は英語だと “tie” と言います。発音記号は「tάɪ」、カタカナだと「タイ」となります。
tie はもともと「~を締める、~を結ぶ」という意味の動詞です。ネクタイとは首元を締める装飾品なので、tie でそのまま名詞としてネクタイを表すようになりました。
「ネクタイ」は和製英語?
「英語で tie と言うなら、ネクタイは和製英語なのかな?」と思った人も多いでしょう。しかし、ネクタイはれっきとした英語であり、和製英語ではありません。
ネクタイに相当する本来の英単語は necktie です。neck は「首」、tie は先述の通り「締める」の意味。そのまま直訳すると「首を絞める」と、やや物騒な響きになりますね。
英語でも本来はネクタイを necktie と言っていましたが、tie だけでも充分通じることから徐々に短縮され、今では necktie とわざわざ言う人の方が少数派になったようです。
たとえば日本語でも、携帯電話を「ケータイ」と略し、そちらの方が会話では多く使われますよね。それと同じような現象でしょう。
イギリスでは未だに一部 necktie と表記することもありますが、アメリカ英語ではほぼ100% tie と呼んでいます。
In English, the original term for a tie was indeed “necktie,” but nowadays it’s more common to shorten it to just “tie.”
訳)英語では、ネクタイをもともと “necktie” と言っていましたが、現代では短縮して “tie” と呼ぶ方が一般的です。
「蝶ネクタイ」や「ネクタイピン」は英語で何?
ひとくちにネクタイといっても、蝶ネクタイをはじめ色々な種類があります。ここでは、そんなネクタイの関連表現を表で一気に確認しておきましょう。
日本語 | 英語 | 特徴 |
蝶ネクタイ | bow tie | フォーマルシーンで使われる、丸みを帯びた形のネクタイ。 |
スリムネクタイ | slim tie | ファッション性の高い、細みの形状をしたネクタイ。 |
アスコットタイ | ascot tie | タキシードなどの礼装で着用する、華やかな印象のネクタイ。 |
ループタイ(ボロタイ) | bolo tie | 装飾的な留め具の付いた、カジュアルな紐状のネクタイ。 |
ネクタイピン | tie clip, tie bar | ネクタイをシャツに固定させるためのアクセサリー。 |
これらのうち、一見すると英語らしく見える「ループタイ」や「ネクタイピン」は和製英語です。そのままだと海外では通じないので、正しい呼び方を覚えておきましょう。
I like loop ties and tie pins.
訳)ループタイとタイピンが好きです(と言っているつもり)。
Do you like to loop ties and to pin them? What’s this? A brand-new sport?
訳)ネクタイを輪っかにして固定する? 何それ? 新手のスポーツ?
「ネクタイをする」など、ネクタイに関連する行為を英語で言ってみよう
ネクタイを英語で何と言うかがわかったところで、ここからは「ネクタイをする」など、ネクタイの着用に関する表現を確認していきましょう。
「ネクタイをする」「ネクタイを締める」in English
英語で「ネクタイをする」や「ネクタイを締める」と表現する際は “put on a tie” と “wear a tie” がよく使われます。
put on a tie の場合は、ネクタイを着ける「動作」を表します。その一方、wear a tie の場合は、ネクタイを着けている「状態」を表します。
put on と wear は洋服全般に使える便利な表現なので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
You should wear a tie at the party.
訳)パーティーにはネクタイをして行った方がいいよ。
Sorry, I’ve never put on a tie in my life…
訳)ごめん、人生でネクタイをしたことが無いんだ…。
Really? Well, let’s go buy one for now.
訳)本当に? じゃあとりあえずネクタイを買いに行こうか。
また、ネクタイを締める行為をより具体的に表す際は “tie a tie” と言います。put on や wear に比べると使用機会は若干減りますが、こちらも覚えておいて損のない表現でしょう。
Why haven’t you worn the tie you bought the other day?
訳)何でこの前買ったネクタイ着けてきてないの?
Sorry, I don’t know how to tie a tie…
訳)ごめん、ネクタイの締め方がわからなくて…。
You should have said that earlier!
訳)早く言いなさいよ!
「ネクタイをはずす」in English
「ネクタイをはずす」は英語で “take off a tie” と言います。
take off は「洋服を脱ぐ」「アクセサリーをはずす」などの意味で使われる決まり文句です。また、ネクタイをほどく様子を表す “untie a tie” もよく使われます。
When I see a man taking off his tie after work, it gives me a little thrill.
訳)仕事終わりに男性がネクタイを外すのを見ると、少しドキドキします。
「ネクタイを緩める」in English
「ネクタイを緩める」は英語で “loosen a tie” と言います。
緩んだ状態を日本語でもルーズと言いますが、loosen はそれの動詞バージョンです。このように、-en の形にすると「○○化」という意味の動詞になります。以下のように色々と応用が利くので、ぜひ覚えておきましょう。
- strengthen:強化する
- widen:広げる
- sweeten:甘くする
- brighten:明るくする
- moisten:湿らせる
When a man slightly loosens his tie, it also gives me a thrill.
訳)男性がちょっとネクタイを緩めているのもドキドキしますね。
Seems like you’re quite a tie enthusiast.
訳)だいぶネクタイフェチなんですね。
日本発祥のクールビズについて
皆さんもおそらく耳にされたことがあるでしょうが、「クールビズ」とは 「クール」 Cool + 「ビズ(ビジネスの略語)」Biz の造語で2005年環境省の呼びかけにより導入されましたが、近年、日本ではクールビズを導入する企業が増えてきています。
「クールビズ」では、夏の暑い時期に、職場で男性がネクタイを外してもいいとされていて、そうすることで、職場のエアコンの温度設定が数度上げられるというメリットがあるとされています。
日本発祥のクールビズについては、実は賛否両論あって、賛成と反対の両方の立場からの意見について見ていきましょう。
スーツにノータイに賛成の意見
2005年から日本で始まったクールビズですが、海外でも知られるようになってきました。2023年にNY タイムズ紙が「クールビズは世界の良いモデルになるかもしれない」という記事を発表したこともあり、クールビズをポジティブにとらえる動きが広がってきています。
一年を通して、日本の職場でクールビズが始まるのは5月1日で、終わるのは9月末だとされています。5月1日から、日本の職場は節電のためエアコンの設定温度を摂氏28度に設定することになってますが、湿度の高い東京では、その設定温度では、職場で働いている人達は汗だくになることが予想されます。
そこで、日本では、5月1日から9月末まで、男性社員がネクタイをしなくてもいいクールビズを導入している職場が増えていて、日本のクールビズは、世界各国が温室効果ガスの排出を削減するためのモデルを提供しています。温室効果ガスは、記録的な熱波や異常気象の原因となっていて、年々より深刻な問題になっていますね。
日本はエネルギー需要の90%近くを輸入燃料に依存している資源に乏しい国なので、そんな日本において、クールビズはシンプルで費用対効果の高い省エネ対策のひとつです。ロンドンに本部を置くエネルギー研究所の統計によれば、この取り組みによって日本の一人当たりのエネルギー消費量は米国の約半分に抑えられているという調査結果があります。
Japan’s Cool Biz has been highly evaluated as a simple and cost-effective measure by foreign media.
訳)日本のクールビズは、海外のメディアによって、シンプルで費用対効果の高い対策として高く評価されているよ。
Really? I didn’t know that. It might be a simple and cost-effective measure.
訳)本当? 知らなかったよ。シンプルで費用対効果が高い方法なのかもしれないね。
スーツにノータイに反対の意見
クールビズをポジティブにとらえる意見がある一方で、スーツにノータイというスタイルに反対の声も上がっています。
省エネという精神自体は良いのですが、暑さを和らげたいのであれば、ネクタイを外すより上着を脱いだらいいのでは?と考える人もいます。
大事な商談や契約の際に、スーツを着てノータイという服装は、商談相手や契約相手に良い印象を与えないでしょうし、たとえ夏場の暑い時期であっても、スーツを着てネクタイをした方がいいのはないでしょうか。
日本では夏場にクールビズを導入することになっているからといって、夏場はビジネスのどんな場面であれ、スーツにノータイでOKという具合に考えるのは、ちょっと違うのかもれません。
ビジネスのグローバル化が進んでおり、海外企業のエグゼクティブと商談をする際に、夏場はクールビズの服装でというわけにもいきませんから、やはり状況に合った適切な服装をするのが一番良いですね。
Some Japanese seem to be against the style of wearing a suit and not wearing a tie, following the practice of “Cool Biz” in any business scene during the summer.
訳)日本人の中で、夏場はビジネスのどんな場面でもクールビズという慣行に従って、スーツを着ているのにネクタイをしないというスタイルに反対の人もいるみたい。
Even during Cool Biz, if you have an important business meeting or contract signing, you should wear a tie. I think it’s important to wear appropriate clothes.
訳)クールビズ中であっても、大事な商談や契約締結の場合は、ネクタイをつけた方がいいね。状況に合った適切な服装をするのが大事だと思うよ。
まとめ
今回は「ネクタイ」をテーマにお話ししてきました。
ネクタイは英語で tie と言います。日本語と同様に necktie と言っても通じないことはないですが、少し古風な印象を持たれる可能性があるので注意しましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!