4年に一度、世界中の注目を集めるスポーツの祭典、オリンピック。そのオリンピックのルーツが、ギリシャ西部、ペロポネソス半島のオリンピアにあることをご存じでしょうか?
この地は、紀元前10世紀ごろから全能の神ゼウスの聖域として栄え、紀元前776年には最初の古代オリンピックが開催されました。
今も遺跡群が静かに佇むこの地で、過去の栄光を感じながら、英語を交えて旅してみましょう。
世界遺産「オリンピアの考古遺跡」とは?

ギリシャの西、ペロポネソス半島ののどかな丘陵地帯―クロノスの丘のふもとに、ひっそりと広がる「オリンピアの考古遺跡」。
ここは古代ギリシャにおける宗教・スポーツの中心地であり、「古代オリンピック」が開催された神聖な場所です。今も聖火リレーの「聖火採火式」は、この遺跡にあるヘラ神殿(Temple of Hera)で行われています。
アクセス方法
オリンピアへは、アテネ(Athens)からのアクセスが一般的です。アテネから車で約4時間。バスの場合、アテネのバスターミナルからオリンピア行きの長距離バスがあります(所要約5〜6時間)。電車は、パトラス(Patras)またはピルゴス(Pyrgos)経由で、ローカル列車を利用。
旅行会社のガイド付きツアーも多数ありますので、英語ガイドと一緒に遺跡を巡るのもおすすめです。
古代オリンピックの起源と歴史
古代オリンピックの始まりは、紀元前776年。「神ゼウスへの奉納」として始まったこの祭典には、ギリシャ各地の都市国家(ポリス)から選ばれた競技者が参加し、技と力を競い合いました。
短距離走、レスリング、円盤投げ、戦車競走などの競技が行われていました。
競技期間中は「聖なる休戦(Olympic Truce)」が宣言され、どんな戦争も一時中断されていたといいます。
393年、ローマ皇帝テオドシウス1世により古代オリンピックは廃止されますが、19世紀末にフランスのクーベルタン男爵がその復活を提唱し、1896年のアテネで近代オリンピックが開催されました。
近代オリンピックのはじまり
1896年、アテネで行われた第一回オリンピックには、13か国から241人の男性選手が参加。女子の参加はまだ認められていませんでしたが、この大会を皮切りに、オリンピックは徐々に発展していきます。
その象徴の一つが、「オリンピアのヘラ神殿で採火された聖火」を開催地に運ぶオリンピック聖火リレーです。現在も開催地が変わるたびに、オリンピアで聖火が灯されます。
世界遺産としての価値
「オリンピアの考古遺跡(Archaeological Site of Olympia)」は、1989年にユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録されました。
登録の理由
ユネスコは以下の点を評価しています。
- 人類史上初のスポーツの国際大会「オリンピック」の舞台であること
- ゼウス信仰を中心とした古代ギリシャ宗教の重要な聖地であること
- 建築・芸術・都市計画などの面で、古代ギリシャ文化の貴重な証拠を残していること
UNESCO World Heritage Convention:Archaeological Site of Olympia
覚えておきたい英会話フレーズ
オリンピアの考古遺跡を訪れたときに使える英会話のフレーズを紹介します。旅をしながら、英語の表現も一緒に覚えてしまいましょう!
訳)古代の競技者が立っていた場所に立てるなんてすごい。
訳)遺跡がとてもよく保存されていて、本当に歴史を感じます。
訳)今でも4年ごとに、ここでオリンピックの聖火が灯されているって知ってた?
訳)古代オリンピアはただの遺跡じゃなくて、平和と団結の象徴なんですね。
オリンピアの主な構成資産

世界遺産「オリンピアの考古遺跡」の中には、宗教施設、競技施設、宿泊施設、訓練所など、さまざまな建造物が点在しており、それぞれが重要な歴史的価値を持っています。ここでは、主要な構成資産を詳しくご紹介しましょう。
ゼウス神殿(Temple of Zeus)
この神殿はオリンピアの宗教的中心地であり、古代世界七不思議のひとつにも数えられた巨大なゼウス像がかつて鎮座していました。
紀元前5世紀に完成したドーリア式の神殿で、13×6本の柱に囲まれ、荘厳な雰囲気を漂わせています。当時の人々にとって、ゼウス神殿を訪れることは神聖な体験であり、祭典や競技はすべてこの神の栄光を讃えるものでした。
ヘラ神殿(Temple of Hera)
ゼウス神殿よりも古い紀元前7世紀に建てられた神殿で、古代では女神ヘラに捧げられていました。今日では、ここでオリンピックの聖火採火式が行われ、聖火が世界中の開催都市へと旅立っていきます。
フィリペイオン(Philippeion)
マケドニア王フィリッポス2世が、カイロネイアの戦いでの勝利を記念して建てた円形の建造物です。内部にはフィリッポス家の家族像が安置されていました。このように、政治的プロパガンダとしての建築もまた、オリンピアの一部だったのです。
プリタニオン(Prytaneion)
神域の運営にあたるプリタニス(行政官)が使用した建物で、オリンピック勝者や高位の来賓がここで接待を受けたとされています。古代のもてなしの心が感じられる場所です。
パライストラ(Palaestra)
レスリングやボクシングなどの格闘技系競技の訓練が行われた場所で、四角い中庭を囲むように部屋や列柱が配置されています。競技者たちはここで日々汗を流し、本番に備えていたのです。
ギムナシオン(Gymnasion)
「gym」の語源となったこの施設は、主に短距離走ややり投げなどの競技練習に使われていました。屋根付きの回廊では雨天時の練習も可能だったと言われています。
スタディオン(Stadium)
約2万人の観客を収容したとされる競技場で、直線約192メートルのトラックが当時のまま残っています。スタートラインの石板が今でも見ることができ、「ここから走ったんだ」と感慨に浸れるスポットです。観客席は土の斜面で、王族や貴族は特別席に座って観戦していたとか。
オリンピア考古学博物館(Archaeological Museum of Olympia)
遺跡のすぐそばに位置するこの博物館では、ゼウス像の一部、装飾彫刻、日用品、競技に使われた道具など、数千年にわたるオリンピアの歴史を視覚的に楽しむことができます。
まとめ
「英語で世界遺産を旅する」というのは、世界の文化や歴史を「英語で理解する力」を育てることでもあります。
次の旅行では、ぜひ英語のフレーズを使って、世界遺産の地を歩いてみてください。英語の学びが、もっと身近に、もっと楽しくなるはずです。
