「この香水、どう違うの?」
「香水のカスタムって何ができるの?」
インバウンド需要の高まりとともに、香りの特徴や日本ならではの香水の使い方やマナーを英語で説明する場面も、今や珍しくありません。
この記事では香水売り場で働く販売スタッフの方向けに、日本の香水文化を説明する英語表現や基本のフレグランス用語をご紹介します。
香水は文化を映すアイテムのひとつ。国による考え方の違いを理解することで、より信頼感のある接客につながるはずです。
香水はフレグランス?パフューム?表現のちがい

英語で「香水」と言う場合、複数の単語があります。
それぞれの違いを理解しておくことで、接客時により自然な英語表現ができるようになります。
fragrance(フレグランス)
香水だけでなく、香り全般を指す最も一般的な単語です。
男女問わず使える上品な表現です。
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perfume(パフューム)
女性用の香水として使われることが多く、香りが強いものを指します。
この香水は、ウッディな香りが長時間持続します。
cologne(コロン)
主に、男性用の軽めの香水に使われます。
しかし、欧米では「香水」全般のカジュアルな言い方としても浸透しています。
男性用コロンはこちらにございます。
custom fragrance(カスタムフレグランス)
最近では「カスタムフレグランス」という言葉もよく使われます。これは、もともとある香りを組み合わせて自分好みの香りを作ることです。
さらに高級な完全オーダーメイド香水の場合は ”bespoke fragrance” と呼ばれ、調香師が顧客ごとにゼロから設計します。
お好みの香りを組み合わせていただけるカスタムフレグランスサービスがございます。
完全オーダーメイドではありませんが、お客様のお好みに合わせて調整できます。
引用:
https://eow.alc.co.jp/search?q=fragrance
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/fragrance?q=fragrance
日本と海外の香水に対する考え方の違い
香水に対する価値観やマナーは、国や文化によって大きく異なります。
たとえば、日本では「香りの控えめさ」が重視される一方、欧米では香水を自己表現の手段として楽しむ文化があります。
こうした文化背景を理解しておくことで、「ちゃんとわかってくれている」とお客様に感じてもらいやすくなり、接客がスムーズに進みやすくなります。
香りの好みの違い
日本では、香りは「さりげない身だしなみ」として考えられており、石けんや洗いたての洗濯物のような清潔感のある軽やかな香りが好まれる傾向があります。
そのため、強い香りは気になると感じられることもあり、特に公共の場では控えめな香りが望ましいとされています。
一方、欧米諸国では香水は自己表現の一部として積極的に使われており、しっかり香るタイプの香水を好む方が多いです。
In Japan, we often choose light, fresh scents that don’t interfere with others.
(日本では、他の人への配慮が感じられる軽やかな香りが選ばれます。)Japanese customers tend to prefer clean scents, such as the smell of soap or fresh laundry.
(日本のお客様は、石鹸や洗いたての洗濯物のような清潔感のある香りを好みます。)
用途の違い
日本では、香水は気分を変えたいときや特別な場面で使われることが多く、TPO(時・場所・場合)に応じて控えめに使うのが一般的です。
特に食事の際、和食をはじめとする繊細な料理では香りが重要とされるため、香水の強い香りは控えるのがマナーとされています。
一方、欧米では香水は毎日のルーティンの一部として使われており、日常的な身だしなみの一環と考えられています。
シーンや気分に合わせて香りを使い分ける方も多く見られます。
In Japan, subtle fragrances are often preferred in dining settings.
(日本では、食事の場では控えめな香りが好まれることが多いです。)Strong perfumes are usually avoided in restaurants, especially when enjoying delicately flavored dishes.
(繊細な料理を楽しむレストランでは、強い香水は控えるのが一般的です。)
使い方・TPOの違い
日本では、“香水=特別な日のもの”というイメージを持つ人が今も少なくありません。
欧米では、香水をシーンや季節に合わせて使い分けるのが一般的です。
たとえば、仕事には落ち着いた香り、デートには甘めの香り、夏には爽やかな香りといったように、TPOに応じて香りを選ぶ習慣があります。
Some people even wear different fragrances for different occasions.
(TPOに合わせて香水を使い分ける人も多いです。)In Japan, it’s still typical to wear perfume for special occasions rather than daily use.
(日本では、香水は日常というより特別なシーンで使う傾向があります。)
接客に使える!香水関連の英語表現とフレーズ集

香水売り場で外国人のお客様とやり取りする場面では、自分の仕事や取り扱っている商品について英語で説明する力が求められます。
ここでは、実際の接客で役立つフレーズを「自己紹介」と「サービス案内」に分けてご紹介します。
自分の仕事・役割を伝える
香水売り場で働いていることや、自分の担当業務を英語で説明するフレーズです。
百貨店の香水売り場で働いています。
フレグランスブランドの販売スタッフです。
お客様に合った香水選びをお手伝いしています。
サービス・取り扱い商品を説明する
お客様から「どんな香水がありますか?」「おすすめは?」と聞かれたときに使えるフレーズです。ブランドの紹介や人気商品、カスタムサービスの案内にも活用できます。
50種類以上の香水を取り扱っています。
カスタムフレグランスの調香サービスもあります。
日本ではフローラル系の香りが特に人気です。
まとめ
香水は、単なる商品ではなく、文化や価値観を映し出すパーソナルなアイテムです。
英語表現を覚えるだけでなく、その背景にある考え方の違いを理解しておくことで、接客の質もぐっと高まります。
販売現場で使える英語を文化ごと理解しながら身につけたい方には、オンライン英会話での実践練習もおすすめです。
実際の接客シーンを想定したロールプレイを通じて、現場で使える英語力を無理なく磨いていきましょう。


