インド西海岸に位置するゴア州。その中でも「オールド・ゴア(旧ゴア)」は、かつてポルトガルのアジア貿易の要として栄えた都市でした。ここには16~18世紀に建てられた荘厳なカトリック教会や修道院が数多く残されており、「ゴアの教会群と修道院群」として1986年にユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されています。
白い壁に青い空が映えるバロック建築、南国の緑とヨーロッパの風景が重なる不思議な町。かつて「東方一の貴婦人」と称されたこの地を、英語を学びながら一緒に旅してみましょう。
ゴアの教会群と修道院群とは?

ゴアの教会群と修道院群には、保存状態の良いものから廃墟と化したものまで、10以上の構造物が含まれています。その多くが旧ゴアに集中しており、ポルトガル植民地時代の宗教的・文化的遺産の象徴です。
建築様式にはルネサンス様式、バロック様式、そしてポルトガル独自のマヌエル様式などが見られ、西洋とアジアの文化が融合した美しさを今に伝えています。
訳)旧ゴアは「東方一の貴婦人」として知られ、かつてはポルトガル領インドの宝石でした。
オールドゴアとは?
オールド・ゴア(ヴェリャ・ゴア)は、15世紀にインドのビジャープル王国によって築かれました。1510年にポルトガルがこの地を占領して以降、ゴアはアジアにおけるキリスト教布教と貿易の拠点となり、「東洋のローマ」とも呼ばれるほどの繁栄を誇りました。
この町は要塞で守られ、ポルトガルの首都リスボンと航路で結ばれ、アフリカを経由する海上貿易の要所として栄えました。しかし、17世紀以降、疫病の流行や他国との競争によって徐々に衰退し、18世紀には事実上放棄されてしまいます。20万人いた人口は、わずか1500人にまで激減しました。
現在では、当時の華やかさを感じさせる教会や修道院のみが静かに佇み、過去の栄光を物語っています。
フランシスコ・ザビエルが眠る土地
1534年、ローマ・カトリック教会の大司教座が置かれると、多くの宣教師がゴアを訪れました。その中には、日本でも有名なフランシスコ・ザビエルも含まれており、彼はこの地からアジア各地へとキリスト教を伝えていきました。
ザビエルはインドのカースト制度に苦しむ人々へ「神の愛はすべての人に平等である」と説き、深く人々の心を打ちました。彼は1552年に中国の上川島で亡くなりましたが、遺体はマラッカを経てゴアへと運ばれ、今も巡礼地として多くの信者が訪れます。
旧ゴアの歴史年表
- 1510年:ポルトガルがゴアを占領
- 1534年:ローマ・カトリック大司教座が設立
- 1542年以降:イエズス会の宣教師が布教活動を展開
- 1600年代:カトリック文化が最盛期、「東洋のローマ」と称される
- 18世紀:疫病の流行で衰退、都市放棄
- 1961年:インドがポルトガルからゴアを奪還
- 1986年:ユネスコ世界遺産に登録
アクセス方法
日本からゴアへの直行便はないため、一般的には以下のルートがおすすめです。
成田空港 → ムンバイ(直行便:約10時間)→ ゴア(ダボリム空港)国内線:約1時間
ダボリム空港から旧ゴアまでは、車で約1時間ほど。観光の拠点となるパナジ(州都)からもアクセスしやすく、ツアーやタクシーを利用するのが便利です。
世界遺産としての価値

「ゴアの教会群と修道院群」は、1986年、Churches and Convents of Goaとして、ユネスコの世界遺産に登録されました。
登録理由とは?
主に以下のような点が評価されて、世界遺産に登録されました。
- ポルトガル建築様式の保存状態の良さ(特にバロック様式とマヌエル様式)
- アジアにおけるキリスト教布教の拠点としての歴史的重要性
- ヨーロッパとインドの文化的融合の象徴
この地は宗教建築だけでなく、ヨーロッパの文化がアジアでどのように受け入れられ、定着したのかを知る貴重な手がかりとなっています。
UNESCO World Heritage Convention:Churches and Convents of Goa
覚えておきたい英会話フレーズ
世界遺産を訪れるとき、英語で感動や歴史を伝えられると旅の楽しさが広がります。ここではゴアの教会群をテーマにした会話フレーズを紹介します。
訳)ボム・ジェズ教会の前に立ってるなんて信じられないね!
訳)ほんとにすごいよ。建築が壮大で、すごく静けさがあるね。
訳)この大聖堂、すごく大きい!こんなに壮大だとは思わなかった。
訳)セー大聖堂だよ。アジア最大級なんだって。
訳)ここって聖カジェタン教会よね?ローマの建物みたい。
訳)そうだよ!バチカンのサン・ピエトロ大聖堂がモデルなんだって。
訳)あの大きな壊れた塔、なに?
訳)聖オーガスティン修道院の廃墟だよ。鐘楼だけが残ってるんだ。
おすすめスポット

ゴアの世界遺産の中でも特に訪れてほしい教会や修道院を紹介します。それぞれ異なる歴史や建築様式を持ち、見どころ満載です。
セー大聖堂
ゴア最大の教会で、1619年に完成したポルトガル・マヌエル様式の大聖堂です。元々は1510年のポルトガルの勝利を記念して建てられたもので、かつては2つの塔がありましたが、片方は1776年に崩壊しました。
豪華な金箔装飾が施された祭壇、「黄金の鐘(Golden Bell)」と呼ばれるゴア最大の鐘も見どころ。内部は荘厳で、訪れる人を圧倒する美しさです。
ボム・ジェズ教会
イエズス会によって建てられたインド初のバシリカで、1549年に着工、1605年に完成。赤茶色のラテライト石で造られたバロック様式が特徴的です。
ここにはフランシスコ・ザビエルの遺体が納められており、10年に一度、一般公開されることで有名です。
アッシジの聖フランシス教会
隣接する修道院とともに建てられた教会で、華やかなマヌエル様式のファサードと内部のフレスコ画、金の装飾が特徴。木彫りの祭壇や天井画も見逃せません。
聖カジェタン教会
白い外壁とコリント様式の柱が印象的な教会で、ローマのサン・ピエトロ大聖堂を模して建てられました。内部はドーム型の天井があり、まるでヨーロッパにいるかのような錯覚を覚えます。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
ゴアの教会群と修道院群は、アジアに根づいた西洋文化の名残であり、信仰と歴史、芸術が重なり合う場所です。そんな場所を英語で紹介できたら、きっと旅がもっと楽しくなるはず。
英語を学ぶことは、世界を知ること。
Let’s explore the world with English and curiosity!
(英語と好奇心で、世界を旅しよう!)
