ヨーロッパの街を旅していると、必ずといってよいほど目に入るのが大聖堂です。その中でも、ベルギーのトゥルネーにそびえる「ノートル=ダム大聖堂」は、特別な存在感を放っています。
ロマネスク様式とゴシック様式が融合した独特の姿は、長い歴史と文化の記憶を今に伝えています。この記事では、この大聖堂の魅力を紹介しながら、英語表現も一緒に学んでいきましょう。
トゥルネーのノートル=ダム大聖堂とは?

「ノートル=ダム(Notre-Dame)」とはフランス語で「我らが貴婦人(Our Lady)」という意味で、キリスト教における聖母マリアを指しています。トゥルネーのノートル=ダム大聖堂は、その名にふさわしく気高く優雅な姿を誇ります。全長134m、翼廊の幅は66m、そして高さ83mに達する塔を含む5つの塔が立ち並ぶ姿は壮大で、訪れる人々を圧倒します。
トゥルネーってどんな町?
トゥルネーはベルギー南部、ワロン地域のエノー州に位置し、ベルギー最古の町のひとつとされています。紀元前のローマ帝国時代には「トゥルナカム(Tornacum)」という軍営都市として築かれました。また、フランク王国初代のクローヴィス1世が生まれた地でもあり、「フランス揺籃の地」と呼ばれることもあります。
歴史の積み重ねは街並みに色濃く残り、現在トゥルネーには2つの世界遺産が存在します。そのひとつがノートル=ダム大聖堂であり、もうひとつがベルギーとフランスにまたがる「鐘楼群」の一部であるトゥルネーの鐘楼です。小さな町ながら、歴史と文化の重みを感じさせる場所なのです。
ノートル=ダム大聖堂の歴史的背景
この大聖堂の建設が始まったのは12世紀。背景には当時の「ノートル=ダム信仰」の広がりと、トゥルネー市の繁栄がありました。また、当時のトゥルネー司教区をノワイヨン司教区から独立させるための動きもあったと考えられています。1171年5月9日には献堂式が行われ、大部分は現在もそのまま残っています。
ただし、内陣部分は13世紀にゴシック様式へ建て替えられました。アミアン大聖堂やソワソン大聖堂に触発された後期ゴシック様式の内陣は、ロマネスク様式の身廊や翼廊と対比をなし、大聖堂の独自の個性を形づくっています。
さらに近代では、1999年の竜巻によって屋根や建物が損傷し、2000年から大規模な修復が開始されました。この修復は今も続いており、完成は2030年の予定とされています。
ノートル=ダム大聖堂の特徴
この大聖堂の最大の特徴は、ロマネスク様式とゴシック様式の融合です。身廊部分にはロマネスク様式の三層アーチが50mにわたって連なり、重厚な雰囲気を漂わせています。一方で、13世紀に加えられたゴシック様式の聖歌隊席は、天井の高さと繊細な装飾で圧倒的な印象を与えます。外観では、ファサードにそびえる2つの塔と、全体で5つの尖塔がシンボル的存在となっており、当時のフランス北部との交流の影響がうかがえます。
アクセス
成田空港からブリュッセル国際空港まで直行便を利用できるため、日本からのアクセスも比較的便利です。ブリュッセル中央駅(Bruxelles-Central)からトゥルネーまでは電車で約1時間20分。駅から大聖堂までは徒歩20分ほどで到着します。日帰り旅行にも十分可能な距離です。
世界遺産としての価値
トゥルネーのノートル=ダム大聖堂は2000年、ユネスコの世界遺産に登録されました。登録名称は、「Notre-Dame Cathedral in Tournai」です。
登録理由は?
次のような点を評価され、世界遺産に登録されました。
- 12世紀初頭から短い期間にイル・ド・フランス地方で流行し始めたゴシック建築様式を持つ都市間との交流が見られる
- セーヌ河以北の広大なゴシック様式の大聖堂の先駆け的な建造物
建築史を学ぶ人にとっては必見の場所であり、また宗教的にも地域文化の中心であり続けている点も評価されました。
UNESCO World Heritage Convention:Notre-Dame Cathedral in Tournai
覚えておきたい英会話フレーズ
ここでは、ノートル=ダム大聖堂を訪れた際に役立つ、観光や感動を共有する場面での会話例を紹介します。他の旅行先でも応用できるフレーズばかりです。
訳)わあ、この大聖堂すごく大きい!
訳)本当に息をのむね。塔が壮大だよね。
訳)「ノートル=ダム」ってどういう意味?
訳)「我らが貴婦人」っていう意味で、聖母マリアを指すんだよ。
訳)ロマネスクとゴシックが混ざり合っているのが素敵。
訳)本当だね。まるで歴史の中を歩いているみたいだ。
訳)見て、ステンドグラス!色がすごくきれい。
訳)うん、太陽の光が差し込むと本当に幻想的だよ。
訳)この瞬間をずっと覚えていたいな。
訳)僕もだよ。一緒に写真を撮ろう。
おすすめポイント

ノートル=ダム大聖堂には、ステンドグラスや聖母マリアの聖遺物箱、歴史を物語るタペストリーなど、見どころが数多くあります。
ステンドグラス
ステンドグラスは、ノートル=ダム大聖堂でも大きな見どころです。天井の重さを柱へ分散させる建築技術により、分厚い壁が不要となり、代わりに大きな窓が設けられました。
そこに施された色鮮やかなステンドグラスは、光が差し込むと堂内を神秘的に照らし出します。下に配置されたパイプオルガンとの対比も美しく、訪れる人々を魅了します。
聖母マリアの聖遺物箱
この大聖堂には、ベルギーの「7大秘宝」のひとつとされる「聖母マリアの聖遺物箱」が収められています。13世紀に金銀細工師ニコラ・ドゥ・ヴェルダンによって制作されたもので、宝石や精緻な彫刻が施され、キリストの生涯の場面が表現されています。
普段は展示されていますが、国の祝日など特別な日には町に運び出され、多くの人々に公開されます。
その他の魅力
大聖堂の内部には、全長22メートルの壮大なタペストリーが飾られています。これは大聖堂の成り立ちや歴史を描いたもので、ベルギー伝統の織物文化を感じることができます。また、礼拝堂や彫刻、祭壇なども細部に至るまで見応えがあり、時間をかけてじっくりと鑑賞したい場所です。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
トゥルネーのノートル=ダム大聖堂は、ベルギー最古の町に立つ建築の宝石です。ロマネスクとゴシック、二つの様式が融合した姿は、訪れる人々に深い感銘を与えます。
英語で「Our Lady」と呼ばれるその大聖堂を歩きながら、歴史と文化、そして言葉の学びを重ねてみてはいかがでしょうか。世界遺産を旅することは、同時に新しい表現を学ぶきっかけにもなります。次の旅では、ぜひこの記事で紹介したフレーズを実際に使ってみてください。
