「TOEICって2時間もあるんでしょ?」「200問って多すぎない?」
初めて受験する人が最も不安に感じるのが、時間との戦いです。
実際、TOEICは英語力だけでなく、時間配分のスキルがスコアを大きく左右するテストです。
どんなに英語力があっても、時間を使いすぎて最後まで解けなければ本来の力は発揮できません。
この記事では、

  • TOEICの試験時間と全体の流れ
  • 各パートごとの時間配分の目安
  • リーディング・リスニング別の集中法
  • 本番で焦らないためのタイムマネジメント術

を、初心者でも実践しやすい形でわかりやすく紹介します。
2時間のテストを「焦らず」「最後まで」解き切るための準備を一緒に整えていきましょう。

TOEIC 試験時間(全体の流れと構成を把握しよう)

TOEIC 試験時間(全体の流れと構成を把握しよう)

まずは、TOEIC全体の試験時間と構成を正確に理解しておきましょう。
試験時間を知らないまま受けると、途中で焦ったり、後半に時間が足りなくなる原因になります。

TOEICの試験時間と拘束時間

TOEIC Listening & Readingテストは、合計約2時間(120分)で構成されています。
内訳は以下の通りです。

セクション 内容 問題数 試験時間
リスニング 音声を聞いて答える 100問 約45分
リーディング 文章を読んで答える 100問 約75分
合計 全200問 約120分(2時間)

ただし、実際の試験は「説明・マークシート記入・解答確認」などの時間を含めるため、
会場での拘束時間はおよそ3時間です。

TOEICの基本ルール

  • 一度始まると途中退室はできません。
  • 時間の延長・一時停止も不可。
  • リスニング→リーディングの順に進行し、リーディングではPart5から順に解答します。
  • 各Partに使える時間を強く意識しないと、後半の長文(Part7)で時間切れになることが多いです。

TOEICは「限られた時間で、いかに正確に・速く処理できるか」を問うテストです。
つまり、英語力 × タイムマネジメント力=スコア。
まずはこの時間の構造を頭に入れておくことが、全体を走り切る第一歩です。

TOEIC 時間配分(各パートの目安を把握しよう)

英検1級の時間配分

TOEICでは、時間配分がスコアを左右する最大のポイントです。
2時間のテストを200問解くため、1問あたりにかけられる時間はわずか30〜40秒。
すべての問題に丁寧に取り組むのは現実的ではないため、「どのパートにどれくらい時間を使うか」を事前に決めておくことが非常に重要です。

パート 内容 問題数 目安時間 コメント
Part1 写真描写問題 6問 約3分 短い英語を聞き取り、直感的に答える。
Part2 応答問題 25問 約9分 疑問詞を聞き逃さないことがカギ。
Part3 会話問題 39問 約17分 先読みを活用して会話の流れを把握。
Part4 説明文問題 30問 約16分 数字・人名・場所を意識して聞く。
Part5 短文穴埋め 30問 約10分 文法・語彙問題。1問20秒以内を意識。
Part6 長文穴埋め 16問 約10分 全体の流れを把握しながら素早く選択。
Part7 長文読解 54問 約50分 最も時間を使うパート。1問1分ペース。

全体で約120分のうち、リスニング45分+リーディング75分が基本構成です。
リーディングでは、Part5から順に解答し、各Partに使える時間を強く意識することが成功のカギになります。

TOEICリーディング時間(時間を意識して最後まで解き切るコツ)

時間配分:本番で焦らないための時間戦略

リーディングセクションは 75分で100問。
ここで「時間が足りなかった…」と感じる人が最も多いパートです。
なぜなら、問題数が多い上に文章量が膨大だからです。
しかし、各Partで使える時間を明確に意識して進めることで、最後まで解き切ることができます。

基本方針:Part5から順に解答し、各Partに使える時間を徹底的に意識する。
Part5・6で時間を使いすぎると、Part7がまったく終わらなくなるため、
「文法問題は5秒で判断」「読解は迷ったら飛ばす」くらいの意識が必要です。

時間短縮のためのリーディング戦略

1. 設問を先に読む

文章を読む前に設問に目を通しておくことで、答えを探すアンテナを立ててから読み進められます。
特にPart7では「What is the purpose of the email?」など目的を問う問題が多いため、
設問を把握しておくと本文を効率的に読めます。

2. “精読”より“情報スキャン”

1文1文を訳していては、時間が足りません。
キーワード(名前・日付・数字・会社名など)にマーカーをつけながら、全体の流れを掴む読み方に切り替えましょう。

3. 難問は飛ばす勇気を持つ

TOEICは全問同じ配点。
時間のかかる長文や、判断に迷う問題は一度仮マークして後回しに。
1問に30秒以上かけないをルール化すると、ペースが安定します。

TOEICリスニング時間(45分を集中して走り切るコツ)

リスニング

TOEICのリスニングセクションは 約45分で100問。
途中で音声が止まることはなく、1度しか流れません。
そのため、「聞き逃した=終わり」となる非常にシビアなパートです。
一方で、リスニングは慣れと準備次第で得点が最も上がりやすいセクションでもあります。
ここでは、限られた45分を最大限に活かすための時間感覚とコツを紹介します。

リスニングの全体構成と時間配分

Part 内容 問題数 試験時間(目安)
Part1 写真描写問題 6問 約3分
Part2 応答問題 25問 約9分
Part3 会話問題 39問 約17分
Part4 説明文問題 30問 約16分
合計 100問 約45分

音声はすべて1回のみ再生。問題と問題の間もテンポが速く、集中力が切れると一気に置いていかれます。

1. Part1・Part2は反射的に答える

Part1(写真描写)は問題文が短く、テンポも速いので、迷わず直感で選ぶことが大切です。
Part2(応答問題)は疑問詞(who, where, whatなど)を聞き取った瞬間に、答えの方向性をイメージします。
ポイントは、「理解」より「反射」。
1問にかける時間は10秒前後です。迷ったら次に切り替えましょう。
反射的な解答力を鍛えるために「TOEIC® L&Rトレーニング」を活用するのもオススメです。

2. Part3・Part4は“先読み”がすべて

会話(Part3)と説明文(Part4)は音声が長いため、設問を先に読むことが最重要です。
リスニングパートで最も時間を活用できるテクニックです。

先読みの流れ

  1. 問題文が読み上げられる前に、設問を3問すべて確認
  2. 「人名」「数字」「場所」「目的」などをメモしておく
  3. 音声を聞きながら該当箇所を探すイメージで聞く

先読みを習慣化できると、音声が長くても焦らず聞き取れます。

3. 集中力を45分保つための工夫

リスニングでは途中で集中力が途切れがちです。
そこで、以下の「小さなリセット」を意識しましょう。

  • Partが変わるごとに深呼吸して姿勢を整える
  • 話題が変わるタイミングで一瞬だけ目線をリセット
  • 聞き逃しても焦らず、「次の問題に意識を切り替える」

リスニングは失敗を引きずらない力も大事です。
1問ミスしても気持ちを切り替えれば、次の10問で十分に取り返せます。

4. 日常の中で「耳の持久力」を鍛える

45分間集中して聞くには、リスニング体力を鍛える必要があります。
おすすめの方法は以下の通りです。

  • 通勤中に英語音声(TOEIC公式・ポッドキャストなど)を聞く
  • 毎日10〜15分のシャドーイングで集中力を育てる
  • 週に1回は模試を通しで聞き切る

こうした習慣を続けることで、45分間集中する「耳の持久力」が自然に身につきます。

TOEIC タイムマネジメント(本番で焦らないための時間戦略)

英検1級の直前対策は何をすべき? 時間配分についても解説

TOEICでスコアを上げるために最も大切なのは、限られた時間をどう使うかです。
英語力そのものよりも、「時間の管理が上手い人」がスコアを伸ばしています。
ここでは、試験全体を通して焦らず実力を発揮するためのタイムマネジメント術を紹介します。

1. 難問にこだわらない

TOEICはすべての問題が同じ配点です。
1問に時間をかけすぎるのは大きなリスク。
リーディングでは 「30秒迷ったら次へ進む」 をルールにしましょう。
マークシートは一度仮マークして、後で戻ってもOKです。
焦るよりも「次の1問に切り替える勇気」が高得点への近道です。

2. リーディングはPart7に時間を残すことを意識

Part5・6で時間を使いすぎると、長文読解(Part7)が解けなくなります。
Part7は出題数が多く、内容もビジネス文書中心で得点源になりやすいパートです。
Part5→Part6→Part7の順で進めつつ、Part7に必ず50分残す意識を持ちましょう。
リーディングで「焦る=読むスピードが乱れる」。
問題の難易度ではなく、自分のペースを守ることを最優先にします。

3. リスニングは先読みと切り替えが命

リスニングは45分間、音声が止まらずに流れます。
一度聞き逃すと戻れないため、「1問を引きずらない切り替え力」が大事です。

  1. 設問は音声の前に素早く読む
  2. 聞き逃しても気にせず次の問題に集中
  3. Partが変わるたびに一度深呼吸をしてリセット

この3点を意識するだけで、最後まで集中力を維持できます。

4. 模試で時間感覚を鍛える

タイムマネジメントは本番で意識するのではなく、練習段階で体に覚え込ませるものです。
おすすめは以下の3ステップ。

  • 1回目:時間を気にせず全問解く(構成を理解)
  • 2回目:パートごとの目安時間で挑戦
  • 3回目:本番同様、120分通しで模試に挑戦

このサイクルを3回繰り返せば、「2時間をどう使うか」が自然と身につきます。
初心者であれば「TOEIC L&Rテスト全パートをひとつひとつわかりやすく。」を使ってまずは出題傾向をつかむと良いでしょう。

5. 試験当日の時間管理のコツ

  • 開始30分前に会場入りし、心拍数を落ち着けておく
  • 腕時計を持参し、リーディング開始時刻を明確に記録
  • 45分経過時点でリスニング終了 → リーディング開始を意識
  • 残り時間が20分を切ったら、マーク漏れ確認にシフト

また、TOEICは休憩なしで約3時間拘束される試験です。
本番前には軽食をとり、集中力を維持できるコンディションを整えましょう。

まとめ

TOEICは「英語力+時間配分力」の試験です。
英語を学ぶだけでなく、2時間を走り切る練習を意識しましょう。
パートごとの時間目安を把握し、模試でペースを確認しておけば、
本番では落ち着いて解き切ることができます。
焦らず、自分のペースを守る。
それが、時間との戦いに勝つための一番の秘訣です。