スペイン北西部、ガリシア地方の都市ルーゴ。この街をぐるりと囲むのは、3世紀後半にローマ帝国によって築かれた壮大な石造りの城壁です。
全長約2.1km、高さ最大12m、85基の塔を持つこの城壁は、当時の都市防衛の最高峰といわれ、2000年、ユネスコ世界遺産に登録されました。
現在もほぼ完全な形で旧市街を取り囲み、スペインでも保存状態のよい古代都市のひとつです。
訳)ローマの城壁を歩くと、まるで時をさかのぼったような気分になります。
ルーゴのローマ城壁とは?

ルーゴの旧市街を円のように取り囲むこの城壁は、ローマ帝国の都市防衛技術の結晶です。築かれてから1700年以上、一度も完全に崩壊したことがなく、当時の姿を伝えています。
城壁とその内側にあるルーゴ大聖堂(Catedral de Santa María)、そして周辺を通るサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(Camino de Santiago)は、いずれも世界遺産群の一部を構成しています。
▼サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路についての記事は、下記をご覧ください。
ルーゴのローマ城壁の歴史
ルーゴの地には旧石器時代から人が住み、ローマ以前にはケルト人がこの地を拠点としていました。
紀元前15~13年、初代皇帝アウグストゥスの命により、ローマ軍団が要塞都市ルクス・アウグスティ(Lucus Augusti)を建設。ルクスとは「明るい」あるいは「聖なる森」を意味すると言われ、この地が神聖な意味をもっていたことがうかがえます。
当初、城壁はありませんでしたが、3世紀末から4世紀初頭、帝国が外敵からの防衛を必要とする時代に入り、この堅固な石の城壁が築かれました。その後も中世を通してルーゴは重要な宗教都市として発展。
9世紀には聖ヤコブの墓の発見によりサンティアゴ巡礼が盛んになり、ルーゴは「原始の道(Camino Primitivo)」上の主要都市として栄えました。
1129~1273年にかけて建てられたルーゴ大聖堂は、巡礼者の心の拠りどころとして、今も多くの人が訪れています。
ルーゴへのアクセス
ルーゴはスペイン北西部、ガリシア州の内陸にある歴史都市です。最寄りの大都市はサンティアゴ・デ・コンポステーラで、鉄道やバスで約2時間ほど。マドリードやア・コルーニャからも直行バスが運行しています。ルーゴ駅から旧市街までは徒歩約15分ほどで、駅を出るとすぐに城壁の壮大な姿が見えてきます。
街の中心部はコンパクトで、徒歩でゆっくり巡るのにちょうど良いサイズです。城壁の上を歩きながら街全体を見渡すのもおすすめ。
世界遺産としての価値
ルーゴのローマ城壁(Roman Walls of Lugo)は2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
登録の理由は?
この遺産は次のような点を評価されて、世界遺産に登録されました。
登録基準 (iv)人類史的に重要な建造物や景観
ルーゴの城壁は、ローマ時代後期の都市防衛建築を伝える希少な例であり、その完全な保存状態と都市との共存が高く評価されました。
覚えておきたい英語
wall(壁、城壁)
The Roman wall surrounds the old town.
ローマの城壁が旧市街を囲んでいます。
preserve(保存する)
Lugo has preserved its Roman heritage beautifully.
ルーゴはローマの遺産を美しく保存しています。
ancient(古代の)
These are ancient Roman walls.
これは古代ローマの城壁です。
walkway(歩道、遊歩道)
There’s a walkway on top of the wall.
城壁の上には遊歩道があります。
view(景色、眺め)
The view from the wall is breathtaking.
城壁からの眺めは息をのむほどです。
旅先で使える英会話フレーズ

この世界遺産を訪れた時に使える英語フレーズを紹介します。
訳)わぁ、この城壁すごい!どれくらい古いの?
訳)3世紀のもので、1700年近く前なんだよ。
訳)本当に上を歩けるの?
訳)もちろん!今は遊歩道になってるんだよ。
訳)ここからの景色、最高ね!
訳)旧市街と新市街、両方見えるね。
訳)昔ここをローマ兵が歩いていたのね。
訳)本当に、歴史が息づいてる感じだね。
おすすめポイント
ルーゴのローマ城壁は、まるで時間が止まったかのように当時の姿を現代に伝えています。2kmを超える城壁の上を歩けば、眼下に広がる旧市街の石畳や教会の塔が美しく、古代から続く街の鼓動を感じることができます。おすすめポイントを紹介します。
当時のままの姿
ルーゴの城壁は、建設以来一度も完全に壊されたことがありません。ほぼ完全な姿で旧市街を取り囲んでいます。
城壁の上は「Paseo de la Muralla(パセオ・デ・ラ・ムラリャ)」と呼ばれる遊歩道として整備され、誰でも歩くことができます。古代ローマの石の上を歩きながら、旧市街と新市街の対比を楽しむのは格別の体験です。
包みこむ城壁
ルーゴの城壁は街をぐるっと包み込んでいます。上から見ると完全な円形に近く、街全体を優しく守るように立っています。
通路の石畳を踏みしめながら歩くと、
“The wall never ends—it just keeps going!”(城壁が永遠に続いているみたい!)と感じるはず。
昼間は青空に映える灰色の石が美しく、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気に。
昼夜でまったく違う表情を見せるのも魅力のひとつです。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
ルーゴのローマ城壁を歩けば、2000年前のローマ人の息遣い、中世の巡礼者の祈り、そして現代の人々の生活がひとつにつながっていることを感じます。英語で旅をすれば、その感動を世界中の人と共有できます。
英語は、旅の楽しさを何倍にも広げてくれる言葉です。現地の人と笑顔で言葉を交わしたり、海外の旅仲間と歴史の話をしたり。そんな瞬間に、学んできた英語が生きてくるはずです。次の旅先でも、心を開いて「Hello!」から始めてみましょう。

