先日甥っ子が我が家に遊びに来た際、落書きを書いた紙を家の至るところに隠すゲームをしました。

全部で8枚隠したと彼は当時言っていましたが、彼が帰った後もポロポロ思わぬところから発見され、なんだかんだで12枚くらいは隠されていました。もしかしたら、まだどこかに眠っているかもしれません…。

さて、そんなわけで今回のテーマは「落書き」です。英語で落書きを何と表現すれば良いか、スラングも含めて詳しく確認していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

「落書き」は英語で何て言う?

「落書き」は英語で何て言う?

「落書き」を英語で表す際は、主に “graffiti”、”sketch”、”doodle”、”scribble” の4種類の表現が使われます。

それぞれに表す落書きのニュアンスが異なるので、1つずつ詳細を確認していきましょう。

壁の落書きを表す “graffiti”

ストリートアートのような、壁に描かれる落書きは “graffiti(グラフィティ)” と言います。基本的には「落書き」という名詞で使うことが多いですが、「落書きする」という動詞で使うことも可能です。

graffiti の語源はイタリア語で「引っかく」を意味する graffito だといわれています。チョークなどで壁を引っかいて描いた落書きのイメージが発展して、現在のような意味で使われるようになったのでしょう。

日本語のカタカナ英語「グラフィティ」を聞くと、何やら芸術的な雰囲気を感じますが、単なる落書きも graffiti です。

自分の家の壁に描く分には自由ですが、他人の家や公共物に描くのは立派な犯罪行為なので、許可がない限りは絶対にやめましょう。

Aさん
Graffitiing on someone else’s house wall is a crime.
訳)他人の家の壁に落書きをするのは犯罪です。

細部を省いた大まかな写生を表す “sketch”

何か絵を描こうとして、細部を省いてラフに描く場合は “sketch(スケッチ)” と言います。名詞と動詞どちらでも使用可能です。

sketch の語源は古代ギリシア語で「一時的な」を意味した skhedios で、時間がないときに描く一時的な絵のイメージから、現在のような使われ方をし始めたと推測されます。

sketch は絵のプロから見ると落書きの一種ですが、絵に心得がない人から見ると、立派な絵に映るでしょう。

Aさん
The sketch he drew looks like a work of art to me.
訳)彼が描いたスケッチは、私にとっては芸術作品のように見えます。

ノートなどに書くイタズラ書きを表す “doodle”

退屈してノートなどにイタズラで書く落書きは “doodle(ドゥードル)” と言います。

doodle は明確な語源が不明な珍しい単語で、「イタズラ書きをする」という動詞でも、「イタズラ書き」という名詞でも使えます。

先述の sketch と違い、不定形の図形や簡素なイラストなどのイメージです。

これは推測ですが、綴りが似ていることから、おそらく noodle(麺)のように描線がフニャフニャしている様子から生まれた表現なのではないかと思われます。

Aさん
When I lent my friend a textbook, it came back covered in doodles.
訳)友達に教科書を貸したら、落書きだらけになって返ってきました。

殴り書きしたような線を表す “scribble”

もはや落書きかも怪しいくらい、グチャグチャに殴り書きしたような線は “scribble(スクリブル)” と言います。「落書きする」という動詞、「落書き」という名詞どちらも表せます。

scribble の語源は「書く」を意味するラテン語 scrībō で、同じ語源の単語として scribe(書く)や script(台本)などが挙げられます。

scribble のイメージは、自分でも何を書いているか分からないくらいのグチャグチャした線です。先ほどの doodle が一応絵の体裁を保っているのに対し、scribble は絵とも言えない落書きを想像してもらうと良いでしょう。

Aさん
The writing my father did looks nothing but scribbles to me.
訳)私の父が書いた文字は、どう見ても落書きにしか見えません。

「落書き」を表す英語のスラング

「落書き」を表す英語のスラング

以上4種類の「落書き」を表す英単語を確認してきましたが、その中でも若者の間でカルチャーとしてホットなのが、壁に描く graffiti ですね。

というわけで、英語圏の若者たちが graffiti を表す際は、色々なスラングが使われます。ここでは、代表的な4種類のスラングについて、確認していきましょう。

「落書き」のスラング①:graff

“graff(グラフ)” は、壁の落書きを意味する graffiti を単に短縮しただけのスラングです。

日本語でも若者言葉は既存の単語を短くする傾向にありますが、英語でもその点は同じだと分かりますね。

「落書き」という名詞、「落書きする」という動詞いずれの使い方も可能です。

Aさん
Did you write that super cool graff?
訳)あの超クールな落書きを書いたのはあなた?
Bさん
Yeah, I did! Pretty awesome, huh?
訳)そうだよ!すごいだろ?

 

Aさん
Yeah, it’s awesome. Would you mind telling me all about it at the police station?
訳)ええ、すごいわ。ぜひ署でお話しを聞かせてくれる?
Bさん
What the heck.
訳)何てこったい。

 

「落書き」のスラング②:tag

“tag(タグ)” は、サインやマークなどのシンプルな落書きを指すスラングです。

tag はもともと名札などを意味していた単語なので、誰が落書きしたかアピールするものとして、このような意味に発展したのでしょう。

こちらも、名詞と動詞両方の使い方ができます。

Aさん
This tag, it’s probably done by a famous street artist.
訳)この落書き、たぶん有名なストリートアーティストが描いたものだ。

「落書き」のスラング③:throw-up

大きく派手に描かれた落書きを表すスラングとして “throw-up(スロウンアップ)” もよく使われます。

throw up はもともと「吐く、嘔吐する」を意味する動詞で、色を広範囲に塗りつぶすことから、このような意味のスラングに発展したのだと思われます。

こちらは動詞としては使われず、基本的に名詞のみで使われます。

Aさん
Have you seen the thrown-up on that wall? It’s quite intricate.
訳)あの壁にある落書き見た?かなり手が込んでるよ。

「落書き」のスラング④:piece

相当な労力をかけて作ったストリートアートを指すスラングとして “piece(ピース)” も使われます。

これはもともと「傑作」を意味する言葉 “masterpiece” の略語として生まれた表現で、そのままの意味で「傑作としてのストリートアート」の意味を表します。

日常会話で使うことはまず無いですが、ストリートカルチャーがお好きな方なら、覚えておくと良いでしょう。

Aさん
I heard John finished a sick piece.
訳)ジョンが大作を仕上げたらしいよ。
Bさん
Seriously? Let’s go check it out!
訳)まじ?見に行こう!

 

まとめ

今回は「落書き」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

落書きを表す英単語は “graffiti”、”sketch”、”doodle”、”scribble” の4通りです。壁などに描くのが graffiti、ノートなどに描くラフ画が sketch、イタズラ書きが doodle、殴り書きが scribble といった違いがあります。

特に graffiti はストリートカルチャーとして大きく発展しているので、graff や piece など、スラング表現も多数派生しています。

今回ご紹介したことを参考に、英語で色々な落書きを表現していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!