好きな女優さんが出ている今期のドラマを見てみたら、印象がまったく違っていてびっくり。もはや別人の域です。いやはや、女優さんの演技力って本当にすごいものですね。

ということで、今回のテーマは「女優」です。女優を英語で何と言うか、実は昔と今で、状況がちょっとずつ変わってきてるんです。

そのあたりの事情から、女優以外の芸能人の表現の仕方まで、芸能人に関する表現をいろいろご紹介します。

それでは、早速始めていきましょう!

「女優」は英語で何て言う?

女優は英語で “actress” と言います。発音記号は「ˈæktrəs(ˈaktɹəs)」で、カタカナで表現すると「アクトレス」となります。

ちなみに、男優の場合は “actor”、発音記号は「ˈæktɚ(ˈæktɜ:)」、「アクター」と発音します。

さて、ここで actress とactor を見比べてみましょう。すると、”act-“ の部分までが同じだということがわかりますよね。

このact- という語根は「動き」を意味していて、actress と actor 以外にも、action(動作)やactivity(活動)、actual(実際)などに含まれています。女優と男優は、舞台上で演技活動をするから act- が使われているんですね。

-or = 男性 / -ess =女性

そして、actor、actress に付いている “-or” と “-ess” はそれぞれ、男性と女性を表す接尾辞(単語の末尾部分)です。その他にも、以下のような単語に使われています。

男性(male) 女性(female) 意味
waiter waitress 給仕者
emperor empress 皇帝
(steward) stewardess 客室乗務員
doctor doctress 医者
director directress 監督

しかし、このような男女の住み分けが完全になされていたわけではありません。実際、”doctress” や “directress” という言葉自体は存在しても、それらが実地で使われることはほとんど無く、現在では辞書に載っているだけの存在です。このように性別で分けられ、対になっている単語は “gendered language(性的に分けられた言葉)” と呼ばれています。日本でも看護士や看護婦に代表される「〇〇士」「〇〇婦」という似た表現がありますね。

女優も actor に?

そして近年、欧米ではジェンダーに配慮するために “gender-neutral(男女の区別なく性的に中立)” な言葉を積極的に使うようになり、男女で区別していた言葉の多くがその呼び方を変えてきています。

たとえば、「給仕者」を表す waiter と waitress は “server” に、「客室乗務員を表す」 steward と stewardess は “flight attendant” に、といった具合です。

そして、その波は actor と actress にも及んでおり、現在では男女の区別なく一律に “actor” と呼ぶようになってきています。特に女優さんが自分で名乗る場合に actor を使うことが多いです。

Aさん
I’m a actor.
訳)私は俳優です。
Bさん
I’m a actor, too.
訳)私も俳優です。

 

actor 以外の言葉が生まれるかも?

男女で呼び名を統一するとはいえ、actor という名称は長らく男優を指す言葉として使われてきたため、未だに女性を指して使うことに違和感を覚える人が一定数いるようです。

実際、waiter と waitress の場合も、どちらかに寄せると違和感が生じるために新しく server という言葉を用立てたのだと思われます。日本の「看護士」「看護婦」を「看護師」に統一したのも同じような理由だと思われます。

そのため、もしかしたら今後 actor と actress に代わる、新たな「俳優」を指す言葉が生まれるかもしれません。

もし生まれるとしたら一体どんな言葉なんでしょうか。想像するだけでも楽しいですね。「自分だったらどんな名前を付けるか」、ぜひいろいろ考えてみましょう。

 

主演女優など、〇〇女優の言い方

主演女優など、〇〇女優の言い方

女優と一括りに言っても、新人さんからベテランさんまで、その種類はさまざま。

ということで、ここでは「〇〇な女優さん」という表現について、代表的なものをピックアップしてご紹介します。

主演女優

映画や舞台で主演を務める女優さんは “leading actress” と呼びます。読み方は「リーディング アクトレス」。

lead は「率いる」という意味で、 “leader(リーダー・指導者)” という言葉のもとにもなっています。

主演女優とは、他の役者やスタッフを率いる存在、ある意味で舞台上のリーダーのようなものということですね。

Aさん
The leading actress of the movie is famous for her volunteer activities.
訳)その映画の主演女優は、ボランティア活動をしていることで有名です。

 

大物女優

誰もが知る大物女優を表したい場合は、”A-list actress” と言いましょう。

A-list は「リストのA欄(最上位)に居る」という意味合いの形容詞で、さまざまな職業に付記して使われます。日本語で言うところの「第一線の」に近いイメージの言葉です。試しに、”A-list actress” で検索してみてください。誰もが知るレベルの、超有名女優さんたちがいっぱい出てきますよ。

Aさん
His mother is an A-list actress.
訳)彼のお母さんは大物女優です。

 

 

ちなみに、AがあるからにはB以下もあるんだろうと思った方、正解です。”〇-list” という表現は一般的に A、B、C、Dの4段階が存在し、A級・B級・C級・D級といった意味合いで使われます。いやはや、D-list なんて失礼過ぎて、口が裂けても言えませんよね…。

新進気鋭の女優

今まさに勢いに乗っている女優さんは、”up-and-coming actress” と表現します。

up-and-coming は、直訳すると「上の方にやってくる」。スターダムの階段を今まさに上っている途中のイメージです。

Aさん
She is well known as an up-and-coming actress.
訳)彼女は新進気鋭の女優としてよく知られています。

 

女優の卵

日本では成長途中にある人のことを「〇〇の卵」と言いますが、英語では「卵(egg)」とは表現せず、「作っている途中」ということで “in the making” をくっつけます。そのため、女優の卵は “actress in the making” と言えばOKです。

この表現、他の「〇〇の卵」の場合にも使えますので、ぜひ活用してみてくださいね。

Aさん
I’m an actress in the making!
訳)私って女優の卵だからさ!
Bさん
When will it be made completely?
訳)その卵はいつ孵化するんだい?

 

女優以外の有名人・芸能人の呼び方

女優以外の有名人・芸能人の呼び方

日本では、女優さんを含め、タレントさんや芸人さん、はたまたスポーツ選手の方々なんかもひっくるめて、テレビで活躍する人々のことを「芸能人」と呼びますよね。しかし、英語にはそのような、日本の「芸能人」に相当する呼び方は存在しないんです。では、彼らのことは英語で何と表現すれば良いのでしょう。

ということで、最後にテレビで活躍する人々の英語での呼び方について確認していきたいと思います。

有名人・芸能人の呼び方①:celebrity

日本の「芸能人」のイメージに近いのが “celebrity” という言葉。読み方は「セレブリティ」です。日本でも「セレブ」と略してお金持ちを指す言葉として使われていますが、本来の celebrity はお金持ちというより「誰もが知る超有名人」といった意味です。

極端な話、超有名でさえあれば良いので、お金持ちである必要はありません。まぁ、たいていの場合「超有名=お金持ち」という定式が成り立ってしまいますが…。

Aさん
I wish I were a celebrity!
訳)あーあ、私がセレブだったらなー。

 

有名人・芸能人の呼び方②:TV personality

日本の芸能人の中には、celebrity と呼べるほどの超有名人でない人(失礼?)もたくさんいますよね。そのような人々の場合は “TV personality”と呼ぶと良いでしょう。

personality(パーソナリティ) の原義は「個性を持った一個人」といった意味。そのため、テレビの世界で個性を活かして立ち回っている人たちは皆さん TV personality と呼ぶことができます。

Aさん
My brother is a popular TV personality.
訳)私の兄は今人気の芸能人です。

 

有名人・芸能人の呼び方③:TV star

テレビで活躍している人は “TV star” と呼ぶこともあります。日本でも芸能人を指して「スター」と呼ぶことがあるので、違和感なく使えるのではないでしょうか。

とはいえ、TV star の呼称が使えるのは、主役を務めたりメインMCをしていたりという一握りの花形芸能人たちだけです。むやみやたらに TV star と表現するのはやめておきましょう。

Aさん
My dream is to be a TV star someday.
訳)私の夢は、いつかテレビスターになることです。

 

番外編:talent

日本では、テレビに出ている人々を「タレント」と呼びますが、これは完全に和製英語です。芸能人を指して “a talent” と言っても、外国人には通じないので注意してください。

Aさん
I saw a famous talent on my way home!
訳)帰り道に有名タレント見ちゃった!
Bさん
What does it mean?
訳)どういうこと?

 

この talent という単語、もともとは「才能」という意味で、いろいろな業界で才能をもった人々を指して使われています。そのため、以下のような使い方はOKです。

Aさん
He is a talent at table tennis.
訳)彼は卓球の才能に溢れる人だ。

 

 

まとめ

今回は「女優」をメインテーマにご紹介しました。

いろいろな職業の名前や芸能人の呼び方など、日本とは違う英語独自の文化が垣間見えたのではないでしょうか。

今回ご紹介したことを参考に、ぜひ英語表現の幅を広げていってくださいね。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!