「環境」というと、どんなイメージがわくでしょうか。
すぐに思い浮かぶのは、「環境問題」など、自然環境に関する話題かもしれません。
しかし「環境」という言葉は、「家庭環境」や「ネットワーク環境」など様々な場面でも見かけますよね。

英語で表現する場合、「環境」=「environment」という訳を思いつく方が多いかもしれませんが、日本語でいう「環境」全てを「environment」だけで表せるわけではなく、様々な英語表現が使われます。

この記事では、「環境」を英語で表す時に使われる様々な表現を紹介します。
具体的な使い方と併せて、発音やアクセントも見ていきましょう。

「環境」を表す3つの単語

environment

「環境」を英語で表現するには、「environment」を使うのが一般的です。
自然環境について話す時に使うことが多いイメージですが、自然環境だけではなく、今生活している場所や状況など、広い意味での「環境」全般に対して使う表現です。

発音としては、発音記号で表記すると[ɪnvάɪ(ə)rə(n)mənt]となり、カタカナで表現するなら「インヴァイラメント」という感じになります。「ヴァイ」の部分に強くアクセントを置いて発音しましょう。
2つ目の「n」を発音するのかどうか迷う人も多いと思いますが、基本的には発音しないことが多いです。

surroundings

「身の回りを取り巻く環境」を意味する場合、「surroundings」を使います。「environment」より具体的で身近な環境を表現する時に使います。

「surround(囲む)」という動詞から派生した言葉ですが、「環境」という意味で使う時は複数形を使いましょう。単数形で「surrounding」というと、 「包囲」という意味になってしまうので注意が必要です。

発音としては、[səráundiŋz](サラァウンディングス)となります。

具体的には、以下のようなフレーズで使われます。

Aさん
This place has great surroundings to study.
訳)この場所は勉強するには最高だね。
Aさん
I’d rather change my surroundings than be changed by them.
訳)環境に自分を合わせるぐらいなら今いる環境を変える。

circumstances

「環境」を表す英語として、「circumstances」という表現もあります。「経済状況・境遇」という意味での「環境」を指す表現です。

surroundingsと同じく、「環境」という意味で使う時は複数形になるので注意しましょう。
発音としては、[sə́ːrkəmstæ̀nsʌz]サァカムスタンスィズ)となります。

「circum」の語源は「circle」と同じなので、円のように囲まれている状況を想像すると、イメージがわきやすいかもしれません。
そして「stance」は「state(状態)」と同じルーツの言葉なので、「周りを取り巻く状態」としての「環境」を表す言葉といえます。

そのため、以下のような状況でよく使われる単語です。

Aさん
He is slow to adapt himself to new circumstances.
訳)彼は新しい環境に順応するのが遅い。

また、「circumstances」は、「in」や「under」と一緒に使われることの多い単語です。

Aさん
She lives in poor circumstances.
訳)彼女は貧しい環境で暮らしている。
Aさん
Thank you for coming to Japan under these difficult circumstances.
訳)この困難な環境の中で、よく日本に来てくださいました。

「environment」を使った様々な表現

「environment」を使った様々な表現

地球環境にまつわる「environment」

地球環境について表す時は、ほぼ「environment」を使うことになります。
日本だけでなく世界中で重視されている事柄なので、英語でコミュニケーションをとる時も話題にしやすいですし、ぜひ英語で議論できるようにしておきたい話です。
地球環境を表すフレーズには、以下のようなものがあります。

  • 環境問題:environmental issue
  • 環境破壊:environmental destruction
  • 環境汚染:environmental pollution
  • 環境アセスメント:environmental assessment

環境問題を表す場合は、このように「environmental」という形容詞を使うことが多いです。
「issue(問題)」「destruction(破壊)」「pollution(汚染)」「assessment(査定、アセスメント)」というように、後ろに名詞をつけることで様々に応用できます。

具体的には、以下のようなフレーズで使います。

Aさん
we need to address environmental issues.
訳)私たちは環境問題に取り組まなければなりません。

「環境問題に取り組む」ことを表現したい時は、他に「To deal with environmental issues」「To solve environmental problems」「To tackle environmental concerns」などということもできます。

他には、以下のようなフレーズで使われます。

Aさん
One example of environmental destruction is deforestation.
訳)環境破壊の一例として森林破壊が挙げられます。

「環境破壊」は「environmental destruction」と表現するのですが、「森林破壊」という場合は「deforestation」という単語を使うのが一般的です。

「pollution」という単語は、「air pollution (大気汚染)」、「water pollution (水質汚染)」などと使うことができます。

ただ、「pollution」は「人体に害のある汚染」というニュアンスが強いため、「人体に害のない異物混入」というニュアンスが強い場合は、「soil contamination(土壌汚染)」などと「contamination」を使う方が一般的です。

家庭や職場の環境を表す「environment」

「environment」という言葉は、「家庭環境」や「職場環境」を表す時にも使えます。日常会話でもよく使われるので、おさえておくと英語でのコミュニケーションの幅がかなり広がるでしょう。

家庭環境や職場環境などを表す表現には、以下のようなものがあります。

  • 家庭環境:one’s home environment
  • 子育て環境:child-rearing environment
  • 育った環境:the environment I grew up
  • 職場環境:work environment
  • 室内環境:indoor environment
  • 新しい環境:new environment

全て名詞の「environment」を使った表現です。「environment」と簡単な単語を組み合わせるだけで、様々な環境を表すことが出来ます。

具体的には、以下のようなフレーズで使います。

Aさん
How about Japanese child-rearing environment?
訳)日本の子育て環境はどうですか?
Bさん
Not good. Japan is the worst I think.
訳)良くありませんね。日本が最下位なのではと思います。

「rearing」は「rear(子どもを大人になるまで育てる、しつける)」という動詞の現在分詞です。子育てについて話す場合は「rear」を使うことも併せて覚えておきましょう。

「子育て」についての英語表現が気になる方は、以下の記事もおすすめです。

お子さんの英語教育についての情報は、バイリンガル保育士による子育て英語のコーナーに掲載されています。

職場の環境に早く慣れるための情報なら、以下のような記事もおすすめです。


ITの環境を表す「environment」

「ネットワーク環境」などという表現で使う「環境」も、「environment」を使って表すことができます。
IT関連の「環境」を指す場合、以下のような表現を使います。

  • IT環境:IT environment
  • ネットワーク環境:network environment
  • Wifi環境:Wifi connection
  • パソコン環境:PC environment
  • サーバー環境:testing environment

「サーバー環境」以外は、既にカタカナ語としてよく使われている表現ばかりなので覚えやすいですね。
ただ、「Wi-Fi環境」については、「environment」より「connection」を使う方が適切です。

具体的には、以下のようなフレーズで使います。

Aさん
I need a PC environment to earn money at home.
訳)在宅で稼ぐためにパソコン環境が必要なんだけど。
Bさん
Alright. I’ll set up later.
訳)わかった。後で設定してみるよ。
インターネット関連の英語表現について知りたい方には、以下の記事もおすすめです。

environmentの派生語

 

「environment」という単語を勉強するなら、基本的な名詞形だけでなく、様々な語尾が付いた形も併せて覚えておきましょう。

 

  • environmental:環境の(形容詞)
  • environmentally:環境的に、環境上(副詞)
  • environmentalism:環境説(名詞)
  • environmentalist:環境問題の研究者、環境保護主義者(名詞)

 

形容詞形は語尾に「-al」、副詞形は語尾にさらに「-ly」が付きます。

 

「-ism」という語尾が付いた言葉は、「~説」「~主義」と訳すと自然です。
「バイオリズム」や「フェミニズム」といったカタカナ語として日本語でも使われていますね。

 

「-ist」が語尾に付くと、「〇〇専門家」「〇〇主義者」のような「人物」を表します。
「エゴイスト」や「フェミニスト」という言葉は、日本人にもなじみ深い表現ですよね。

「env」って何の略?

 

プログラミングに携わる方なら、「env」というコマンドがどんな英単語の略なのか気になったことがあるのではないでしょうか。

 

「env」はUNIX系(Linux・Macなど)で使われるコマンド(命令)ですが、「env」は「environment」の略です。

 

「環境変数を設定してコマンドを実行する」という意味で、environmentの略である「env」というコマンド名が採用されているようです。

環境問題に関するその他のフレーズ

global warming

「environment」とよく出てくるフレーズについてもおさえておきましょう。
やはり地球環境問題に関連するフレーズを重点的に覚えておくのがおすすめです。

 

  • 地球温暖化:global warming
  • プラスチックの使い捨て禁止:Banning single-use plastics
  • エコ:eco-friendly、environmentally-friendly
  • エコバッグ:reusable bag、eco-bag
  • リサイクルする:recycle
  • 持続可能な:sustainable

 

「地球温暖化」「Global warming」と表現します。地球温暖化に関連する英語表現が気になる人には、以下の記事がおすすめです。

「Banning single-use plastics」という表現は、自分で使うというよりは、把握しておいた方がいい英語表現と言えるでしょう。
「使い捨てにすること」を「single-use」といい、それを「禁止する(ban)」という表現です。

「エコ」は「eco」のままでも通じますが、「ecology(環境にやさしい)」という意味より、「economy(経済的な)」という意味で解釈される場合も多いです。
そのため、「環境にやさしいエコ」を意図している時は、「eco-friendly」と表現すると誤解されにくくなります。

 

「エコバッグ」「reusable bag」と表現します。「reusable」は「re-use-able」と3つに分解するとわかりやすいでしょう。「再び使うことができる」という意味の単語です。

「eco-bag」と表現しても問題なく通じます。

ちなみに「有料レジ袋」は「plastic bag」といいます。

 

「リサイクル」について表現する場合、「recycle」という単語は動詞なので注意しましょう。具体的には以下のように使います。

 

Aさん
We should recycle more plastic.
訳)もっとプラスチックをリサイクルすべきです

 

動名詞の形にして「Recycling is very important to me.」などともいいますが、英語表現では動詞のまま使うのが一般的です。

 

リサイクルについての英語表現に興味がある方はこちらの記事も併せて読んでみてください。


 

「sustainable(持続可能な)」という言葉はSDGsという考え方の普及で、日本でもよく耳にするようになりましたよね。
「sustain(持続する)」に「able(可能な)」がくっついて「持続可能な」と訳されていますが、英語を直訳しただけではわかりにくい言葉です。

 

「sustain」には、「環境を壊さず、資源を使いすぎない条件の下で、美しく豊かな地球を持続させる」という意味合いが込められています。
環境を壊さず資源を使いすぎないことと、快適な暮らしを送ることの両立を目指しているのが「sustainable」という考え方です。

 

SDGsについて英語で話せるようになりたいなら、以下の記事もおすすめです。

まとめ

 

「環境」を英語で表す時は、広い意味での環境全般を指す場合は「environment」、具体的で身近な状況を表す時は「surroundings」、経済状況や境遇を表したい時は「circumstances」と使い分けます。

 

ただ、ネイティブでも難しく感じる微妙なニュアンスの言葉です。

 

そのため、基本的にはまず「environment」という単語をおさえておくのがおすすめです。
「environment」だけでも、自然環境だけではなく、家庭環境や職場環境・インターネット環境など幅広い意味での「環境」について表現することができます。

 

「environment」と簡単な単語を組み合わせることで様々な事柄を表現することができるので、「environment」について深堀りするだけでも、英語力や英会話力の向上に非常に役立ちます。

 

ただ、やはり「environment」について学ぶなら、「地球環境」に関する表現と関連フレーズを勉強しておきたいものです。
海外の人と英語でコミュニケーションをとるのに最適のテーマですし、国際社会の一員としても、ぜひ地球環境問題について英語で意見を言えるようにしておきましょう。