皆さん、好きな野菜は何ですか?私は「ほうれん草」が大好きです。そのため、レストランなどに行くと大抵「ほうれん草のソテー」を頼んでしまいます。というわけで(?)、今回のテーマは「ほうれん草」です!
英語でほうれん草を何と言うかだけでなく、ほうれん草に似ている野菜たちの名前についても確認していきます。
豆知識として、「ポパイがほうれん草を食べる理由」や「報連相が英語にもあるか」なども見ていくので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「ほうれん草」は英語で何て言う?
ほうれん草は英語で “spinach” と言います。発音記号は「spínɪtʃ(spínɪdʒ)」で、カタカナで表すと「スピニッチ」となります。
日本ではそのままローマ字読みした「スピナッチ」という表記が多く見られますが、正しい発音は「スピニッチ」の方が近いです。
なんだか英語らしくない綴りだと思って調べてみたら、なんとペルシャ語由来の単語みたいですね。バザール(bazaar)とかターキー(Tutkey)の親戚、そう思うと綴りが変なのも納得です。
ほうれん草は数えられない?
ほうれん草を表す spinach は不可算名詞、つまり数えられない名詞です。そのため、spinaches という単語は無く、多くても少なくても常に spinach のままです。
我々日本人の感覚からすると「なんで?」って感じですよね。その理由は「ほうれん草=葉っぱの集合体」だから。
たとえば、スーパーで売っている一束のほうれん草から、葉っぱを一枚ちぎったとします。そのとき、もとの束もほうれん草で、ちぎった葉っぱもほうれん草、いわばほうれん草が2つに増えたとも取れますよね。
何が言いたいかというと、ほうれん草には「これがほうれん草」という決まった形が無いんです。葉っぱが10枚だろうと1枚だろうと、ほうれん草はほうれん草。というわけで、ほうれん草は1つ2つと数えられない、不可算名詞として考えられています。同じ理由でセロリ(celory)も数えられません。
とはいえ、食材として買うのに数えられないのは不便ですよね。そこで、ほうれん草を数える際には「1束(a bunch of)」「2束(two bunches of)」といったように束ごとに数えるのが一般的です。
I’ll take two bunches of the spinach.
訳)そこのほうれん草を2束いただこうかしら。
Thank you!
訳)まいどあり!
ほうれん草、漢字で書くと?
ほうれん草の「ほうれん」って、なんだか不自然に平仮名が使われていますよね。実はこれ、もともと漢字なんです。
ほうれん草を漢字で書くと「菠薐草」。いやはや、まったく読めないですね。
どうしてこんな名前が付いているかというと、菠薐というのは中国語でペルシャを指す言葉で、ほうれん草はもともとペルシャ地方から中国に伝えられた植物だからみたいです。
そう、英語の spinach の場合も、日本語(中国語)の菠薐草の場合も、そのオリジンはペルシャにあったんです。「全ての道はローマに通ず」ならぬ、「全てのほうれん草はペルシャに通ず」という感じですね。
ちなみに、ほうれん草には「法蓮草(法連草)」という表記も存在しますが、こちらは単なる当て字だと思われます。
All spinach leads to Persia.
訳)全てのほうれん草はペルシャに通ず。
What happened to you?
訳)急にどうした?
【ポパイ&報連相】ほうれん草に関連した豆知識
ほうれん草といえばポパイ!
「ほうれん草」という言葉を聞くと「ポパイ」が頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
ポパイ(Popeye)とは、アメリカで作られたコミック、およびその主人公の名前で、日本でもかつてテレビアニメが放映されて大ヒットしました。現在でもテレビCMなどでよく出てきます。我々日本人にとってはアメリカを象徴する存在で、雑誌の名前なんかにもなってますね。
そんなポパイ、ピンチになると缶詰のほうれん草を食べてパワーアップ!ライバルをポカンと倒します。そのため、「ポパイ=ほうれん草」という連想が世の中に定着しました。
Spinach makes you strong like Popeye!
訳)ほうれん草を食べればポパイみたいに強くなれるよ!
ポパイはなぜ、ほうれん草を食べると強くなるのか?
ところで、どうしてポパイはほうれん草を食べると強くなるのでしょう。
その理由は、「子どもたちにほうれん草を食べさせるため」。ポパイのアニメ放映が始まった当時、アメリカの子どもたちにとっての嫌いな野菜の代名詞はほうれん草だったそう。そのため、ポパイがほうれん草を食べて大活躍する姿で、子どもたちにもほうれん草を食べるよう啓蒙しようとしたようです。まさかの大人の事情でした…。
ちなみに、日本で子どもの嫌いな野菜といえば、やはりピーマンが代表的ですよね。そのため、ポパイの日本語吹き替えでは「ほうれん草⇒ピーマン」に内容が変更になったんだとか。大人の思惑は国境を超えますね。
ちなみに、「ピーマン」はフランス語。英語では “green pepper(bell pepper)” と呼ばれます。
Eat bell peppers, and you will be strong like Popeye!
訳)ピーマンを食べなさい、そうすればポパイみたいに強くなるわ。
Yesterday, you said “Eat spinach.”
訳)昨日は「ほうれん草を食べなさい」って言ってたよね。
ビジネスの基本である「報連相」、英語では何て言う?
ビジネス用語で「報告・連絡・相談」の頭文字をとった「報連相」という言葉がありますが、これは日本語独自の表現なので、英語には存在しません。
報告・連絡・相談というのは、すべて「上司や同僚に」ということが含意されていて、日本人らしい和を尊ぶ精神に溢れた考え方です。アメリカの働き方はもっと個人主義的なので、その点でも相当する表現は無いといえるでしょう。
ほうれん草に似た野菜たち、英語で何て言う?
よく「キャベツとレタスの見分けがつかない」なんて笑い話がありますが、正直なところ、ほうれん草も見分けるのが結構難しいですよね。スーパーに行くと似たような葉野菜がいっぱいあって、一人暮らしを始めた当初は面食らった覚えがあります。
ということで、ここでは野菜初心者(?)がほうれん草と見間違えやすい野菜たちを英語で何と言うかを確認していきましょう。
小松菜 in English
小松菜は英語で “Japanese mustard spinach” と呼びます。
「Japanese と spinach は良いとして、なぜ mustard?」という感じですが、mustard spinachで「からし菜」を意味するそう。
からし菜はアブラナの一種で、名前の通り「からし(mustard)」の原料になる植物です。おそらく、見た目が似ているが故に小松菜にもこの名前が付いたんでしょうね。
とはいえ、Japanese mustard spinach という言い方は、欧米ではあまり一般的ではありません。それより、ストレートに “komatsuna” と言った方が通じる可能性は高いです。
チンゲンサイ in English
チンゲンサイは英語で “bok choy” と言います。読み方は「バ(ク)チョイ」といった感じ。
いかにも英語っぽくない綴りと発音からおわかりの通り、これは中国語由来の言葉。漢字では「青梗菜」と書きます。
白菜 in English
白菜は英語で “Chinese cabbage” と呼びます。直訳すると「中国のキャベツ」。
ちなみに、「白菜」という単語は中国語では白菜・キャベツ・チンゲンサイなどの葉野菜を総称する名称らしいです。確かに、全部白い部分がありますね。
パクチー in English
パクチーは英語で “coriander” です。読み方は「コリアンダー」、なんだかパクチーよりも通っぽい響きですね。
日本で呼ばれている「パクチー(phakchi)」という名称はタイ語に由来しています。爆発的ヒットの原因がタイ料理だったからでしょうね。
モロヘイヤ in English
モロヘイヤは英語で “Jew’s mallow” です。直訳すると「ユダヤ人の葵(あおい)」。
そもそも「モロヘイヤ」という名前からして、よく考えると謎ですよね。実はこれ、アラビア語由来の名前なんです。
なんでも、かつて難病にかかったエジプトの王様がモロヘイヤのスープを飲んだら完治して、それ以来「モロヘイヤ(王様の食べる野菜)」という名前になったんだとか。とはいえ、なぜ日本でその名前が採用されたのかは謎に包まれています。
まとめ
今回は、ほうれん草にまつわる英語表現について確認してきました。
個人的にほうれん草は好きな野菜ベスト3に入るので、アメリカの子どもたちの間で不人気というのは、なんだか釈然としません。皆さんはいかがでしょうか。
ほうれん草に限らず、野菜の名前を英語で言えるとカッコいいですよね。今回ご紹介したことを参考に、いろいろな野菜を英語で言えるようにしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!