「ボールペン貸してくれる?」
「ボールペンで書いてください」
「ボールペンのインクがない」
このような職場や学校、家庭で当たり前にしている会話を、英語で正しく話せる人はどのくらいいるでしょうか?

ボールペンを借りたいときに、”Could I borrow a ball pen?”と言ってしまう人も少なくないでしょう。

ボールペンは英語由来の言葉ですが、正しくは”ballpoint pen”で、日本語のように”ball pen”
と言うのはじつは間違いなのです。

今回はそんな英語と勘違いしがちなボールペンをはじめとした文房具について、正しい表現と読み方、便利な例文を紹介していきます。

 

「ボールペン」は和製英語

筆記用具として便利な「ボールペン」は、完全な和製英語だということを知っていますか。

ボールペンは、英語で”ballpoint pen”と言います。

1943年にハンガリーで開発されたのが始まりで、ペン先に丸いボールがついていることからその名がついたといわれています。

当時は万年筆にインクをつけて書くのが一般的だったため、ボールペンは非常に画期的でインパクトのある発明でした。

イギリスやオーストラリアなどでは”ballpoint pen”以外に”biro”と呼ぶこともあります。

イギリス製のボールペン”Biro”の商標が広く知れ渡り、そのままボールペンを意味する英語として使われるようになったそうです。

Aさん
Could I borrow a ballpoint pen?
訳)ボールペンを借りてもいい?
Aさん
It’s not easy to draw with a ball-point pen, but I learned a lot from it.
訳)ボールペンで絵を描くのは難しいけど、勉強になったよ。
Aさん
My ball-point pen’s ink leaked out.
訳)ボールペンのインクが漏れちゃった。
Aさん
A pen designed to reduce writing stress by removing vibrations.
訳)ペン先がブレないボールペンだよ。
Aさん
I will introduce an artwork done with a ballpoint pen.
訳)ボールペン画を紹介するね。
Aさん
This is an erasable ballpoint pen.
訳)これは消せるボールペンよ。
Aさん
May I have a refill?
訳)替え芯をもらえる?

 

いろいろな種類の「ペン」

いろいろな種類の「ペン」

ボールペン以外にも、サインペンやシャープペンなどペンにはいろいろな種類がありますよね。

職場や学校でよく使う蛍光ペンや油性ペンのほかにも、最近ではタッチペンなども目にすることが多くなりました。

続いては、そんないろいろな種類のペンを表す英語を紹介します。

  • mechanical/automatic/propelling pencil シャーペン
  • highlighter 蛍光ペン
  • permanent marker/Sharpie 油性ペン
  • non-permanent marker 水性ペン
  • marker サインペン、マジック
  • fountain pen 万年筆
  • correction pen 修正ペン
  • erasable pen 消せるペン
  • stylus pen タッチペン
  • 3-color pen 3色ペン
  • multi-colored pen 多色ペン

アメリカでは油性ペンを”Sharpie”と呼ぶこともあります。”Sharpie”とは、有名な油性ペンのブランド名で、日本の「マッキー」と同じような呼び方と思っていただければわかりやすいでしょう。

Aさん
Please do not write on the white board with a permanent marker.
訳)ホワイトボードに油性ペンで書かないでね。
Aさん
Please trace on the paper with highlighter.
訳)紙にペンでなぞってね。
Aさん
She colored the picture with markers.
訳)彼女はペンで絵に色を塗った。
Aさん
I always use a 3-color pen.
訳)私はいつも3色ペンを使っているの。
Aさん
Will you pass me the marker?
訳)そのマジックを取ってくれる?
Aさん
You should put another piece of paper underneath the first one so the marker doesn’t go through to the table.
訳)テーブルにマジックがうつらないように、紙の下にもう1枚敷いてね。

 

「ペン」以外の文房具

「ボールペン」は和製英語

文具売り場へ行くと、「ペン」以外にも、消しゴムや定規、ハサミやホッチキスなどたくさんの文房具が並んでいますよね。

日々当たり前に目にしている文房具ですが、じつはカタカナをそのまま英語として使ってしまうと、意味が全然通じないものも少なくありません。

間違いやすい文房具の英語を一覧にまとめたので、これを機会に合わせて覚えておくと役立ちます。

  • stationery 文房具
  • pencil 鉛筆
  • colored pencil 色鉛筆
  • pencil sharpener 鉛筆削り
  • mechanical pencil lead シャーペンの芯
  • correction tape 修正テープ
  • whiteout/correcting fluid 修正液
  • eraser 消しゴム
  • ruler/rule 物差し
  • set squares 直角三角形と二等辺三角形で1組になっている三角定規
  • triangle 三角定規
  • protractor 分度器
  • compass/a pair of compasses コンパス
  • scissors/a pair of scissors ハサミ
  • utility knife/box cutter カッターナイフ
  • stapler ホッチキス
  • staple ホッチキスの芯
  • clip/paper clip クリップ
  • bulldog clip ダブルクリップ
  • clear file folder クリアファイル
  • label/tag/Post-it※ 付箋
  • sticker シール
  • Scotch tape※/Sellotape※ セロテープ
  • glue のり
  • notebook ノート
  • plastic board/sheet 下敷き
  • loose-leaf notebook ルーズリーフ
  • calculator/pocket calculator 電卓
  • binder バインダー
  • punch/hole punch 穴あけパンチ

※Scotch tape、Sellotape、Post-itは商標

文房具を英語でステーショナリーと言うのは、多くの人が知っていますよね。

書くための道具、筆記用具と限定したい場合は、”writing materials”と言う場合もあります。

よくある間違いが、文房具のステーショナリーを”stationary”と書いてしまうことです。

“stationary”(〔形〕静止した、変化のない)と、“stationery”(〔名〕文房具、事務用品)は、スペルがよく似ていて、発音も同じことから非常に混同しやすいですが、意味は全く異なるため注意が必要です。

 

ボールペンをballpoint penと覚えることから

ボールペンをはじめとした文房具について、正しい英語表現を紹介しました。ボールペンやカッター、ホッチキスなど、英語も同じだと勘違いして、ついそのまま使ってしまいがちな和製英語はたくさんあります。

日本の油性マジック「マッキー」のように、有名なブランド名(商標)がそのまま名前として使われているケースは海外でも珍しくありません。

正しい英語がパッと出てくると、会話がスムーズに進むだけでなく、些細な誤解も避けられるので覚えておくとよいでしょう。