お子さんが英語を聞いているとき、「何を言っているのかわからない……」と戸惑った表情をすることはありませんか?
「うちの子、リスニングが苦手なのかな」と、つい心配になってしまうこともありますよね。
英語を聞き取れるようになるには、単語や文法だけでなく、英語の音そのものに少しずつ慣れていくことが大切です。
最初からすべての意味を理解しようとしなくても大丈夫。まずは「聞いたことがある」「この音、知っているかも」と感じられる経験を増やしていきましょう。
今回は、小学生のお子さまが家庭で無理なく取り組める「最初の1ヶ月メニュー」をご紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 小学生のリスニング力を育てるには、意味を理解する前に英語の音に慣れることが大切で、「聞こえる音のストック」を増やしていくことが第一歩。
- 聞く→まねする→知っている単語を探す→短い会話を聞くという4週間のステップで、無理なく英語の音に親しめる。
- 家庭学習では完璧を求めず、「聞けた」「言えた」をほめながら楽しく続けることがリスニング力向上のポイント。
英語が聞こえにくいのは、耳が悪いからではない

子どもが英語を聞き取れていない様子を見ると焦ってしまいますが、多くの場合、問題は耳そのものではありません。英語の「音のクセ」を、まだ十分にキャッチできていないだけなのです。
日本語は、ひとつひとつの音を比較的はっきり発音する言語です。一方で英語は、単語と単語がつながったり、一部の音が弱くなったり、リズムに強弱がついたりします。
たとえば、”want to“が「ワナ」のように聞こえたり、”get up”が「ゲラップ」のように聞こえたり。だから、文字で見ればわかる言葉でも、耳から入ると別の言葉のように感じられるのです。
また、LとR、th、vなど、日本語にはない音も登場します。最初から細かい違いまで聞き分けようとしなくても大丈夫です。「日本語とは違う音があるんだな」と気づくだけでも、英語の音に耳を向けるきっかけになります。
「聞こえない」のは能力のせいではなく、「これは英語の音だ」と脳が認識できるストックが、まだ少ないだけなのです。
最初の1ヶ月は「意味の理解」より「音に慣れる」
リスニングの練習というと、「英語を聞いて、正しく意味を答える」というテストのようなイメージを持つかもしれませんね。
でも、小学生の最初の段階でそれを目指すと、子どもによっては英語が苦手になるきっかけになることも。いきなり正しく聞き取ろうとしなくて大丈夫です。まずは、英語の音の流れに少しずつ慣れることから始めましょう。
流れてくる英語の意味が、全部わからなくてもかまいません。同じ音声を何回も聞いているうちに、「このフレーズ、前にも聞いたな」「なんとなく口まねできるかも!」という瞬間が自然とやってきます。
おうちで取り組むなら、1日5分からで十分。まずは1ヶ月、親子のペースでハードルを下げて始めてみましょう。
【1週目】英語の音を毎日「聞き流す」だけでOK

最初の1週間は、生活の中に「英語の音が鳴っている時間」を少しだけ作ることを目標にします。英語の歌、短い動画、オンライン英会話の予習音声など、お子さまが嫌がらずに見聞きできるものなら何でもOKです。
この時期、親が気をつけたいのは、「今の意味、わかった?」と確認しすぎないこと。毎回意味を質問してしまうと、子どもは「テストされている?」と身構えてしまいます。
最初は、意味がわからなくても耳に触れていれば満点!と割り切りましょう。
朝の準備中に英語の歌を流す、夕食前に短い英語のアニメ動画を1本だけ見るなど、「すでにある毎日の習慣」にくっつけると続けやすくなります。同じ音声を何度も聞くことで、子どもは「音の流れ」を自然と覚えやすくなります。
【2週目】聞こえた音を「なんとなく」まねしてみる
2週目に入ったら、聞くだけでなく、耳に残った音を少しだけ声に出してまねしてみましょう。
ここでも、発音を細かく直す必要はありません。正しい発音記号を覚えることよりも、英語特有のリズムや「それっぽい雰囲気」を楽しむことが大切です。
短いフレーズを選んで、音声のあとに親子で一緒に口に出してみます。
まずは、“Hello.” “How are you?” “I like dogs.”などから始めてみては?
ちょっと発音がズレていても、「今のリズム、すごく英語っぽかったね!」と声をかけてあげてください。
まねする時間は、長く取らなくても大丈夫です。短いフレーズをひとつ声に出すだけでも、英語の音に慣れる練習になります。1日1フレーズできれば大成功です。
【3週目】知っている単語を「音」で探してみる
3週目は、お子さんがすでに知っている身近な単語を、音声の中から探す練習をしてみましょう。使う音声は、音声つきのフォニックス教材や、小学生向け英語教材の単語音声、色や動物が出てくる英語の歌などでかまいません。
音声を流しながら、「今、catって聞こえた?」「redってどこで言ったかな?」と、ゲーム感覚で声をかけてみます。
ここで大切なのは、難しい単語をたくさん出さないこと。知らない言葉を増やすのではなく、「知っている単語が、音になるとこう聞こえるんだ!」という一致感を作ることが目的です。
3週目のゴールは、英語を全部理解することではなく、「今、知っている単語が聞こえた!」といううれしい体験を積み重ねることです。
【4週目】短い会話のなかで「耳をすませて」みる
最終週は、単語単体ではなく、短い会話の中で英語を聞く練習にチャレンジします。使う音声は、英語教材の会話音声や、オンライン英会話の予習・復習用音声、子ども向け英語動画の短いやりとりなどがおすすめ。自己紹介や、好きなものを教え合うような、シンプルなやりとりで十分です。
こうした会話を聞きながら、やっぱり全部を聞き取ろうとしなくて大丈夫。「今、nameって聞こえたね」「applesって言ってた!」と、聞こえた音を親子で一緒に拾い上げていきます。
短い会話の中で知っている音や単語に気づけるようになると、「英語が少し聞こえた」という実感につながります。
4週目は、正しく訳すことよりも、聞こえた音を見つけることを大切にしましょう。
1ヶ月続けるために、親が気をつけたいこと

この1ヶ月メニューを楽しく続けるための秘訣は、「親ががんばりすぎない、完璧を求めない」こと。
いざ、子どものこととなると、つい「毎日サボらずにやらせなきゃ」「正しい発音を身につけさせなきゃ」と肩に力が入ってしまいがちですよね。
でも、おうちでの音の練習は、厳しい発音指導の時間ではありません。英語の音と出会い、おもしろがってまねをして、少しずつ耳をなじませていくための時間です。できない日があっても大丈夫。「また明日やろっか」と、のんびり構えていてください。
また、子どもがまねした発音を細かくチェックしすぎるのも控えましょう。最初から完璧を求められると、子どもは間違えるのが怖くなり、声を出すのをためらってしまいます。「聞こうとしたこと」「口に出してみたこと」そのものを、たくさん褒めてあげてくださいね。
まとめ
英語のリスニング力は、ある日突然、魔法のように伸びるものではありません。でも、小さな時間でもくり返し音にふれていると、お子さまの耳は少しずつ変化していきます。
最初はただの「呪文のような音のかたまり」に聞こえていた英語の中から、「Helloって言った」「先生のGood jobがわかった!」と気づけるようになる。その小さな手応えが、子どもたちの心を動かす原動力になります。
家庭での練習で一番大切なのは、完璧さよりも「今日も楽しかったね」と終われる続けやすさです。
聞こえる音が増えると、英語は少しずつ楽しくなります。便利なツールも活用しながら、お子さまが「あ、今聞こえた!」と笑顔になる瞬間を、おうちで一緒に楽しんでみてくださいね。
