英単語は、英語学習を進めるうえで欠かせないものです。
その一方で、「昨日覚えたはずなのに、今日はもう忘れている」「何度も練習したのに、いざ話そうとすると出てこない」と悩んだことがある保護者の方も多いのではないでしょうか。
私自身も、英語学習を見守る中で、同じ壁に何度もぶつかりました。
新しい単語を覚えても、数日後には思い出せなくなっていることが少なくありませんでした。
当時は、「もっと繰り返し書いたほうがいいのでは」「復習が足りないのでは」と、覚えることばかりに意識が向いていました。
しかし、日常生活や学校で当たり前のように英語を使っている姿を見て、その考えは大きく変わりました。
「単語は覚えるもの」ではなく、「使うことで自分の言葉になっていくもの」だったのです。
今回は、英語が「覚えた知識」から「使える言葉」へと変わっていった、わが家の3つの出来事を紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 覚えた単語は、実際に話す経験があってこそ「使える言葉」へと変わっていきます。日常生活で自然に口をつくようになった瞬間が、その変化を実感するきっかけでした。
- 家庭・祖父母との会話・友達とのやり取りなど、勉強を意識していない場面で英語が出てきたことが、定着を感じる大きな成長でした。
- 「覚えさせる」ことよりも「使える場面を増やし、英語が出た瞬間を見逃さない」関わり方が、単語を自分の言葉として定着させる近道でした。
使うことで単語は定着する

英単語は、何度も書いたり読んだりして覚えることも大切です。
しかし、覚えた知識は、実際に話す経験があってこそ「使える言葉」へと変わっていきます。
わが家でも、英語を勉強している時間ではなく、日常生活の中で英語が自然に出てくる場面が増えるにつれて、「定着してきた」と気づくことが多くなりました。
その考えをはっきり感じるようになったのは、次の3つの場面でした。
思わず口をついた「Here it is!」
最初に驚いたのは、英語を勉強している時間ではなく、ごく普通の日常の中でした。
探していたものが見つかると、「Here it is!」。
ちょっと待ってほしいときに 「Wait a minute!」。
出かける前に私が「準備できた?」と声をかけると、「I’m ready!」と笑顔で返事をすることも増えました。
妹に向かって「Are you ready?」と声をかけていることもあります。
どれも、「英語を話そう」と意識していたわけではありません。
教材を開いていたわけでも、オンライン英会話のレッスン中でもなく、普段の生活の中で思わず口をついた言葉です。
その姿を見て、「いつの間にこんなふうに英語が口をつくようになったのだろう」と驚きました。
それまでは、「覚えられているかどうか」ばかり気にしていましたが、この頃からは、英語が長女の生活の中に少しずつ溶け込み、自分の言葉になってきていることに気づきました。
祖父母も驚いた「It was fun!」
もう一つ印象に残っているのが、祖父母と過ごしていたときのことです。
祖母が「昨日のイベントはどうだった?」と聞くと、「It was fun!」と英語で答えました。
その後、「○○をやったんだよ」と日本語で話しながら、「I really enjoyed it.」と英語でも話していました。
英語を披露しようとしていたわけではなく、その日の出来事を話す流れの中で、ごく自然に英語が出てきたのです。
毎日の変化は少しずつなので気付きにくいものですが、久しぶりに長女の英語を聞いた祖父母は、「こんなに話せるようになったの?」と驚いていました。
以前は、「英語で言ってみる?」と声をかけなければ話そうとしなかった長女が、自分から英語を使っている姿を見て、英語は勉強するものではなく、「伝えるための言葉」になり始めているのだと感じました。
祖父母が驚く姿を見て、毎日地道に積み重ねてきたことが、確実に力になっていることをあらためて知った出来事でした。
友達に聞かれた「これって英語で何て言うの?」
家庭だけでなく、学校でも長女の変化を感じる出来事がありました。
学校で英語のスピーキングテストがあった日、帰宅すると「テストの前に友達から『これって英語で何て言うの?』って聞かれたから教えてあげた。」と話してくれました。
聞いてみると、英語のテストがある日は、何人かの友達が長女のところへ来て、「これで合っている?」「何て言うんだっけ?」と確認することがよくあるそうです。
テストが終わった後も、「何て答えた?」「あれで合ってた?」と声をかけられることがあると聞きました。
自分が答えられるかどうかで精いっぱいだった長女が、今では友達の質問にためらうことなく答えられるようになっていたことを知り、大きな成長を感じた瞬間でした。
テストのために覚えた英語ではなく、友達との何気ないやり取りの中で繰り返し使えるようになっていたことに、単語が知識として頭に入っているだけではなく、自分の言葉としてしっかり定着しているのだと実感しました。
単語が自分の言葉になるとき

3つの出来事を振り返ると、長女は英単語を「覚えた」というより、「使える言葉」として身につけていったのだと思います。
家庭でふと口にした一言も、祖父母との会話も、学校で友達と話したことも、どれも「英語を勉強しよう」と意識していた場面ではありませんでした。
だからこそ、覚えた単語を思い出し、繰り返し使う機会になっていたのだと思います。
英単語は、一度覚えれば終わりではありません。
生活の中で何度も使い、「あ、この表現知っている」「こんな場面でも使える」と感じる経験を重ねることで、徐々に忘れにくくなり、本当に使える言葉へと変わっていきます。
わが家でも、「もっと覚えさせよう」と力を入れていた頃より、「今日はどんな英語が出てきたかな」と見守るようになってからのほうが、成長を感じる機会が増えました。
これから学ぶ単語や表現も、日常の中で使う経験を積み重ねることで、やがて自分の言葉になっていくはずです。
親が意識したいこと
今回紹介した3つの場面は、どれも私が「英語を話してみて」と促した場面ではありませんでした。
一方で、何もしなくても身についたわけでもありません。
家庭学習やオンライン英会話で学んだことを、家庭での会話や学校生活の中で実践する機会があったからこそ、英語が少しずつ定着していったのだと思います。
英語を使える場面を増やす
これまでは、「今日はどんな単語を覚えたの?」と聞くことが多かったのですが、今は「今日習った表現、どこかで使えそうだね」「英語で言うと何て言うかな?」と声をかけるようにしています。
英語を口にするきっかけは、特別につくる必要はありません。
出かける前や食事中、学校であったことを話す時間など、日常の中にたくさんあります。
家庭学習やオンライン英会話で学んだことを生活の中でもう一度使うことで、覚えた単語は徐々に「使える言葉」へと変わっていきます。
英語が出た瞬間を見逃さない
もう一つ意識しているのは、子どもが英語を口にした瞬間を見逃さないことです。
「今、英語が出たね!」「自然に言えたね!」と声をかけると、とてもうれしそうな表情を見せます。
「合っているかな」「発音はどうかな」と気になることもありましたが、今はまず英語を使えたことを大切にしています。
その小さな成功体験が自信となり、「また英語を使ってみよう」という気持ちを後押ししてくれました。
英語を使うことが楽しいと感じられれば、覚えた単語も定着しやすくなるのではないかと感じています。
まとめ|使うことが定着への近道

以前の私は、「もっと単語を覚えなければ」と考えていました。
しかし今では、単語は覚えるだけではなく、実際に使うことで時間をかけて自分の言葉になっていくのだと感じています。
もし、お子さんが「覚えてもすぐ忘れてしまう」と感じているなら、暗記の量を増やす前に、覚えた単語を口にする機会を少しだけ意識してみてはいかがでしょうか。
日常の何気ない一言や家族との会話など、小さな「使えた」という経験の積み重ねが、「知っている単語」を「使える単語」へと育ててくれます。
単語を覚えることはもちろん大切です。
しかし、その先にある「使う経験」があるからこそ、本当の意味で定着していくのだと、わが家の経験を通して確信しました。
焦らず、小さな一歩を積み重ねながら、お子さんが英語を「自分の言葉」として使える場面を、ぜひ一緒に増やしてみてください。
