今回のテーマは「安い」です。
ひとくちに「安い」と言っても、単語によってそのニュアンスはさまざま。特に有名な単語は “cheap” ですが、常に cheap しか使えないと、状況によっては失礼に当たることも…。
この記事では、cheap をはじめとした「安い」を表す単語のニュアンスを詳しく解説していきます。これを読めば、英語でいろいろな安さを表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「安い」は英語で何て言う?まずは基本の4つを押さえよう!
「安い」を表す代表的な表現は ”cheap”、”inexpensive”、”reasonable”、”affordable” の4種類です。それぞれに表すニュアンスが異なるので、場面に応じて使い分けられるようにしていきましょう。
安い①:cheap
“cheap” は、値段が安いことを表す最も代表的な表現です。発音記号は「tʃíːp」、カタカナ表記すると「チープ」になります。ちなみに、対義語は “expensive(高価な)” です。
cheap は素直に値段の安さを表現できます。そのため、物の値段を見て「安い」と思ったらcheap と言ってしまってOKです。
This hat is 1,000 yen.
訳)この帽子は1,000円です。
It’s cheap.
訳)安いですね。
ただし、cheap は良くも悪くも日常的に使う言葉なので、実際の安さだけでなく、「安っぽい」というイメージも意味するようになってしまいました。”cheap novel(安っぽい小説 / 三文小説)” などが代表的です。
そのため、値段も知らない物品を指して cheap と形容してしまうと、「それは安っぽいですね」という意味になってしまいます。自分のものなら良いですが、他人のものを指す場合は注意が必要です。
My bag is cheap.
訳)私のカバン安いの。
I see.
訳)ふうん。
Your bag is cheap.
訳)あなたのカバンは安っぽいね。
No way!
訳)待てぃ!
とはいえ、必ず「cheap =安っぽい」とネガティブな意味になるわけでもありません。”great cheap wine(安くて美味しいワイン)”、”cheap outfits(プチプラコーデ)” など、cheap を使ってもポジティブに響く言い方はたくさんあります。
cheap はネイティブも日常的に使っている表現なので、臆することなく活用していきましょう。
安い②:inexpensive
“inexpensive” は、cheap よりもフォーマルに値段が安いことを表します。発音記号は「ìnɪkspénsɪv」、カタカナだと「インイクスペシブ」が近いです。
inexpensive は “expensive(高価な)” に否定を表す “in-“ が付いて出来上がった単語です。「高くない⇒安い」というイメージで、品質のわりに値段が安いことを表します。
また、cheap と異なり inexpensive には「安っぽい」というネガティブなニュアンスはありません。そのため、誤解を恐れずに幅広い場面で使うことが可能です。
You can find inexpensive shoes in my shop.
訳)私のお店なら、お値段控えめな靴が見つかりますよ。
安い③:reasonable
“reasonable” は、納得できる安さを表します。発音記号は「ríːz(ə)nəbl」、カタカナだと「リーズナブル」です。日本でもカタカナ英語でよく使うので、聞き馴染みがある人も多いでしょう。
reasonable という単語は「reason(理由付け)ができる(-able)」という構成になっています。そこから、「値段の理由付けが納得できる⇒理にかなった値段」という意味になりました。
とはいえ、あくまで納得できる値段を表すだけなので、必ずしも安いとは限りません。「法外に高いわけじゃない、妥当な値段設定」というイメージで捉えておきましょう。
This coat is made of real leather, so it is reasonable.
訳)このコートは本革製だし、納得できる安さだな。
安い④:affordable
“affordable” は、手の届く安さを表します。発音記号は「əfˈɔɚdəbl」、カタカナだと「アフォーダブル」です。
affordable という単語は「afford(懐の余裕)ができる(-able)」という構成です。ここから、「懐に厳しくない値段⇒手が届くくらい安い」という意味になりました。「懐が痛まない、良心的な値段設定」というイメージで捉えておきましょう。
I want to buy an affordable car.
訳)手の届く値段の自動車が買いたいな。
「お値打ち品」など、「安い」を表す発展表現
ここからは、「安い」を表す発展的な表現を確認していきましょう。
安い⑤:low-priced
“low-priced” は「値段設定(priced)が低い(low)」ということで、客観的に値段が安いという事実を表します。通常の商品より安い「低価格品」というイメージです。
安い⑥:good value
“good value” は「良い(good)価値(value)」ということで、本来の価値より値段が安いことを表します。買えば得する「お値打ち品」というイメージです。
安い⑦:economical
“economical” は「経済(economy)に関する(-ical)」ということで、経済的な安さを表します。単品での安さというより、長く使い続けることでお得になる安さを表します。「家計に優しい」というイメージがピッタリの表現です。
安い⑧:modest
“modest” はもともと「謙虚」という意味で、儲けを考えていない安さを表します。消費者目線ではなく販売者目線の表現であり、「良心的価格設定」というイメージがピッタリです。
安い⑨:competitive
“competitive” は「競争(compete)」がもとになっていて、他社と競った結果の安さを表します。modest 同様に販売者目線の表現で、「どこよりも安い」というイメージがしっくり来ます。
「物価が安い」など、値段自体が安いことを表すには?
ここまでご紹介してきた表現は、すべて「(品物などの)値段が安い」ことを表します。その結果、主語に「値段(the price)」などを持ってくると、「値段の値段が安い」という意味不明な文になってしまいます。
- ×The price is cheap.
- ×The price is reasonable.
- ×The price is good value.
値段自体が安いときは “low” を使う
そのため、主語が値段や金額の場合、「安い」は “low(ロウ)” を使って表しましょう。low は「低い」という意味なので、そのまま「値段が低い」ということですね。ちなみに、高い場合は “high(ハイ)” を使います。
- 〇The price is low. 「その値段は安いです」
- 〇The price is high. 「その値段は高いです」
「物価が安い」などの具体的表現
low を使って、「物価」「給料」「税金」が安いことを表すと、それぞれ以下のようになります。
物価 ⇒ prices in 場所
Prices in my city is low.
訳)私の住む町は物価が安いです。
給料 ⇒ salary
My salary is low.
訳)私の給料は安いです。
(消費)税 ⇒(consumption)tax
The consumption tax in Japan is low.
訳)日本の消費税は安いです。
まとめ
今回は「安い」をテーマに確認していきました。
「安い」といえば cheap ですが、文脈によっては「安っぽい」というニュアンスになることもあるので、他の表現も覚えておくと安心です。
さまざまな表現をご紹介しましたが、いきなり全部覚える必要はありません。1つひとつ着実に覚えて、少しずつボキャブラリーを増やしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!